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書店も映画館も!そして『灯火』も! 『緊急事態宣言3』に思うこと

都内で午後8時以降は街灯以外は消灯と知事
2021/4/23 14:20 (JST)4/23 16:40 (JST)updated


 東京都の小池百合子知事は23日の定例記者会見で、新型コロナウイルス対策で人出を抑制するため、午後8時以降は街灯を除いて店頭などの照明を消すよう業界団体などを通じて要請すると明らかにした。
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 ……国の方針に基づく床面積千平方メートル超の大型商業施設への休業要請に加え、都はより範囲を広げて感染拡大の抑え込みを図る。映画館やスポーツジム、パチンコ店、ゲームセンターなどが対象となる。

 酒類を提供する飲食店には休業を要請し、提供しない場合でも午後8時までの営業時間短縮を求める。
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まったくいろいろな意味で、3度目の宣言下自治体の住民は多くの苦労と困難を抱えると思う。何とか乗り切りたいところだ。


それはそれとして、
今まで論じていた論点が、次々浮上したので、そこだけ再論したい。

とくに、3度目の措置から逆算して考えるべきは

・2度目の緊急事態宣言での規制は1、3より『緩かった』。そしてそもそも日本の緊急事態宣言とその規制は、世界的基準では「超緩い」。

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「私権制限」日本とドイツでこんなに違う

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・それでも2度目の規制は、ご存じの通りの効果をもたらした。問題はその効果の度合いを、どの程度と評価するかによる。


だから自分はこう書いたのだけど、今から読み直すと、その留保の部分が重要となる

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今回の緊急事態宣言延長には、こんな話もある。
・このままふつうに延長しても、「東京都から1日300人程度」のこの状況は変わらず、高止まりするんじゃないか。
・ならば、延長期間は、今までの対策にプラスした「何か」を付け加えたほうがいい。


と。本日のモーニングショーとかでやってた。

そこでは「検査拡充」とかも言ってたし、それはそれで効果があるんだろうけど、「いまの状態で東京1日300人まで下がったのだから、ここにプラスして映画館(ほか美術館や図書館、本屋なども??)も規制すればさらに一段下がる」という発想もあり得るのではないかいな。
特に証拠はない。


そしてエヴァ公開初日の日に書いた。

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…前提条件として「(2度目の)緊急事態宣言を発出してから今までの減少規模とスピード」に合格点をつけるなら、という大前提であってね。


「それではまだまだ不十分で、さらに減少させねばならない」
「いま現在の、この規模の『人出』があるのは好ましくない」


という前提に立つなら、「じゃあ、映画館の営業を朝から晩まで止めれば、さらに減少するかはわからないけど、とりあえずその分の『人出』は減ることは間違いない、」と思うわけでね。それは間違いじゃないでしょ?
というか、ドイツで鉄血宰相メルケルがやった。ニューヨークで英雄クオモ(当時)がやった。

こうやって見ると、緊急事態宣言下の自治体においてはやはり、「鬼滅の刃を、エヴァを、銀魂を見に行ったあなたが、この事態を生んだ」と…………言われたら、その通りだと思う?そんなことはないと思う?に、
ただ後述するような話で、相対的・統計的には言っていいような、である。
映画館でクラスター発生報告が無いから、映画館に大勢に人が行くことは問題じゃない、というわけでは、やはりないようなのだ(他の宣言出てない自治体はヨシ!(なのか???))。


というか、そもそもの1丁目5番地ぐらいの話。
個別に施設や行為を区分けしていけば、映画館、スポーツイベント観戦、美術館、書店…そういったもろもろの感染拡大リスクは低く、少なくとも酒を伴う飲食店での多人数会食とは明確な差がある。
それはもうわかっている。前提である。

その上で、だがしかし、そういったところに「出かける」行為自体が『人流』を生む。 今回はこの『人流』を、個別にここは大丈夫、あそこは低リスクと仕分けせず、玉石共ニ砕ク、というやり方でしょ。


いい・悪いはともかく、それは前回「温存」したカードであり、そのカード温存の上で「鬼滅の刃」は興行収入100億円を突破、シンエヴァも70億円を稼いだのである。

今回、その温存カードを切ったのだろう。
変異株に対応する、という意味もあるかもしれない。


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そして、けっきょくは人出抑制の「雰囲気」作り。映画館が閉まり、灯火が落ちれば、緊急事態2やまん防よりも「雰囲気」は増すと思うよ。

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藤子・F・不二雄が「他人を気にする日本人」を描いた奇妙なSF漫画「オヤジロック」からのパロディ
雰囲気 ですよ ふいんき

ふんいきさえあれば、ノーマスクピクニックも中止に追い込める。(少なくとも追い込んだのは「法」じゃないわな)
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・そしてその点で言うと… 各人の行動の自由を重んじる自由民主国家より、中国の統制の方が効果があったように「いわゆる”自粛警察”が盛んに活動すればするほど感染症拡大予防そのものに関しては効果的だった」… のではないかなあ、とちょっとだけ想像する。
そうであるというエビデンスが出ても困るので、これは仮説だけにしておいて検証しないようにしよう(笑)


もう一つ、こちらがさらに本題。

・緊急事態宣言と、 その前に盛んに呼びかけられた(小池百合子都知事が見れない落語家並みの語呂合わせをやっていた)あれやこれやの自粛呼びかけの間にどれだけの差があるかといえば、「ほぼ差はない」ことはよく知られている。病院敷地の接収ができるみたいなもので、実質それは発動されてなかったんじゃないかな。

・では何が違うかといえば「メッセージ性」「インパクト」の問題である…とはそもそも緊急事態発出の時にニュースでも解説されたことで…(略)…・ただ「重要なのは、その法律の規定そのものではなく、それが発動されたことによる空気・雰囲気づくりであった」というのは…(後略)


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こういう点では、灯火を消して町を暗くする、は「法令の強制力を超えた雰囲気つくり」としては、意外なほど効果があるんじゃないかな、というのが当方の見立て。

「戦時中か」とか「先の大戦の灯火管制を思わせる」とか言う声もあるが、
そもそも防疫のための政策というのは基本、自由民主主義国家では普段考えられない規制がとられるべきもので(だから強権国家に強みがあったりする)、そもそも営業制限や大勢の会食、花見に厳しい目が注がれること自体に戦争っぽさをこれまで感じてねえのかよ、って。
というか「 コロナとの WAR 」は通常のスローガンでもありましょう。

それとは別に・・・・・・これ、別建てにしよう。
こちらに続く
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