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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「誹謗中傷」「身の安全」の問題で企画中止(のが本当)なら、それは企画の善悪と関係なくなるんじゃないか

「ノーマスクピクニック」全面中止 「誹謗中傷で身の安全考慮」


毎日新聞 2021/4/20
中止を発表した「全国同時ノーマスクピックニックデー」の告知サイト
 大型連休中の5月1、2日に開催するとしていた、全国各地でマスクを着けずに屋外でピクニックを楽しむ「全国同時ノーマスクピクニックデー」について、主催者は20日、全面中止するとウェブサイト上で発表した。

 理由について「予期せぬ形での拡散・報道により、個人的な誹謗(ひぼう)中傷なども多く見られたため、参加者の身の安全を考慮した結果、今回の企画においては全面中止とさせていただきます」
mainichi.jp

f:id:gryphon:20210422091745j:plain
コロナ下のノーマスクイベント中止

これへのブクマ 
b.hatena.ne.jp

いやはや、さらなる”批判”一色だが、ごく少数意見として拙コメントを。

いやこれ重大な問題でな。間違ってたりおかしいと思うものに「A:反論や批判」は当然あるが、それが「B:誹謗中傷や危険を示唆する脅迫的内容」な可能性もある。AならBでない…とは言えんのだ、全ての運動は。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4701508329745235938/comment/gryphon

企画自体が、実に愚昧だということはまったく異論がない。

だが
思い出そう


映画「靖国」上映中止
映画「ザ・コーヴ」上映中止
映画「主戦場」上映中止
ろくでなし子氏講演中止
香山リカ氏講演中止
竹田恒泰氏講演中止
百田尚樹氏サイン会中止
津田大介氏参加シンポジウム中止
善光寺北京五輪聖火リレー出発地辞退


などなど。
挙げたのは、(記憶の限りでは)中止理由の一つに「安全を考慮」があったうえで、明白な形で脅迫犯が逮捕・起訴されるなどしたものを除いたものだ。


これらの作品なり個人への、質的な評価は、いろいろあるだろうし、あって当然だろう。
ただ、その種の「批判」を受けて、主催者がなるほどそのご批判はごもっとも、と納得した(という公式見解がある)ならそれで話は一応終わるのだが、「参加者の身の安全を考慮」とか「誹謗中傷」という話(が真実)ならば、ノーマスクピクニックと、上のような話はけっこう同一カテゴリーになるやん。というかこの時、その内容や言論の質は逆に問うべきではない。


内容が批判されて当然のものだったから、「誹謗中傷」ではない、という論法もなかなか成り立ち難い。
最近「誹謗中傷」の話題で問題となった、テレビ番組出演をきっかけにKさんが自殺に追い込まれた問題も、テレビではリアリティー・ショーの演出ということで、Kさんはかなり派手・極端な、ある種の誇張も込めた言動を披露したと聞く。
内容が、そのK氏の(テレビ上での)言動を咎めたものだったらすべて「批判」であり、ゆえに自動的に「誹謗中傷」でなくなるかといえばそうではないし、その逆もしかり。


ちなみに今回の中止、あるいは批判ブクマは『自粛警察』であるのか、そうでないか。

以前の画像

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「私権制限」日本とドイツでこんなに違う

でもなぜ、世界的にみるとゆるゆるな日本の「緊急事態宣言」に、罰則無しでも効果があるというと…それが、「雰囲気」をつくり、法に定められている以上の広範かつ厳格な規制が、法的根拠とは別の形で実質的に行われているからだ。

今回、東スポの記事にもこうある。

……会場に選ばれてしまった公園を管理する自治体の担当者は中止決定前、「当日の公園の見回りを強化して声かけの人員を増やすことを考えています」とGW返上を覚悟していた。
www.tokyo-sports.co.jp

実際に行われたとしても、自治体権力は「声かけ」ぐらいしかおそらく、できなかったのだ。
本来だったら、法に基づく規制が行われ、権力による強制力が発動されるのだろうが、それを自由への考慮か、単なる怠慢か、事実として日本はやっていない。
m-dojo.hatenadiary.com



しかし、それを結果的に中止に追い込んだピープルズ・パワー。
ウィ―シャルオーバーカム。

だが…

1……イベント中止をもたらした一連の批判(だか誹謗中傷だか)はいわゆる『自粛警察』だったのか。⇒ はい:いいえ
 
2……1が「はい」の場合、むしろ『自粛警察は善(あるいは必要悪)』といえるのでないか⇒ はい:いいえ

ココロにアンケート。


そして最後に、ノーマスクピクニックなるイベント企画は天下の愚行である、との論評を繰り返させていただきます。
(了)



そして余談としてのハック

SNSで情報の拡散が多く、また情報を発信する機会も格段に増えたいま、こういうやり方のほうが社会的に効果があるのでは、というSF的考察

・社会的・党派に尖った、挑発的なイベントをまず企画し、宣伝する。
・それへの(否定的な)反響が起きるのをじっと待つ。
・寄せられる無数の意見には、論理的で礼節は保ったうえでの「批判」「抗議」もあるが、確率の問題としてそこに誹謗中傷的・侮蔑的・威圧的・暴力的・脅迫的な文言が皆無となる可能性は低い
・そういう、威圧的・暴力的・脅迫的な文言が少しでもあったら「誹謗中傷があり、危険が考慮されます!!仕方なく、安全のために企画を中止します!」と宣言する
・このほうが、政治的・社会的には効果がある。

これを意図的に行うような主催者は、今のところはいないだろう……と信じたい。
(余談・了)