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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「2020年マンガ10傑」ほか各賞を選定します。

ぱち
ぱち
ぱち、と。

このマンガがすごい!などが発表される前に、先行して発表します。まず全作品を発表しますが、時間がかかるので、記事の全文(特に作品紹介)は、何回かに分けてUPします。お手数ですが、何度かご来訪してください。ちなみに「このマンガがすごい!」は14日発売。


その前に…当ブログの「漫画10傑」の賞の特徴、注意点について。
【重要な注意点】
・「10傑」は1−10位の順位付けをしているわけではありません。
・うちの賞の基準として、、『過去に一度選んだものは、その後は自分が実際に面白いな、すごいな、と思ってもあまり優先しない』ようにしています(それでも例外はある)。「なんであれ入ってないの?」と思う作品は、これが理由なことも多いと思います。
※この記事の末尾に、過去の賞へのリンクを張っています。
一方で2017年から、一度選んだけど再度面白い作品を補う特別枠も作りました。



それではいってみよーー

まず、ここに、一覧を掲載

まず作品を一覧化します。紹介文は可能な限り、徐々に追加していきます。
 

作品名 作者 表紙
10傑 スインギンドラゴンタイガーブギ 灰田高鴻池
10傑 風太郎不戦日記 原作:山田風太郎/作画:勝田文
10傑 過去になんかできない!!! 原作: 香川まさひと/ 作画: はしもとみつお
10傑 意味が解ると怖い4コマ 湖西晶
10傑 ニンジャスレイヤー 画:余湖裕輝など
10傑 鬼滅の刃 吾峠呼世晴
10傑 ガヴァネスなずなさん 緑山
10傑 吸血鬼すぐ死ぬ 盆ノ木至
10傑 813~怪盗ルパン伝アバンチュリエ 森田崇
10傑 世界歩いているとドープな人にからまれる 五箇野人

続いて個別の受賞作品紹介です。完成

スインギンドラゴンタイガーブギ

アマゾン紹介文より

ジャズ。それは戦後日本の「芸能界」のルーツ。これはすべてを失ったこの国、そして
その音楽が再生する歴史を描く、一大ジャパニーズジャズストーリーなのだ。

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スインギンドラゴンタイガーブギ

「戦後」をジャズから切り取るという試み。廃墟と闇市の時代でも、人はその日のパン・米だけでなく、統制の時代から解放されて文化を強く求めた、ということはよく語られるところで、それを『焼け跡ユートピア』……と呼ぶにはあまりにも重い背景があるが、その明るさ、暗さ、猥雑さ…といったものを、破天荒できっぷのいい少女を主人公に上手く描いております。そしてアマゾン紹介文の言うように「芸能界」ができていく時代と背景が上手く描写されていますね。米軍キャンプで演じるという特権を作るためのコネクションや序列化、「日本初のCMソング」などなど。ちなみに劇中歌のほとんどは実際の曲でもあるそうです。

風太郎不戦日記

アマゾン紹介文より

山田誠也、のちに「忍法帖」シリーズでその地位を確立する大作家・山田風太郎は、昭和20年、医学生として東京にいた。時は太平洋戦争末期、同世代の若者は、みな戦地へ。しかし体調不良で召集を見送られた誠也は、お国のために体を張れない葛藤を抱えながら、日々を送っていた。そんな彼が当時の世間を、そして日本をどう見ていたか。克明に綴られた日記を、令和の今だからこそ、コミカライズ。個性派漫画家・勝田文がユーモアを交えて描く風太郎と昭和20年は、必読ものです!

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風太郎不戦日記

「スインギン」と同一掲載誌、そして時代背景がややかぶるので連続して紹介するのもやや躊躇するのだが、それを気にすることでもあるまい(どこかの世界で両者は出会うかも…そんな二次創作やコラボもおもしろかろう)。
原作の「戦中派不戦日記」というと、自分的には「コラムニスト中野翠が絶賛、何度も推薦した作品」であり、始まった時には「そうか、中野翠のアレが漫画化されるのか…」と思ったのだよね。山田風太郎が亡くなる直前、彼女や、同世代の関川夏央のインタビュー構成本などによる山田風太郎の再評価ブームがありましたことよ。確かにそもそも、山田風太郎の伝奇奇想小説は、日本のエンタメにその系譜が完全に根付いているのだ。超能力かと思うような「忍法」、代表者による五vs五の団体戦、歴史上の人物と史実が見事に絡む創作……
その原点ともいえるのが、やがて来る死への覚悟を決めるための準備をしつつも、目の前の試験や物不足、そして空襲に即物的に対応しなければいけない卑小かつ偉大な「生活」を続ける一医大生の心境を克明につづった日記。空襲は一方で「これで試験は中止だ!」の爽快感も呼ぶものだったりする(笑)
そして終戦を迎えるのだが、インテリとして軍国主義宣伝に熱狂もしない一方、英雄的に反戦運動もしなかった一青年の心境は複雑だ。掲載した画像は敗戦後、炭運びに従事した主人公が慣れない肉体労働にへたれると「竈門炭治郎…じゃなかった国民学校の子供だって背負ってるのに!そんなだから戦争に負けるのよ」と農家のおばさんにDIsられたりする一方、手のひらを返してかつての指導部を非難する新聞を読めば「ふん!」という(新聞への)反発の一言を残す…そもそも、空襲激しい戦時中の、東京都内での日記を保存できた人も少ないはず。そういう点でも貴重な記録だろう。
そういえば、この企画が実現した裏には「戦時中の『小さな生活』の細部を描くこと」が商業的にも作品的にも成功する、と示した「この世界の片隅に」という先行例があったのだと思う。両作品の比較もいいし、また「スインギン」と同様に、登場人物がこの時代のどこかで交わるという二次創作的想像もできよう。

「過去になんかできない!!!」

アマゾン紹介文より

戦争を生きた人間の苦悩を紡ぐ本格漫画。

昭和最大の痛みと言えば、なんといっても第二次大戦であろう。
南方で極限を味わった男たち、731部隊憲兵に指をもがれてしまった
脚本家。自分の病気と闘い戦争に行けなかった男の苦しみ。そして、ヒロシマ
ナガサキ…等々7つの究極のドラマを掲載します。終戦記念日にぜひ読んで
いただきたい作品です。

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過去になんかできない!!!

終戦75年ということもあったのか、3つも太平洋戦争絡みの作品になっちゃったな…
はしもとみつおの前作が、がん治療を「近藤誠理論」にもとづいて描く「医者を見たら死神と思え」だったことには思うところもあるが、それを前提にこの作品を評するものもまたアンフェアだろう。
オムニバスだからいろいろ濃淡はあるが、戦地から帰ってきて、市民生活を送る復員兵が、戦地においてそれぞれの「秘密」を抱えているという話…お話自体の「型」は斬新というわけでもなく、何度か見たことはあるが、そもそも物語としてこの型の何が元祖かとかを論じるまでもなく、現実としてこれのモデルは何千何万とあったのだから…転載した画像にある、戦闘で相手を倒した(倒さなければこっちが殺される)兵士が、その後「あの敵兵士の名前は何だったんだろう?家族はいるのか…?」と思いをはせるという話も、たとえば自分の知る限りでは『西部戦線異状なし』で描かれていたぐらいだ。
それでも、何度も語られる価値があるだろう。

意味が分かると怖い4コマ

アマゾン紹介文より

一見すると、なんてことはない4コマ漫画。しかし、最後のコマを読んだとき、世界は一変する――!? ページをめくると、描きおろし解説ページつき。子供から大人まで楽しめるミステリー&ホラー。4コマ漫画の名手・湖西晶が贈る、世にもゾッとする珠玉の短編集。

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imigawakaruto kowai 4

「意味が分かると怖い」は2ちゃんねる発祥、とここにはある。
意味が分かると怖い話とは (イミガワカルトコワイハナシとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
この本で語られたストーリーのどこからどこまでは作者の創作なのかはわからないのだけど(※全アイデア、作者の創作だったらすいません)
しかしたとえば「アネクドート」や「一口話」なども、どこの誰が考えたのかわからないものであっても、コミカライズ=マンガ化されればそこには大きな意義が生まれる。
間違いなく「やったもの勝ち」であり、湖西晶氏の功績に帰すべきものでありましょう。
また、「解説文」がついているのも特徴。こういう理由らしいが(笑)


これもまた、賛否両論、考えさせるのがいいところなのに台無し!!的な意見もあるだろうが、わかりやすい入門書、的なものも必要なわけで、それも含めて面白かった。
ただ、そういう出自の作品であるから、この作者だけがやるのではなく大いに「意味が分かると怖い」は競作されるべきかと思う(もうあるのかな??)


ニンジャスレイヤー

ドーモ、アマゾン=サンの紹介文デス(アイサツ)

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ニンジャスレイヤー

舞台はネオサイタマ。ネオンの明かりと深夜の闇の狭間に散るのはカラテとスリケンの火花。アイサツに始まり爆発四散に終わるニンジャの戦い! 全米初ツイッター経由のサイバーパンクニンジャ活劇がコミックで登場!

もともと筒井康隆「色眼鏡の狂詩曲」や、小林信彦ちはやふる奥の細道」「素晴らしい日本野球」など、外国人が誤解するステロタイプ日本、を逆に面白おかしい自虐ネタとして消費する作品は多い訳で、ぶっちゃけこのニンジャスレイヤーが評判となった時も、そういう分かってやっている何かなのだろう、と思ってた。(というか、この情報化時代に、50年代や60年代のような文化誤解は、したくてもできないのが現状だろう)でもこうやって漫画化されたものを読むとだ……わかっていながら、かつてのようなステロタイプ誤解の延長線上にある、敢えての文化誇張パロディを描くというのが、並みの才能と努力でないことを思い知らされるのである。ソンケイのドゲザ!!である。
逆に、日本で「アメリカの文化を、わかったうえでいかにも誇張、誤解したようなSFを描いてみろ」と言ったってなかなかに難しいわけでさ。ましてや、場所によっては、もっと難しくなる(というか怒られる)ようなところも……。
それでもあえて「ソウカイヤ・ニンジャ」とか「ヤクザ天狗」とか「マッポー近し」とか、そういう用語が登場すると、こちらの言語感覚まで狂い始める。それが一種の快感ではある。


鬼滅の刃

アマゾン紹介文より

時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!

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鬼滅の刃 長男だから我慢できた

自分は前も言ったけど、献血センターで6巻まで読んだら「感染拡大防止のため本の閲覧は停止」になってしまったので。その後のアニメでは、湯は無限列車の手前までしか把握してないの。
雑誌の時も、一応ジャンプは読んでいたのに連載が始まったことも続いていることも知らなかった。
だけれども、その6巻や、無限列車前のアニメ展開で、確かに「少年ジャンプの四番打者」たるポテンシャルがあるとは認識できた。
その一方で、思い出補正込み…あるいはそれを敢えて意図的に消去しても、発行部数や社会環境から逆算して、「史上最大に面白いジャンプ漫画、エンターテイメントであるか?」といえば、そこまでには評価しておりません。
でも、そんな装飾や無理な歴代比較をしなくても、ただ純粋に面白い漫画だと思っています。そしてそれで十分ではないかとも思っています。


あと、その勢いにのっかって、これを書けたのも自分的には印象深い(笑)。
これは、ジャンプ往年の四番打者「キン肉マン」からの系譜という意味も持たせているんです(後付け)。
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ガヴァネスなずなさん

アマゾン紹介文より

あくのていおう育成コメディ?

かつて日本を裏から支配した暦家。 当主の暦壬戌は〝魔王〟と呼ばれ恐れられていた。
しかし彼の死後、暦家は力を失い没落。屋敷には壬戌の孫、甲子太郎がたった一人で暮らしていた。
過去の悪行からか、街の住民に疎まれ恐れられ孤独に暮らす彼のもとに、ある日謎の金髪縦ロール美女が訪れた。〝なずな〟と名乗る彼女は甲子太郎に宣言する。
「あなたを立派な悪に育てて見せます!」と。

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ガヴァネスなずなさん

あるご主人に仕える執事とかメイドとか従者とか、そういう立場の人が超絶なスーパーマンで、この人たちが眉一つうごかさずに実力を発揮し、大活躍してことを収める…や、逆に、超絶のトラブルメーカーで、乱暴に力技で物事を解決しようとしてさらに騒動になる…というのが、だれが元祖か知らないが、ひとつの『型』としてかなり成熟しているようです。この作品も、メイドや執事でなくて「ガヴァネス(上流階級の女性家庭教師)」なことなど変化はあるが、少なくともそういうジャンルとして、非常にうまく語られていると思いました。何でもできる「スーパーウーマン」である一方、こち亀両さんなみにトラブルメークが上手く、解決策が乱暴すぎて逆に周囲が引く…このへんの車の両輪、あるいはアクセルとブレーキをうまく使い分けて、スラップスティックなコメディにしている。そしてこれも一種の型だけれども、保護されるはずのおぼっちゃまが、クールな皮肉屋で、その状況を的確に突っ込むことで、笑いを倍加させています。
しかしこんな作風が少年チャンピオンに載ってるご時勢とはね・・・・・・とも思ったり。

吸血鬼すぐ死ぬ

紹介は、過去記事に主に任せたい(手抜きしてるわけじゃなく、本来はこうしたかった(順位発表前に紹介記事は書きたかった)のです。ほかができなかっただけで)
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竈門炭治郎がなぜか「吸血鬼すぐ死ぬ」人気投票に

ただ、あらためて1巻から少し読んでみたけど、当初は表題通り「不死身が売りの吸血鬼なのに、すぐに小ダメージで死んじゃう」がコンセプトだったけど、ゲスト吸血鬼が「一芸」を見せて…「〇〇するとXXXになる能力がある」という、普通なら無理のある設定を次々出して、そのお題に沿って物語を進行させる、という路線に切り替わってさらに面白くなった。こういう前提ならいくらでもシチュエーション・コメディが作れるからね。そしてそれ以上に、その状況に関する台詞のツッコミがおもしろかった。
にしても、余談だけどほとんど読んでなかった少年チャンピオン、個人的には少年ジャンプより読むところがあるんだよな…というかジャンプに読むものが無いのが、2020年の衝撃の風景だわ、個人の感想では。

813~怪盗ルパン伝アバンチュリエ

紹介は、過去記事に任せたい。
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「813 怪盗ルパン伝アバンチュリエ」より 誘導で相手の秘密を自白させる

追記すると、そもそも「813」はルパン物語の中でも有数の傑作であると評価が一致する作品。また、前作「奇巌城」が悲劇的な結末を迎えた後の再登場なので「心に傷を負ったルパンが、これまでと違い冷酷非情な真の悪党になっているのか?」という謎で話の前半を引っ張るのです。そのへんにも注目を。

世界歩いているとドープな人にからまれる

紹介は、過去記事に任せたい。
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ただ残念なことに、まもなく発売のゲッサンで、この作品は最終回を迎えるそうだ。惜しいが、無事帰ってきている間に終了させる方が貴重な人命を失わずに済むだろう・・・・・そう思うぐらい、普通じゃ「絶対やっちゃいけません」のタブー…海外旅行をして、まったく知らない外国の町で外国のひとに話しかけて、その人に誘われるままあっちへいったりこっちへ泊ったりする、というのを実践しているのである。絶対にダメダメダメだが、まれに成功すれば、たしかに貴重な体験談にはなる。実際そういう記録が、ここに完成した。

ほか、気になった作品

戦争は女の顔をしていない ミツナリズム 違国日記  アフタヌーンの読み切り  売国機関  とんがり帽子のアトリエ もういっぽん! らーめん再遊記 潮が舞い子が舞い 半助食喰物帖 無能の鷹 チ。


1話試し読みなどがある作品はこちら

comic-days.com
comic-days.com
shogakukan.tameshiyo.me
ddnavi.com
comic-walker.com
gekkansunday.net
shonenjumpplus.com

arc.akitashoten.co.jp







◆つづいて各特別賞

【第5回内山安二賞】「天地創造デザイン部 」蛇蔵 /「ダンピアのおいしい冒険」トマトスープ

※大前提である「内山安二賞」とは何か?こういうことなのでご了解ください(笑)↓ 啓蒙、情報の面において優れた漫画を選定し、(勝手に)その第一人者の名を冠した賞を贈るものです
「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160706/p1

「ダンピアのおいしい冒険」は昨年は10傑、今年は内山安二賞である。このブログでは節目ごとに何度か紹介した。
かなりセールスとしても好調で、8月に一巻、12月に2巻発売であることはこの前書いた通り

天地創造デザイン部」は、「決してマネしないでください」の蛇蔵氏。
生物の奇妙な習性を、そのまま紹介するんじゃなく「なんでそーなった!!」「もぅすこし再考の余地はなかったのか?」と突っ込み気味に紹介する、というコンセプトはその少し前からあった(つまり「へんないきもの」「ざんねんないきもの」というやつですね)

その系統を受け継ぎ、そのうえで「神様は全部の動物をつくってなんかいられないだろう」「それを下請けに発注している。それもデザインこみこみで」というバカバカしい設定に凝縮したところが勝ち。
内山安二賞は上記「決してマネしないでください」でも受賞しているので二冠ですな。


【連載山場賞】「ハコヅメ」「BLUE GIAINT EXPLORER」「センゴク権兵衛 朝鮮出兵篇」「新九郎、奔る!」

「ハコヅメ」…はうちのブログで何度も記事書いてますわな!!なんどめだって言われるんで、過去のを検索してみてくれ、とだけ。
「BLUE GIAINT EXPLORER」「センゴク権兵衛 朝鮮出兵篇」は、もう少ししたら単体での紹介文を。
「新九郎」はこちらを参照。
m-dojo.hatenadiary.com


 ※「連載山場賞」とは、或る程度連載が続いているものを対象に、全体ではなく「その年に盛り上がりを見せた」作品を表彰するものです。過去に10傑に選んだ作品を、主に対象とします(そうでないなら普通に10傑入りするので)



【特別功労賞】「トクサツガガガ丹羽庭矢口高雄と一連の作品/鬼滅の刃「現象」/「異世界」まとめて  ※特別功労賞は、連載をその年に終了した作品が主な対象となります。そして今回、「人」「現象」に対しても贈りました。

トクサツガガガ」は部数こそ大ヒットというほどにはならなかったけど(中ヒット)、ドラマにもなり幸福な形で終えることができました。成人女性(独身)が趣味、好きを貫くこと、そこで失いものも得るものもある、というテーマから、否応なく人生論や社会論にも繋がっていった点では、コスプレ女性を主人公にした「コンプレックス・エイジ」にも似た面があったかと思います。矢口高雄氏については最近追悼のほか、アマゾンキンドル読み放題に伴う作品紹介をいくつか書いたので、このブログを「矢口高雄」で検索してください。あの時代の人気作家が80歳を越えて、亡くなったり引退する光景が見られるようになりました(水島新司氏も引退しましたね)鬼滅の刃」作品そのものも当然10傑に入れたほどクオリティは高いけど、「社会現象としての鬼滅の刃」は、作品を越えていろいろと面白いものでした。いろんな、それをテーマにした考察(まとめやはてブホットエントリなど)を楽しんでいます。

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異世界ものがテンプレ過ぎると自虐する漫画

最近、ブックオフで敢えて知らない異世界ものの1巻だけ買って読んではまた店に売る、というのをやっているのだけど、それをやったら本当にどれがどの作品かわかんなくなって、ひとつの塊、集団概念や群生生物(笑)となってきた、俺の中では(笑)。
いやしかし、西部劇や時代劇やグルメもの、刑事もの…どんな「ジャンル」でもいいけど、これだけひとつのジャンルが拡大し、その中で多くの作品が生まれるのはやはり注目すべき案件で、数十年後に振り返ればひょっとして教科書になるような文化運動だった、となるのかもしれんですぞ。
異世界もの」全ジャンルで対抗すれば、鬼滅の刃と互角と言えるかもしれないし(笑)


「最優秀実写化賞」 名前の通り、優れた漫画の実写化を表彰するものです。

異世界居酒屋のぶ
(厳密には小説が原作であり、漫画のドラマ化とは言い難い…という考えもあるかもだが、コミカライズもあるのでそのへんはおいといて)
www.facebook.com

この分野、昨年(2019年)に個人的に当たり作品が多かったので賞にしたのだけど、2020年は逆に不作だったなー(個人の観測です)。正直、自分の見た範囲ということではこの一作ぐらいだわ。「主夫極道」はオリジナル展開が増えるにつれ「残念でした」ということになりました。





過去の一覧です 以前一度受賞した作品は、今すごく面白くても外すのが原則(例外はある)なので、今回のランキングに大きく関係しています

■「2019年マンガ10傑」ほか各賞を選定します。
m-dojo.hatenadiary.com

■【完成】「2018年マンガ10傑」(第3回「内山安二賞」も)を選定します。
m-dojo.hatenadiary.com

■「2017年マンガ10傑」を選定します。第2回「内山安二賞」なども併せて授与。 -
d.hatena.ne.jp

■「2016年マンガ10傑」を選定します。「特別功労賞」もあの作品に - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan)
d.hatena.ne.jp
■ひとあし早く、当ブログの「2015年/2014年マンガ10傑」を選定 -(つまり2014年は休みだった)
d.hatena.ne.jp
■(番外)「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) -
d.hatena.ne.jp
■「見えない道場本舗」選定・2013年度漫画10傑 
d.hatena.ne.jp
■「見えない道場本舗」選定・2012年度漫画10傑
d.hatena.ne.jp
■「見えない道場本舗・2011年度漫画10傑」(※ここから順位なしの10選に) 
d.hatena.ne.jp
■2010年度漫画ベスト 
d.hatena.ne.jp
■2009年漫画ベスト 
d.hatena.ne.jp
■2008年漫画ベスト 
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231#p4

(2007年は「06年とほぼ同じなので休み」となっていた)
■2006年漫画ベスト 
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061230#p2