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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「衝撃!『鬼滅の刃』はヤオ(八百長)だった!」…の世界観で、登場人物などを説明したら(またコレか)

読む前に、まず大前提を知ってください。

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というのが2ちゃんねるにあった。これはつまり、名作「キン肉マン」の戦いはプロレス…実際に原作でもプロレスと銘打っているのだけど、つまりそのプロレス独自の「勝敗や抗争を決めて、それを演じて興行している」という前提で読みかえる物語です。

これはつまり、広く言えばこういう「二次創作」のジャンルと言えます。
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このパターンでウルトラマンを再構成したのが
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さて、もしこの種の世界観で、「鬼滅の刃」を再構成してみたら??・・・・・が今回の試み



【衝撃!!鬼滅の刃はヤオ(八百長)だった!!】

ただいま大人気、大ブームの真っ只中にあるプロレス団体が、「鬼滅の刃」プロモーションだ。行く先行く先の会場はすべてフルハウス。グッズもバカ売れで、快進撃は止まりそうもない。フロントの鼻息も荒く「私は漫画とアニメ界に、万里の長城を築く」などと公言しているが、あながちホラとも言い切れない。

なぜこれほどの快進撃を「鬼滅の刃プロモーション」は続けているのか?確かに日本刀を駆使した「明るく楽しく激しい」、鬼たちとの戦いはまさにド迫力!!!……

だがご存知の通り、プロレスは一方で「筋書きのあるエンターテインメント」である。これは昭和の時代は完全にタブーだったが、令和の今はそれを前提として飾られるべきだろう。

だから…率直に言おう。鬼滅の刃で繰り広げられる正規軍「鬼殺隊」と、来日してくる鬼との戦いが、いわゆるガチンコの真剣勝負かといえばそうではない(ファンの夢を回したとしたらすいません!)。
しかしガチンコじゃないからつまらないとは言い切れない。高度なエンターテインメントとして、筋書きのあるドラマとして………鬼と鬼殺隊との戦いをプロデュースするその裏側には、真剣勝負以上に凄まじいヒューマンストーリーがあるのだ。

バックステージをも読み込んで、いくつかの人気レスラーの個性豊かな「素顔」を、真のファンには知ってもらいたい。


竈門炭治郎

言わずと知れた「鬼滅の刃」プロモーションの不動のエース。もちろん一般的な人気という意味では、時々は他のレスラーに輝きを譲ることもあるが、要所要所で活躍し、このプロモーションの屋台骨を支えてきたのは炭治郎にほかならない、というのはファンも関係者も、そしてレスラー同士でも一致した見方だ。
彼が一番ガチンコで強いわけではないが、そのムーブは基本に忠実で見栄えがし、しかも相手への「当たり」はそれほどきつくなく、長期のツアーを一緒に戦う鬼たちにも非常に評判が良い。
ジョブをするレスラーにも必ず見せ場を作ってあげ、最後はいい感じで〆るところも、鬼たちからのリスペクトを受ける理由だという。
そしてさらに外部のスポンサーやメディアにも、非常に腰が低く折り目正しい。
特にプロモーションやスポンサー絡みの営業には非常に積極的で、しかもそつなく客やメディアを喜ばせるので、フロントの営業的にも非常に助かっているという。「彼がいるから、団体のスポンサーになってあげる」というタニマチも非常に多いのだ。
団体への忠誠心が非常に強く、個人としてよりもチームとしての鬼殺隊を盛り上げることを念頭に置いている。
これは若手時代に、熱狂的な女性ファンとのトラブルで顔に跡が残るけがをしたとき、団体がそれをかばい、励ましてくれたことに恩を感じているからともいう。


老人ホームの慰問などにも熱心で、ある時は非常階段を使って、片腕で逆立ちしながら水の呼吸をするという離れ業を見せ周囲を驚愕させた。 また、貧しいがゆえに、会場に忍び込んで試合をただ見しようとした子供たちに20ドル札を渡し「この20ドルでリング・サイドに入り、残りは山掛けうどんでも買いたまえ」と言ってあげたとか…。
そんな彼を慕って、兄を尊敬する妹の禰豆子も新鋭女子レスラーとしてデビュー!残忍な吸血ギミックをプロモーションは用意していたが、妹をかわいがる兄がそのギミックに難色を示し、「血を吸いたいが敢えて思いとどまる」というキャラクターに変更。
このキャラと、ちくわギミックがまたも好評!竈門ブラザー&シスターのタッグでも人気を博す。

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鬼滅の刃パロ、プロレススーパースター列伝 

そんなハードなツアーの中で、あばらを手ひどく折ったこともあるが、対戦した朱紗丸が、打ち身骨折に魔法のようによく効くごくぬるい温泉を紹介してくれたため、奇跡の回復をすることができた、というほっこりエピソードも。



我妻善逸

竈門炭治郎とほぼ同期入団。当初から身体能力が高く、炭治郎が出来ないムーブなども簡単にこなせる器用さがあったが、団体への忠誠心よりは我が道を往くマイペースなキャラ。
プロモーションが中心人物として売り出そうとしても、自らそれに少し距離を置き、むしろ望んで「女好きのヘタレ」といった3枚目路線のコミックキャラクターを喜んで演じてきた。
その結果「悪役商会」として独特の会場人気を得たものの、その実力を知る炭治郎らからは「本人がやる気になれば、トップをすぐとれるのに。もどかしく、じれったい」と思われていたという……。
しかし転機となったのは、2度にわたって行われた海外武者修行である。この時、日本のマスコミの目が届かない気安さから、プロレス入りする前のバックボーンであった居合術を存分に活用した独特のキャラクターで売り出し、現地人気がたちまち沸騰。
この噂を耳にしたマッチメーカーの胡蝶しのぶが「そのキャラクターで日本でも試しにやってみなさい」と命令。
3枚目キャラクターに心地よさを感じ、日本では再びこれをやりたいと思っていた善逸が、そのキャラを捨てないために仲間たちと必死に考えて作ったストーリーが「善逸の本来は、おなじみの三枚目キャラクター。だが、恐怖が高じて意識を失うともう一つの人格が現れ、クールに相手を斬り倒すようになる」というギミック。
これが人気爆発し、この二面性を会場ごとに使い分けることにより「今日はどちらが見られるんだろう?」といった形でファンの熱気もいやがうえにも上昇!!
そして本人も、ようやく鬼滅の刃プロモーションの屋台骨をしょって立つ、という気構えを見せてきた節もある…。真のエースを決める軍団抗争を、炭治郎と善逸がそれぞれの極に立って行うプランもあるとか。


嘴平伊之助

炭治郎、善逸らとの同期入団の1人。もともとフットボールとボディビルの経験者で、体と基礎体力という点では並外れていたが、居合レスリングの器用さという点では一番劣っていて、出世も遅れていた。
不器用であるがゆえに、それをカバーするため「狂乱ファイト」「猪突猛進」というギミックを選択。
細かいレスリングは性格上やらないのだ、ということになっているが、実際にその種の技術は圧倒的に不足している。その上そんなファイトをするにはあまりにも繊細で甘いルックスで…普通なら売りになるはずの、その容姿が、足を引っ張っていた!!

だが、その問題を解決しようとプロモーション側から「どうだ、覆面をかぶっては?」と言われたとき、伊之助の頭にヒラメくものがあった!それは彼のファイトスタイルを象徴する、イノシシマスクのギミックである!!
このマスクをかぶってのファイトは、不器用さをごまかすためのもたつきが透けて見えた素顔時代とは打って変わり、同じ動きでもド迫力のふんいき!!
ついに彼の人気が爆発し、先行していた炭治郎、善逸の人気に追いつくと、すかさずマッチメーカーのしのぶは、彼らを「かまぼこ三銃士」としてユニットで売り出す。これが、鬼滅の刃プロモーション快進撃の、決め手となるスイッチだった……

ブレイク後は、パワー任せのレスリングをさらに突き詰めて、ひとつの個性とすることに成功しつつある。だが、そのぶんファイトはハードヒットになり、「あいつの技はカタすぎる」と鬼たちはこぼすこともしばしば。
だが、逆に「俺もガンガン行くから、お前らも遠慮しないでやってみろ」と相手のどんな技も受ける覚悟にしびれ、それを慕う若手の鬼や鬼殺隊も多い。こういう点ではプライベートでの仲の良さとは別に、相手に必要以上のダメージを与えない炭治郎や善逸のスタイルとは、イデオロギー的な違いが目立つ。
また、その体を維持するために…これは噂レベルの情報だが、その肉体を維持するために海外で脱法的な…筋力増強剤を使っているとか。
これも『ナチュラルな肉体でコンディションを維持してレスリングをすべきだ』として玄米食などを実践する炭治郎からは常々止められているが「観客を楽しませるためなら、明日など俺にはいらない」という伊之助の覚悟には、その言葉は通じていないという……


冨岡義勇

非常に練習熱心で、体格や才能にも恵まれ、またその戦いぶりがファンの熱狂を集める、「かまぼこ三銃士」ブームが来る前の鬼殺隊を支えたエースだった。
だが元々「ガチ志向」で、鬼殺隊内部でプロレスリングの練習をする傍ら、緋村剣心ジムで「鬼の剣心」と呼ばれるジム会長のしごきに耐えて本格的な剣術を学んだ。
そのガチ好きと、妥協なきファイトが煙たがられ、鬼との試合や仲間とのスパーが「不穏試合」に発展した例は両手に余るという…・。
後輩の面倒見も良いが、時折「生殺与奪」など、小難しい漢語を交えて長く、時に理不尽な説教をよく聞き取れない滑舌で延々と話す。そのへんゆえに、本当に人望があるかは不明である(笑)

胡蝶しのぶ

現在、全てのマッチメイクや、試合のアップダウン(勝ち負け)、ストーリーラインの全権をオーナーから任されている、一番の実力者。ほとんどの指示は、この女性から出ている。
竈門炭治郎をトップスターにした上で、同期の二人も合わせて押しあげ、この人気トリオを団体の核にしたのが、彼女の一番の功績とされている。
「誰かの人気が落ちてきたら、誰かが上がっていく。その波をコントロールできないと、団体として安定しない」が口癖で、時には強権をふるう。

ただあまりトラブルがないのは、ガチの実力で彼女がまさに富岡義勇をも上回る掛け値なしの実力者であり、「私の決定に逆らいたいならそれは許す。ただ、リングの上でそれを貫けるかどうか見てみます」が口癖。
本当に真正面から逆らう人も鬼も少ないが、ごく稀に生まれる「制裁マッチ」の凄惨さは語り継がれている。

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鬼滅の刃」はヤオで、すべての試合を胡蝶しのぶが仕切っていたら(なんだそれ)

「子飼い」ともいえる子分も何人かいるが、その扱いは概して公正。子分だからといって必要以上にプッシュするような、理不尽な所は無い点も信用されているという。

ただし、一方で評判を落としているのが、本業のファイトの素晴らしさとは別に「もはや中毒」とも揶揄される、薬剤関係のサイドビジネス好き。この投資を鬼殺隊内部でも募ってるほか、一部には「事業の収益を、個人的な副業につぎ込んでるのではないか?」という疑惑もあるという。
また、才能がある人間は鬼殺隊ではなく自分の「胡蝶事務所」所属ということにして、別のジャンルのコラボに出撃させ、そのギャラのあがりをとる、なんてえげつないこともしているという。



鬼舞辻無惨

昔は鬼ヶ島や 丹波国大江山でメーンを張る鬼団体のエースだったが、その団体が破綻。
本人1人だけだったらどこの団体でもエース格で迎えられた逸材だが「部下の鬼達も一緒に働ける場所を」という条件であちこちをめぐり、最終的にヒールユニットとしての凶暴な「鬼軍団」、それを束ねる冷酷で卑劣な鬼のリーダー、という扱いで鬼滅の刃プロモーションに参戦、定着した。
そもそもその鬼たちと、鬼殺隊が抗争するという枠組みの中で、竈門炭治郎も我妻善逸も、その先輩たちの「柱」もスターになったわけで、一番の功労者は鬼舞辻無惨とその鬼たちなのだが…。
鉛筆(※大きな流れを考える構成者、プロデューサー役)の胡蝶しのぶが、「ヒールのボスだから巨大なカリスマだとか大物だとか、そんな風なのは今は流行らない。それにカリスマは、正義側にいればいい!!」というスタンス。
ゆえに「鬼組織のボスではあるが、行動原理は小物で、鬼たちには常々にパワハラをして、ひたすら恐れられている」というキャラクターとストーリーで 、とくに鬼舞辻を「貶める」ようなギミックとアングルを連発した。

これには配下の鬼たちの方が
「俺たちのことはともかくだ…会社はおっとう(鬼舞辻)のことをどう考えているんだ」
「ちょっとひどいよな、パワハラで自分の鬼を粛清するなんてのは」
「鬼ヶ島のエースだった人をねえ…」
「だいたいな、ガチでやったら鬼舞辻さんが一番強いんだ!」
と、一時期フロントを吊るし上げそうな騒動に発展したのだが、その時鬼舞辻さん本人が
「仕事だ……」
とぽつりと一言だけ配下をたしなめ、それだけで鬼たちの不満は一気に沈静化。

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鬼滅の刃がヤオだったら、鬼舞辻無惨は憎まれ役を黙々とやった立役者のヒール

そのことに、逆に炭治郎、善逸、伊之助らは、鬼舞辻さんの本当のカリスマ性と人望を見て、深い敬意を払ったのだという。

なお、「下弦の鬼」粛清は、このプロモーションを離れてアメリカで自分の腕を試してみたい、という鬼の契約を解除するため、無惨さん本人がプロモーションに何度も頭を下げて実現。
役に立たない下弦の鬼を自らが冷酷無情に粛清するという、唐突な形でストーリーラインから分離させ、円満に団体を離れることができた。今ではキャラを変えてアメリカで成功、前歴を知る人も少ない鬼たちだが、今でも深く鬼舞辻無惨に感謝しているという。
その一方でファンの「鬼舞辻憎し」はさらにエスカレート、遠征先の食堂では「あんたに食わせる飯はないよ」と断られたり、自宅庭に毎晩、石や生卵が投げ込まれた。愛犬がストレスで病気になった時はさすがに「(嫌がらせをするファンの)ご両親や先生はどういう教育をしているのか!」と怒ったとか。


かきおえた。
自分でいま振り返っても、また例によってバカバカしすぎるぞこれ。
だが、まあこんな目で「鬼滅の刃」を見ると、また違った風景になるのではないでしょうか。なりませんか。
(了)