まず、どんなマンガかを紹介したほうがいいか…
作品紹介
体当たり取材作家・五箇野人が、海外で出会った“ドープ”な人たちを描く!
フィクションではあり得ない出来事の連続…! お楽しみに!
作者プロフィール
五箇野人(ごかやじん)サンデーうぇぶり『ササミは心配中毒』にてデビュー。
現在は、ゲッサン本誌で『世界歩いてるとドープな人にカラまれる』と、
サンデーうぇぶりにて『#世界#映え殺し#ツアーズ』をW連載中。
足を使った取材力と、いちいち細かい所への独特な言い回しでのツッコミに定評がある。第一話試し読み
pages.comicdrive.jp
よく「この漫画を読んだ子がマネしたら困る」という言い回しやら反対運動があるが、その筆頭に挙げていいのはこの作品だと思ってます(笑)
だって、ふつうの観光旅行ガイドが「してはいけません」といってることを次々やっているんだから。現地で知り合った、見た目からしてヤバそうな人に「一緒に飲もうぜ」とか「面白いところに連れてってやるよ」といわれた時、全部乗っかってく。
そして、なぜだかわからないが基本的に(命は)無事で帰ってくるんだ。
描写されてないだけで、たぶん武道の達人か、こちらもかなり…その…見た目や雰囲気で自衛力を装備してらっしゃる方なのではないか??とも思うのだが、そうでもないようだし・・・・
ま、そんな感じの、海外体当たり系、やばいところも含めて回ってきてのルポ漫画なんだが、11月9日までたぶん店頭にある(10日には次の号が出る)、ゲッサン最新号の掲載25話は…
本日発売のゲッサンに
— 五箇野人 (ごかやじん) (@gokayajin) October 12, 2020
第25話のせて頂いてます☀︎
セネガル相撲を目指して
ローカルエリアでの出会い回ですので
ぜひどうぞ^ ^ pic.twitter.com/wHYpT4tBAI

そう、セネガル相撲を扱っている回なのだ。
自分、ここで紹介されているセネガル相撲に関しての情報は初耳ではない。というか、10年ぶりにその真偽を確認できた、というべきか。
m-dojo.hatenadiary.com
セネガル相撲の解説というのも珍しいので、文章をそのまんま写す。セネガル・レスリング(セネガル相撲)は現地のウォロフ語では『ランプ』と呼ばれる。伝統的なレスリングと素手のボクシングを合わせたスタイルの競技だ。試合は全国にテレビ中継され、注目度の高い試合になると、6万人を収容できるスタジアムが観客で埋まる。チャンピオンは国民的ヒーローとなり大金を稼ぐことができる。トップクラスのレスラーは、一試合につき8万5千ユーロの前金を受け取り、地方で行われる試合でも、強いレスラーなら1試合につき300ユーロの報酬を得られる。しかし、賞金が導入されたのは1960年代以降のことだ。
伝統的に「ランプ」は若い男性が結婚相手を見つけるためのものだった。何世紀も前から続くこの伝統あるスポーツでは、試合前の演出や儀式もレスリングそのものと同じぐらい重視される。イスラム神秘主義の指導者マラブーたちが、ファイターの幸運を祈ってお守りと魔よけを作り、悪を遠ざけるために体に薬液と牛乳をかける。
(世界報道写真展2010 図録より)
・独自のルールに特化したので、たとえば総合格闘技とかで世界最強に近いかというと、ちょっと…(というか「巌流島」に参戦したことある)
・ただし、鍛えに鍛えぬいているし、そのルールの中で必要な格闘技術自体は、相当に発展
・そもそも、この中で頂点に立てば、社会的にもめちゃくちゃ、「ちやほや」されるし、数千万円単位の金が転がり込んでくるので、他ジャンルと交わる必要もない
・食べ物で魔除けをするなど、伝統文化テイストがたっぷりで、いかにもその国らしい雰囲気があじわえる。
・テレビ中継もされていて、その映像は外国(たとえばフランス)にも放送されている
……って、名は体を表すで、そのまま「ニッポンの大相撲」の立ち位置やん!!巌流島とかのMMAに参戦するセネガル相撲の力士は、大方付け人をなぐって解雇されたか何かだろう。
実際、セネガル人が来日して日本の相撲を見たら
「セネガル相撲に似てるなーー。しかし、塩が悪魔を払うから撒いているんだって??
近代文明とはひとあじ違う、なんとも奇妙な、変わった伝統だね…」という感想を抱くだろう。
アフリカでは、日本の「手かざし」が、おそるべき呪術として畏怖されている、とかとか。
しかし、他方で見るに、グローバル経済の結果、ずいぶんとセネガルも豊かになったんじゃないか。
やはりこれがエンタメとして存在し、強者は数千万円、というのは、その経済発展を意味しているのでは、と思う。
アフリカを代表する文学者でもあったサンゴール初代大統領は親フランスの穏健左派として国家の建設を進め、1976年に複数政党制を取り入れるなど、今日の民主的なセネガルの基礎を築いた。また、後のフランコフォニー国際機関(OIF)となるフランス語圏文化・技術協力機関(ACCT)を1970年に推進した。1981年1月に就任したデュフ大統領は前政権の基本路線を踏襲する姿勢を見せつつも、政党数の制限撤廃、政治結社の自由など一連の民主化政策を推進した。しかしながら、与党に対する国民からの支持が徐々に低下したため、2000年3月の大統領選挙においては、ワッド・セネガル民主党(PDS)党首がデュフ大統領を破り、サンゴール大統領より約40年続いたセネガル社会党(PSS)(元セネガル進歩同盟(UPS))の長期政権に終止符が打たれた。2期続いたワッド政権は国営企業の整理・民営化、大規模なインフラ整備、農業政策を推進しつつ、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の打ち上げと推進に尽力した。
2012年2月及び3月の大統領選挙では、ワッド政権時代に首相を務めた共和国同盟(APR)のサル候補が大統領に当選、前回選挙に続いて平和裡・民主的な政権交代が実現し、国際社会から高い評価を得た。
セネガル経済は、主要産品である落花生産業の低迷などにより1970年代末から財政赤字、国際収支赤字、対外債務問題が恒常化し、停滞していたが、セネガル政府は、1994年にCFAフラン切り下げ、国営企業民営化、労働法改正、輸入価格自由化などの様々な構造改革を断行した。1995年以降は、経済は成長基調に乗り、概ね5パーセント以上の経済成長率を遂げてきた。とりわけGDPの3分の2を占める第三次産業において、商業分野や物流・通信分野が発展を遂げている。また、金、チタン、リン鉱石などの鉱物資源、さらにはモーリタニア沖合の石油・ガス油田の開発分野の成長も期待されている。一方で、貧富の差の拡大や青年層の失業問題などの課題も多い。
サル政権は2035年までの新興国入りを目標に開発戦略を定めた「セネガル新興計画(PSE)」を策定し、2014年から2023年までの10年間の開発戦略として「経済構造の変革、成長」、「人的資本、社会保障、持続的発展」及び「ガバナンス、制度、平和、安全」を3本柱に掲げて、経済成長の分野の多様化、民間セクター振興を図っている。
今回の漫画で、セネガル相撲は「フランス」でも放送されている(両国の関係的にも十分あり得るか)ということを知ったので、ひょっとしたら生粋のフランス人でありながらセネガル相撲に夢中な、大相撲マニアのシラク大統領みたいな人もいるかもしれない。
というか、これだけ多チャンネル化やネット上での映像配信の多様化が進んでいけば、いつかは日本でもセネガル相撲の中継が見られるようになるかもしれない。
Senegalese Wrestling knockout Gris Bordeaux, Malick Niang, les Lutteurs Boxeurs Champions des KO