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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

内藤正典氏は、エルドアンの現トルコを大肯定。「イスラムの倫理で弱者を守る国」「PKKとの戦闘は続いていますが、一般のクルド人を敵視することはありません」

NHK視点・論点」で昨年放送された、内藤正典氏のトークが文字起こしされている。そこで、「21世紀のスルタン」の異名も持つ現在のトルコ大統領、エルドアンが基本的に大肯定されていた

www.nhk.or.jp


(略)…
1990年代の末、ひどいインフレ、クルド問題、イスラム政党の台頭、それに99年にイスタンブール周辺を襲った大震災で、トルコは破綻寸前に追い込まれます。

そこに、現在の大統領、レジェップ・タイイプ・エルドアン率いる公正・発展党が登場しました。2002年の総選挙で圧勝して単独与党となり、現在まで政権を維持しています。

中心メンバーは、イスラムを政治に反映させようとするイスラム主義の政治家でしたが、それまでのイスラム政党とは一線を画しました。

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第一に、イスラムの法体系、シャリーアをトルコの法律に持ち込まない。それでいて、イスラムの道徳からみて正しいと分かる政策をとること。簡単に言えば、弱者の救済を目に見えるかたちで行うことです。

第二に、トルコに民主主義を定着させること。そのためには、軍部が政治に干渉できないようにすることが最大の課題でした。

第三に、自由の拡大です。保守的なイスラム教徒も自由に生きられるよう、ヒジャーブの着用を自由化しました。

そして、これらの改革を保障するために、EUへの加盟申請を本格化させました。自由と民主主義を掲げるEUに入れば、軍の政治介入は不可能になるからです。

2004年、EUは、人権や法の支配など、基本条件をクリアしたとして、翌年から正式加盟交渉に入ることを決定しました。

クルドを民族として認めクルド語の使用も認めました。死刑を廃止し、人権も各段の進歩を遂げました。今でもPKKとの戦闘は続いていますが、一般のクルド人を敵視することはありません。

しかし、一年もたたないうちに、EU各国では、「イスラム圏のトルコはヨーロッパではない」という声があふれ、トルコとの加盟交渉を中断してしまいました。その後、現在まで加盟交渉は進んでいません。

しかし、トルコはあきらめませんでした。EUがもつ優れた基準は、トルコの発展に必要だとして、どんどん取り入れていったのです。その結果、多くのトルコ製品がEU諸国に輸出され、トルコは高い経済成長を実現しました。

アメリカとの関係はどうでしょう?

トルコはNATO北大西洋条約機構)の加盟国ですが、アメリカが軍事力で中東の問題を解決しようとする姿勢には警戒を強めています。

過去二十年、イラク戦争やシリア内戦などの混乱はトルコにも波及しました。内戦で国を追われたシリア難民を最大で400万人ちかく受け入れました。弱者には優しくというイスラムの倫理を実践した結果です。大変な負担でしたが、EU諸国とちがって、難民排斥の運動は起きていません。

政権は国民投票をへて大統領制に移行し、エルドアン大統領は強大な権限をもつようになります。地域の混乱から国を守るため、国民の多数が強いリーダーを望んだ結果でした。

2022年にロシアのウクライナ侵攻が起きた後、トルコは国連総会でのロシア非難決議に賛成してきました。しかし、アメリカが主導する対ロシア経済制裁には参加しません。

ウクライナ、ロシアの双方と友好関係を崩さない姿勢は、欧米のメディアから批判されますが、エルドアン大統領は動じません。むしろその立場から、黒海からの穀物の輸出合意をとりつけるなど、独自の外交を展開しました。

今年の10月、パレスチナのガザでハマスイスラエルが衝突すると、一貫してガザへの人道援助と停戦を訴えています。多くの子どもたちが犠牲になったことで、エルドアン大統領は、イスラエルに激しい怒りをぶつけました。

そして、人権重視を掲げてきたアメリカやEUが子どもの犠牲を食い止めないことを、ダブルスタンダードだと厳しく非難しています。

百年前、ヨーロッパ列強によって消滅寸前に追い込まれた国土を回復し、独立を達成したトルコは、西欧型の国民国家の基盤の上に、イスラムの倫理で弱者を守る国としての姿を、いま、自画像として世界に示そうとしています。


いや、内藤氏の日々のX投稿見ると、基本的にエルドアンのトルコを肯定してることは以前から分かってるねんで?

ただ、どちらにしてもエルドアンが日々「権威主義体制」の方に傾斜してることは疑い得ない。
それをも含め肯定している


まあ、わかんないとは言わない。ケマルアタチュルクが圧倒的なカリスマで築いた「イスラムの海に浮かぶ政教分離の島」たるトルコは、その政教分離を進めるために、普通の自由主義体制なら個人の自由として認める範囲の「イスラム」も国家が禁止する体制だった(フランス的ともいえる)
そうせざるを得ない状況もわかるが、それを緩めるのもわかる。

軍隊も、まさにその政教分離の守護者だとはいえ、さすがにクーデターはあかんねん。
なんだかんだとシリアあたりから難民が殺到してるのもまた事実だし、それの面倒みたヨ、でもある。



にしても、現在の政治権力者の称賛に全ぶりした内藤氏の言は、ちょっと振り切った感じがあるので紹介。

とくに

クルドを民族として認めクルド語の使用も認めました。死刑を廃止し、人権も各段の進歩を遂げました。今でもPKKとの戦闘は続いていますが、一般のクルド人を敵視することはありません。

は反響があるような、無いような。