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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

これはかなりお驚き。「エルドアン、大統領選で不利に」

イスタンブール=木寺もも子】5月14日に行われるトルコの大統領選に向けて、現職のエルドアン大統領が野党候補にリードを許している。3月中旬までに実施された複数の世論調査によると、野党6党の統一候補の支持率がエルドアン氏を上回っている。ただ、野党側も一枚岩ではないうえ、続投に強い意欲を示す現政権の動きなど、情勢は予断を許さない。
(略)
イスタンブール経済研究所(IEA)の3月調査によると、選挙でクルチダルオール氏に投票すると答えた人は47%で、39%のエルドアン氏を引き離した。

IEAでは、6つの世論調査会社の結果をまとめて平均値を算出している。直近の結果によると、決選投票になった場合にクルチダルオール氏に投票するとした回答が54%とエルドアン氏(45%)を大きく上回った。

(略)
だが統一候補発表に至るまでに激しい対立が見られるなど必ずしも一枚岩ではない。大統領選と同日の議会選に向けた調整などで野党間の対立が再燃する可能性もある。

またクルチダルオール氏がイスラム教の少数派アレウィー教徒であることも、多数派のスンニ派の反発が強まれば、世論調査の回答とは異なる投票行動につながるとの懸念も指摘される。

おおむね公正に行われるとされる選挙でも、政党がバスや弁当を用意して有権者を投票所に運ぶ光景は珍しくない。強固な組織力を持つ与党側に有利に働きがちだ。

www.nikkei.com

こう、最近の諸国を見て思うのは、「選挙だけはガチでやる半民主主義国家」的なものが存在しているということだった。
通常の議会運営や表現、結社、集会の自由や司法の公正さには大いに疑問符が付くのだが、選挙だけはそれなりに力のある対立候補が生まれて、それなりにフェア…一応外から見ても客観的に不正で結果が左右されたりしない、そういう一連の国家。
具体的にはペルー、ブラジル、ウルグアイ、チリ、ニカラグア、フィリピン、インドネシア……そしてトルコ。イランも選挙はけっこうガチか。
よく考えればあり得ることで、政府の反対勢力は、いざとなれば武装闘争などもあり得るぐらいの、一つの勢力を持っている。それらが内戦、軍事闘争の代わりに選挙で挑んでくる(ある意味、正しい民主主義です)のだから、選挙自体はそれなりに現在の権力者もガチでやらざるを得ないのでしょう。勝ったら、通常手続きを基盤にした民主主義への尊重感はあまりない、という。

こう考えて、文章にしようと思ってる間に、「選挙独裁」という理論づけをした本が出たらしい。
(内容未読)



それはともかく、決選投票を挟む可能性もあるというトルコ大統領選。
自分は議会選などはともかく、大統領選でエルドアンが負ける可能性はあまり考えなかった。どうなるのか、そして本当に対散る候補が勝利した場合、エルドアンは平和裏に政権を移譲するのか。
ここで「ロシア・中国枢軸」が自分の”陣営”を求めている、という情勢、そしてトルコが「黒海」を管理し、NATO拡大に実質的な拒否権を持っている(全会一致でないとNATOに新規加入できない)など、いま極めて重要な立ち位置であることも気になる…