「ブログ市長」をキーワード化しようと思ったらすでにされていた。GJ。
http://www.asahi.com/politics/update/0612/SEB200906110031.html
「ブログ市長」として知られ、市議会の不信任決議に伴う5月末の出直し市長選で再選された鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が11日、市庁舎にある市の職員労働組合事務所に対して使用許可を取り消し、1カ月以内の退去を通告した。公約した「市役所改革」がいよいよ第一歩を踏み出した形だが、組合側は反発し全面対決の様相だ。
「市職労事務所は長年使用料や光熱費を払っておらず、不当な便宜供与。市民の役に立っていない」
竹原市長は11日の記者会見で退去を迫る理由をこう説明した。(略)
市職労の事務所退去は市長の公約だ。再選後の1日の記者会見でも「自治労は背任組織」と切って捨て、まず第一に実行するとしたのが「事務所撤去」だった。
市職労側は「公務員の職員組合事務所は他の自治体でも役所敷地内にある」と主張する。実際、鹿児島県内では組合がある県と35市町村の事務所はすべて庁舎や敷地内にある。しかし、竹原市長は「阿久根のかたちは阿久根市民が決める」と、意に介さない。
この日夜には、事務所撤去に向けた市長と市職労の団体交渉が予定されていた。市民も含めた公開による団交を望む市長に市職労が難色を示したことで中止となり、市長側が退去通告を強行した。
組合事務所前には午後6時ごろから、市長を支持する市議や市民が「自治労は阿久根から出て行け」などのプラカードを掲げて、シュプレヒコールを上げた。
竹原市長は自身のブログでも、市職員の給与などの待遇を巡り「市長と議員が職員組合と癒着してきた結果」などと市職労を批判してきた。
「早期退職制度を使って52歳で辞めた給食センターの女性職員の退職金が3800万円やっど(だよ)。民間なら無理」
いま、市民の間にはそんな話が飛び交い、市長は「自治労が議員の勉強不足に乗じて、民間とかけ離れた仕組みをつくった」と説明する。
国家公務員の月額給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示すラスパイレス指数で見た場合、08年度の阿久根市は94.9。全国の市の平均の98.3を下回り、県内18市中、下から3番目だ。市職労は「他と比べ高くない」と主張しているが、市長は「そもそも市職員の給与と国家公務員を比べる仕組みが疑問」と攻撃を緩めない。
市長は公約の中で「20億円ある職員給与費を半減する」と唱えた。19年度決算を元にした市財政課の試算では、8億円を削減しようとすると、1人あたり約633万円だった市職員の平均給与を約300万円下げる必要がある。
市職労が合意しなくても、市長提案の条例案が市議会で可決されれば人件費の削減はできる。市長は就任後の会見で「市民からの信頼をやりがいにする職員に変えれば、人件費問題は簡単に片づく。ハートが重要」と話しているが、市長寄りの市議でさえ「いきなり半減は無理。仮にそんな提案があってもにわかに賛成はしにくい」と慎重姿勢だ
いやいやいや。
こんな面白い政治記事は最近読んだことがない。
河村たかし名古屋市長を「頭のてっぺんからつま先までポピュリスト」と以前に評したが、上には上がいるものだ。
びっくりするほどポピュリズム!
びっくりするほどポピュリズム!
おれは地獄のポピュリスト
きのう職労犯したぜ
明日は市議会ほってやる
同時に、彼らはたとえば、リベラル系と目される田中康夫とも系譜的にはつながっている。
この前も「ポピュリズム」は悪口に聞こえやすいけど、その実、それ自体はいいも悪いもその状況しだい、一概には言えない・・・というしかない、てな話をしました。
だいたい、手続き的なことを言えば、もう話は済んでいる部分もあるがな。
「市職労の事務所を市役所から退去させる」を候補者が公約に掲げた。
その候補者が当選した。
そりゃあ実行にかかるだろうし、法的な正当性はしらんが、民主主義的な正統性はそのまんまカンペキである。
そう、法的な、政策的な妥当性と、民主主義度とでもいうべき妥当性はまた別なんだよな。
故・青島幸男がすでに発注なども進んでいたお台場での「都市博」を公約に従い中止したとき、その採算性に関する論争や是非を議論する前に「青島は約束を守れる男なのかどうかだ」と、「私は・それを公約して・当選した」という論法一本で押し切ったことがある。
「ブログ市長は約束を守れる男なのかどうかだ」。この一本で事務所を撤去させることも(議会が了承すれば)市職員の給与を削減することもできる。そして、「給料が安くても市民の信頼がやりがいとなる職員なら問題ない→削減に反対する君は、市民の信頼ではなくお金目的なのかね?」という一種の精神論・・・というとちょっと違うな、「ものすごい理想像を提示して『みなさん、この通りになればいいじゃないですか』という、『それ自体は突っ込みようがない”正論”』で相手を黙らせる」という手法も使う。
さらにいえば、今現在では、とくに行政の問題に対して「公開」は正義であり、非公開を求めるのはそれ自体が悪となる。
ブログ市長、この部分でしょっぱなから市職労に優位に立ち、そのまま押し切ったのである。
(市職労も公開での交渉、受けてたったほうが良かったんじゃないか?なぜ難色を示したのだろう。)
もちろん、市民が無関心を決め込んだり沈黙したりせず、デモやなんかで活発に市政に対し意見を述べるのも一般的にいえば、よきことである。だから垂れ幕を掲げた市民団体は、民主主義の新しい息吹だといえなくもない。
とにかく、よくも悪くもブログ市長の手法はポピュリズム。
その結末がどうなるか。いっちゃ悪いがおんもしろいでごわすよ。
菊野克紀(菊野かつのり)もDREAM.10で勝利したら表敬訪問してみてください。
竹原信一市長のブログ
http://www5.diary.ne.jp/user/521727/
つくづく残念なのは機能的に大変劣る「さるさる日記」なんかを使っているところだ。
はてなダイアリーを選んでほしかったなァ(笑)。
ついでに「ロスチャイルド」や「ユダヤ勢力」で検索するのも一興。
参考
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20090602/p2
http://ameblo.jp/fireflysquid/entry-10192605464.html
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090115#p1