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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ローマの休日」は「或る夜の出来事」の舞台を変えて焼き直した作品?日の下に新しきものなし。(山本おさむ「赤狩り」より)

まず山本おさむビッグコミックで「赤狩り」を連載中、というところから紹介

https://bigcomicbros.net/comic/akagari/
冷戦下の赤狩り体制の中、権力とたたかう映画人たち。

第二次大戦後、赤狩りの嵐吹き荒れるアメリカ。舞台はハリウッド。
名作映画が生まれる裏側で表現者達はいかに格闘したのか?

第一話の試し読みは、公式サイトにはないのか…連載開始号の巻頭だから、ここにあるわ
http://sokuyomi.jp/product/biggukomik_001/MA/32/

正直、最初の最初は「赤狩りか…もう『栄光なき天才たち ドナルド・トランボ』やっちゃったからなあ」と思ったねん。

ただ、当然ながら、一話完結の読み切りと長編ではかなり変わっているし、トランボが主人公の映画もこの前できたばかり。いろんな資料発掘や新事実の発見も出てきているはずだ。
障碍者問題から野球からそばまで描ける手練れの山本おさむ、いささか日本では知名度の少ないテーマでも読ませるものになっている、と思う(一般人気はどうだろうか…)


しかし、ストーリーの中で、ハリウッドを干されたトランボが、友人の脚本家の名前を借りて不朽の名作「ローマの休日」を執筆する場面がある。
そりゃ、見せ場には当然なるのだが…描き方がちょっと個人的には衝撃的だった。

 

 

読めますかね。要約
・監督したフランク・キャプラは興行的なヒットが必要で、自分のヒット作「或る夜の出来事」の再現を狙っている
・今回の脚本も、「或る夜の出来事」を徹底的になぞろう
・核は四つ
1:結婚などふつうは不可能な格差がある
2:恋心は表に出せない
3:「場所の制限」がある
4:「時間の制限」がある
・なので、舞台をローマにして、新鮮な形にした


…という話。
余談だが、「或る夜の出来事」は「ジェリコの壁」というのが登場する。
エヴァンゲリオンにこれが登場したとき、元ネタを知ってる人も、知らない人もいただろう。




ちなみに、今店頭にならんでいる、この回の次の号では、「最後の恋愛は下敷きにした『或る夜の…』とはちがい、設定上(富豪の娘と新聞記者、と王女と新聞記者、では違う)成就しない。その代わり…」みたいな話に続いている。


もちろん、言うまでもないけど
これはトランボを批判しているわけじゃないのでね。

アオイホノオの「中途半端にマネをする」じゃないけど、

こういうふうに舞台を変えて、設定もこれくらい変えれば「骨子はそのまま」であってもなんの問題もない……のである。

だがだが、
それでも、こういうふうに物語の骨子の共通性や「創作の系譜」が見て取れるのは、それだけで面白いではありませんか…

ただ、事実としてこうなの?本当にドルトン・トランボは「ローマの休日は、『或る夜の出来事』の舞台を変えた脚本なんですよ」と認めたり語ったのか?

そういうわけで、興味深い話だったのだが…何しろ事実を下敷きにしたものの漫画である。脚色・フィクションは十分に加わっていておかしくない。
そこで、このように書いてある生の資料というか記事を探したが…2017年11月7日現在、自分が探した日本語のネット記事では、そういうのは見つかってないです。「或る夜の出来事」と「ローマの休日」が物語的に類似している、同一ジャンルに属していることを指摘した文章はたくさんあったが、トランボ自身が「或る夜の出来事」を下敷きにどうこうした、という、生の証言や、そう記述した資料は見つからない。


そういう記事があったら、ウィキペディアにも追加していい、面白い話だと思うので、これを補強する資料をご存じのかたは教えてください。(単行本になれば、参考資料に明記されるかもだけど。現在まだ単行本は出てない)
さっきも書いたけど、この号はもう、次号が出ています。該当回を読みたい人はバックナンバーのあるマンガ喫茶か、アマゾン購入を。

ローマの休日」「或る夜の出来事」とも(日本では)パブリックドメイン


どこかを探せば、絶対に無料動画、それも細切れでなく視聴できるところがあるとは思う。これも見つからなかったので、皆さんで探して&見つけたら教えてください。


舞台を変えるだけでオリジナルストーリーになる。その試作品

以前もこれかいた気がするが
・たとえば、電気製品、IT技術を開発する企業にしようか
・一代でそういう電気会社を築いたワンマン社長率いる大企業に、ある時期、2人の技術者が同期入社する
・片方のAは、開発部門の王道、エリート街道を歩む。もう一人のBは、社長直属部署に配属されてはいるが、ワンマン社長にいつも叱咤されてばかり。
・だが、それは二人のタイプを見抜き、それぞれのやり方で開花させんとする社長の親心だった
・それぞれ、そのことを知り感謝しつつ成長する一人だったが…ある日、社長はヤクザに刺されて急死(このへんも変えたほうがいいか…)
・そこから二人が軸になり、会社はさらに成長するが…いつしか二人は、その会社に旧弊と腐敗を見抜き、それぞれの会社を立ち上げる!
・Aは、奇をてらわぬ地味で堅実、徹底した高品質のものづくりを目指し、クオリティではどこにも負けないとの評判をとる。Bは、高い技術ももちろんあるが、世界的大会社とタイアップしたり、異業種へ突然に乗り出すなど、世間をあっと言わせることが大好きな本人の性質が反映された企業。
・そのAの会社、Bの会社にそれぞれ入ってきた人材も多種多様。どちらの会社からも、また独立して会社を興す人材が生まれたり、その会社の中で頭角を現す技術者も出てきたり…
・二つの会社は時に企業戦争、時に協力しながら、成長し続けていく。そんな中、Bはまたも突然、参議院選挙への出馬を表明。Aは、がんが見つかり…


って、わかる人にはすぐわかる、別の話の焼き直し(笑)

これだと、著作権問題は発生しないですよね?今度「なろう」に投稿予定(嘘)。

余談「ローマの休日」という言葉には別の意味がある事、ご存じですか??

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