http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20090613k0000e030039000c.html
イラン大統領選:現職再選 改革派元首相に圧勝
【テヘラン春日孝之】イラン大統領選は13日、開票が進み、国営イラン通信によると、保守強硬派のアフマディネジャド大統領(52)が投票総数の過半数を獲得、最有力対抗馬の改革派のムサビ元首相(67)ら3人の候補を破り、再選を果たした。任期は4年。核開発問題などで強硬姿勢を示す大統領が再選されるかどうか国際社会も注目したが、国民は「続投」を選択した。
アフマディネジャド陣営の選対幹部は「大統領はすべての国民の代表である」と事実上の勝利宣言を行った。
内務省によると、投票率は70%以上。13日午前7時前(日本時間同11時半前)現在、開票率約80%での得票率は▽アフマディネジャド大統領約65%▽ムサビ元首相約32%▽レザイ元革命防衛隊最高司令官(54)約2%▽カルビ元国会議長(71)約0.9%。第1回投票で当選を決めるには、投票総数の過半数を得ることが条件だったが、大統領はムサビ氏に圧勝した形だ。
中東で(相対的には)もっとも民主的な選挙のひとつによって選ばれた代表に対し、まずは祝意を述べるべきなのだろう。
その上で。
■オバマ対話路線との「共鳴」は起こらず
ひょっとしたらアフマディネジャドの「私が強硬路線をとったから、アメリカは折れて対話を言い出したのだ!」という主張が受け入れられたのかもしれない。オバマに責任を帰すのは妥当かどうかわからんが、チャベスやキューバ、ロシアの軟化のような形での成果が出なかったことは事実だ。
■若者パワーが不発?
前回は若者がしらけて投票しなかったために現職が当選したともいわれたが、投票率がぐっとあがってそれでもなおかな。
■世論調査は当てにならん社会
上に書いたことと矛盾するが、まだ世論調査の基礎となる「調査を受けたら本音をいう」とか、そのへんにまだ躊躇がある社会かもしれない。
■欧米リベラルメディア・バイアス?
期待が転化し「改革派ムサビ猛追」てな予測という、客観情勢の見誤りになったのだろうか。
とまれ、この選挙は今後15年の世界情勢をも左右しかねないと思っていたが、強烈な個性を持つ現職と、世界は再び4年間対面する。