最近知った話と情報をメモ
インドネシアには「ムハンマド以降にも預言者がいる」とみなす異端(異教?)集団がある
イスラム教徒が世界最多のインドネシアで、イスラム教の異端とされる少数教団「アフマディア」への対応をめぐる論争が激化している。強硬派が、「イスラムを侮辱している」としてアフマディアの寺院や集会を襲撃。穏健派は「信仰の自由の危機だ」と懸念を強めている。
アフマディアは19世紀末の英領インドが起源。最後の預言者はムハンマドではなく同教団の教祖だとするため、強硬派イスラム教徒らが反発。イスラム指導者評議会が80年代に活動を禁止する「見解」を出した。それでも信者は数十万人に増加。同評議会が05年に「見解」を再確認した後、各地で暴力行為が頻発した。目立ったケースだけで07年に15件の暴力行為が発生したとの統計もある。
(略)
こうした中でムスリム界は割れている。保守系イスラム政党はアフマディア解散を求めているが、国内最大の穏健イスラム教団体ナフダトゥル・ウラマは「強制的に禁じても信仰は変えられない」として対話による解決を訴える。保守・強硬派の意向をくんだ最高検は4月、同教団の解散を命じるよう政府に勧告し、政府は今後の対応を協議している(略)
朝日新聞2008年06月05日22時50分
シーア派はコーラン解釈に自由がある?
スンニー派は伝統的に、一部法学者集団にのみ解釈権があるという考え方だが、シーア派にはその伝統が無く、「これが正しいコーラン解釈だ」と圧倒的に納得させる権威集団は無い。だから逆に、シーア派から新しいコーランの解釈が次々と生まれてイスラム思想界をリードした、という。(これも朝日新聞の記事だったか?記憶があいまい)
池内恵が産経新聞にイラン問題を執筆「イラン体制が持つ『ソフトパワー』が消えた」&「不正は実際あったろう」
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090702/mds0907020301000-n1.htm
イランは米国の政治家やメディアによって、あたかも狂信的な神権政治体制による独裁・圧政として描かれがちだが、中東諸国の世論においては、イスラーム主義を支持する層からはイスラーム革命を先駆的に実現した政体として、西欧型民主主義を志向する人々からは、制限はあれども自由で活発な選挙を行う、アラブ諸国と比べれば概して先進的な体制として見られてきた。米国やイスラエルに対して過激な発言を繰り返す最高指導者や大統領についても、自分たちが言いたくても言えないことを言ってくれる、留飲を下げる存在として見られてきた。今回の選挙は、このようなイランの立場を変える転換点となりうる。
(略)
実際に生じた空前の高投票率と、事前に行われていたと見られる大規模な投票操作が合わさって、現政権を支える護憲評議会が認めただけでも50の都市で、投票率が100%を超える、という異常な結果となってしまった。全国でも85%といった、現実的には生じにくい投票率になっており、不正の存在が濃厚に疑われる。(略)
イランの政治体制が即座に大きく変わるとは考えにくく、核問題や対イスラエル、対米国・英国の発言と行動が一時的に強硬になるかもしれないが、少なくとも言えるのは、イランとイランに支持された勢力は、これまでのような倫理的な優位性を主張することが難しくなった、ということだ。これは中東政治のバランスを変えることになる。