…ロシアと北朝鮮の首脳会談が13日午後に終了しました。金正恩総書記は「ロシアの決定を常に支持する」と連帯を表明しています。
ロシア極東のボストーチヌイ宇宙基地に到着した金総書記は、会談の冒頭で「我々は常にプーチン大統領とロシア政府の決定を支持する」「我が国にとって最優先事項はロシアとの関係だ」と連帯を示しました。
また、ウクライナ侵攻を巡って「ロシアは主権と安全を守るため聖戦に立ち上がった」と支持する姿勢を示しました。
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ということで、プーチン・金正恩の”熊豚同盟”結成と。
プロレスの悪役チームで呼ばれた「最凶コンビ」「極悪同盟」「極道コンビ」などと呼んでもいいが。
そういえば、「鶴龍コンビ(ジャンボ鶴田&天龍源一郎)があるなら、ジャイアント馬場とグレート小鹿がタッグを組んだら?」って一口話があった。
そのタッグ名を、今回のふたりに流用してもいいんだが。
プーチン=金正恩会談。
— 黒井文太郎 (@BUNKUROI) September 13, 2023
具体的な協力話ももちろんあるのだろうけど、それは水面下で事務方同士でもできるわけで。
悪の独裁者2人がマブダチみたいに振る舞うことで、どちらも「オレは孤立してない!」アピールするのが一番の目的
金正恩からすれば、プーチンとの関係は命綱レベルに重要。会えるならどこへでも行く。
— 黒井文太郎 (@BUNKUROI) September 13, 2023
プーチン側とすれば北朝鮮は単なる駒で、元来は軽く扱う相手なのですが、今は自分がウクライナ侵略で下手をうってる最中なので、味方してくれる国として顔を立ててやってもいいかなというところでしょう https://t.co/GTwkM3Ha2G
金正恩氏の冒頭発言。「現在ロシアは、敵対する覇権勢力に対して国家主権と安全を守るための神聖な戦いに立ち上がった。私たちは今、関係をさらに発展させたいと考えている。私たちはプーチン大統領とロシア政府のすべて決定を常に支持してきた。反帝国主義、主権確立の戦いで常に共にありたい」 pic.twitter.com/VsfeSPpPrV
— Akiyoshi Komaki 駒木明義 (@akomaki) September 13, 2023
今回は一貫して米政府筋の情報が概ね当たりで、それも衝撃。過去の北朝鮮指導者訪中などで、米紙が先行した記憶がなく。
— yonemura koichi (@micungengyi) September 13, 2023
”露メディアに対し、「その(北朝鮮への支援の)ためにここに来た。北朝鮮の指導者はロケットの技術と宇宙分野の開発に強い関心を示してきた」と述べた“https://t.co/49fPpWoabY
この前「中国はロシアのウクライナ侵攻を批判し、国際秩序の守護者として地位を高め、自国の悪は相対的に見逃してもらう、という世界線もあった。だが、そうならなかったんだよ…。だからこの話はおしまいなんだよ」って話をしたが、北朝鮮もスケール小さいながらそっくり同じ轍を歩む。というかもとより、あの国家体制、王朝体制に丸ごと「国際秩序の中に収まる」という可能性が皆無なのかもしれない。
そこから敷衍していくと、アメリカのトランプ前体制、韓国の文在寅前体制のもくろんだ南北首脳会談、米朝首脳会談の路線は、根本的に無理があった、と考えてもいいようだ。もちろん、敵は敵として、それでも対話が必要な局面は常にある(今もなお)。だが、その立場から見れば、逆に更に、あの路線は幻想でしかなかった、と思わざるを得ない。
そして…「だが当時は、『日本も北朝鮮と関係改善、仲良くせねば”バスに乗り遅れる”!』という議論があったよな?」と、2018年前後の空気を思い出す、のである。
まったく余談だが、この『バスに乗り遅れる』という日本ではやや不吉な過去のあるジャーゴンも、当然ながら初出と起源があり、調査している人もいる。こちら参照。
m-dojo.hatenadiary.com
たとえば、その時「バスに乗り遅れる」論をラッパを吹いて広めていたのが、テレ朝(当時)の玉川徹氏であったり、日刊ゲンダイであったり、リテラだったりした。「北朝鮮にはレアメタルなど豊富な天然資源がある。いま関係改善しないとその利益が日本だけ得られない」みたいなそのまま山師的宣伝までしてて…
こちらはもっとさかのぼって2008年の記事。もっと露骨だ。
安倍のせいで日本だけ取り残される“北朝鮮利権”
政権放り出しの安倍前首相が、山崎拓元副総裁を批判した「百害あって利権あり」のセリフが独り歩きしている。
だが、安倍は北朝鮮の利権や国際政治をどこまで理解しているのか。
「中国やロシアの周辺国ばかりか、いま世界の各国が北朝鮮ウランとレアメタル(希少金属)を狙って、しのぎを削っているのは有名な話。
アメリカがテロ支援国家の指定を解除して、北朝鮮と友好関係をつくろうとしているのも、各国との競争に乗り遅れまいという計算です。
そんな中で、日本だけが拉致問題でケンカして、北朝鮮利権からハジキ出されている。各国はニンマリですよ」(外務省事情通)
(略)
評論家の河信基氏が言う。
「昨年10月の南北首脳会談のとき、韓国のシンクタンクがはじき出した北朝鮮のレアメタルの価値は、230兆円でした……(略)すごい争奪戦になりますよ」
すぐ近くに「宝の山」があるのに、指をくわえて見ているしかない日本。
「拉致の安倍」としては自分の存在がなくなる日朝の接近は何としてもジャマしたいんだろうが、これでは「百害がある」のはどっちなのか分かったものじゃない。(日刊ゲンダイ 6月29日10時0分)
こんな応援団も国内にいる中で…
いろんな偶然があったり、日本側が求めた「北朝鮮、金正恩との直接対話」が拒否されただけ、なのかもしれないが、それをひっくるめて、関係改善に慎重であったことは安倍晋三・前前政権の「功績」であったのではないか。
一説には日本一国にとどまるどころか、国務長官が「アベはトランプを現実につなぎ留めておく錨(いかり)だった」と回想する謎の影響力を駆使して、あの無駄に決断力だけはあるトランプに対北朝鮮の関係改善は慎重になるようくぎを刺した、とも言われているので、巡り巡って世界線に影響を及ぼしたりもしているかも、でした。