新・幕末史 グローバル・ヒストリー 「第1集 幕府vs列強 全面戦争の危機」
初回放送日: 2022年10月16日
世界の覇権争いに巻き込まれた幕末のヒーローは、未曾有の危機とどう闘ったのか?グローバルな視点と本格ドラマで「新しい幕末史」を描く。歴史の空白を埋める機密文書を発掘。覇権争いをリードした大英帝国が、江戸や京都に侵攻する「全面戦争計画」を進めていたことが明らかに。戦場を一変させた兵器の威力を実験で解明する。列強と激しい駆け引きを繰り広げたのは、“最後の幕臣”小栗忠順。日本の未来を賭けた闘いの結末は?
www.nhk.jp
再放送 10月20日(木)午前1:10 NHKプラスで配信中
感想は、タイトルの通りで・・・・いや、それが悪いとかパクリだとか非難してるわけじゃないっすよ。歴史ものなのだから、どこかに先行研究があるのが当然・普通で、無かったら逆にヤバイ(笑)
イギリスの対日全面戦争計画も、ロシアの対馬占領と外交交渉も、ちゃんと記述も資料もあったのでしょう。
だけど、いや「だからこそ」膨大な「資料」と「事実」から、ここがコンテンツとして読者・視聴者の興味を惹く!とチョイスする視点と決断が重要となる。
そこで「新・幕末史」と「新」をつけて斬新な視点だどやっ!!と、世界に誇る日本最大の公共放送がやってのけた内容のチョイス…
・イギリスは、「もし日本と全面戦争あらば」の計画を練っていた
・ロシアは対馬を武力占拠しようとしていた。小栗忠順が交渉し、最後は英国の軍事介入で撤退した
・通貨のレート、金の含有価値を巡る摩擦や駆け引きがあった。
それらをすべて、近年逝去したみなもと太郎の「風雲児たち 幕末編」が抑えている、というのは大いに驚嘆すべきことでは無いですかね。
…ついでに、それをちゃんと紹介し続けたブログも少し驚嘆してくれ(笑)
もちろん細部は、物語としての演出や資料解釈などで違いがある。たとえば風雲児たちでは、英国の対日攻撃計画は生麦事件、薩英戦争のさいに立案されたことになっているし、また…これは風雲児たちに限ったことではなく、実際にどう解釈するか見解が分かれているようだが、「小栗の対馬問題に関する対ロ交渉なんて結局失敗じゃないか」「(テレビでは禍根を残した風な描写だが)イギリスを動かしロシアを撤退させた戦略は日本外交史上まれな大成功。それを演出したのは、小栗の政敵であるわれらが勝海舟だ!」みたいな議論もある。
そんな話もあると、紹介しておきます。
主な「風雲児たち」紹介記事リンク集
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
なお、またNHKがNHKらしく、映像技術で殴る…アームストロング法を実際に撃ってもらって、それを1秒間になんたらコマ撮影できる高性能カメラで撮影し、旧式の大砲の弾道と比較する、なんて映像を作ったりしていた。
これはそのへんおユーチューバーじゃやはり真似できぬ、お見事でした。
コメント欄より。
ここで紹介したことで番組を見てくださった方がいて、その感想とのこと。ありがとうございます。
gonstock.hatenablog.com