2027年 大河ドラマ「逆賊の幕臣」主人公・小栗忠順役は松坂桃李さん!
第66作は幕末史の“ウラ側”に迫ります!
主人公は 幕臣・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)
“勝海舟のライバル”と言われた男
日本初の遣米使節となって新時代の文明を体感し
新しい国のかたちをデザインした江戸幕府の天才
だが明治新政府に「逆賊」とされ歴史の闇に葬られた忘れられた歴史の“敗者”=幕臣の知られざる活躍を描く
スリリングな胸熱(むねあつ)エンターテインメント!
<企画意図>
このドラマは、幕府を倒した側ではなく、幕臣の側から幕末史を描きます。“時代遅れな江戸幕府が明治維新で倒れ、日本はようやく近代を迎えた”という歴史観は、もはや過去のもの。近年の研究では、日本の近代は既に幕末から始まっていたことが明らかになっています。司馬遼太郎が勝海舟と並べて「明治の父」と呼んだ人物、それが小栗忠順です。(後略)
おっと、NHKもこれから書こうとしている話を先回りして触れてるな。
・「勝海舟と対比し得る人物」という点、
・司馬遼太郎が大きく取り上げた人物、という点
だが、その前に……
YAHOOニュースの「牧原出」氏のコメントが面白かったので保存
牧原出認証済み1日前
東京大学先端科学技術研究センター教授報告
解説この出演については、あえて政治的にみれば、主演の松坂桃李は、安倍政権とその官邸を厳しく批判する映画『新聞記者』で重要な役割を演じており、当時も政権との関係を危惧されていた。その意味で、松坂が大河の主演に抜擢されたことは、安倍政権のメディアコントロールなどの問題が遠く過去のものとなったとみることもできるのではないか。石破政権下ならではとも言いうる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7ec2b88cf20a263de0b8c7175101023650a1994/comments
えー、あの「新聞記者」が?ほんとかねえ。でも面白いからアリにしたい、この史観。
小栗上野介といえば個人的に星新一「はんぱもの維新」。
個人的に小栗を知ったのがこれだったのだ。
『はんぱもの維新』は幕末、誰よりも優秀で進んだ考えを持ちながら悲運をたどった小栗上野介の物語。小栗から見ると「はんぱもの」ばかりが新しい世を作ってしまったのです
ameblo.jp
そういえば、この短編の中で「徳川埋蔵金」に関する、一解釈があったな。
当然ながら「風雲児たち 幕末編」の重要人物
もちろん、この話をしないはずがないでしょ(笑)ただ最初に登場した時点では漫画風キャラでなく肖像写真をそのまま使ってる。本格登場はこのあと。
だがそこではっきり「大河主役級の風雲児」と書いている、その慧眼さ…

その後、対米使節、ロシアの対馬侵略への対処、金交換比率を巡る対米交渉などの重要場面に登場するのである。


勝海舟が「ヴィラン」として描かれるか。
史実としても、勝海舟と小栗は一種の「政敵」であるといっていいだろう。
えーと、このへん…対馬事件を風雲児たちが雑誌で扱ってたときに書いたっけ。
m-dojo.hatenadiary.com
小栗忠順は「失敗」、勝海舟は「成功」でいいのか?
実は「風雲児たち」はそのところをうまーく書いていてそんな単純な見方をしてないんだが、そういうふうに評価する史書もいくつか読んだのですよ。
だが、そもそもがですね。
「勝海舟は自分の功績を盛っているんじゃないか」問題があって(笑)そもそもにしてから、勝海舟はたいへん偉大な傑物だが、それなのに、というかそれゆえに、というか、川路聖謨や小栗忠順、木村摂津守など、その才能や実直さにおいて十二分に賞賛に値するような幕末期の「幕府良識派」とはたいへん折り合いが悪かった。小栗は血統的に名門中の名門だが、川路とは同じように低い身分から頭角をあらわしてきた人だったのにのう。
まあ、最終目標も違っていたのだろう。
銀英伝で、もしゴールデンバウム王朝末期に、アンスバッハのような王朝守護の立場にありつつ才能がある人々が何人もいてそれなりの要職についていたら、ラインハルトにとってはそれは無能な連中以上に目障りな障害になるわけでな。
また風雲児たちでは、かつて夭折した将軍候補の遊び役だった勝が、14代将軍・家茂にその面影を見て、理屈抜きの親しみを感じたという変数を想像していたな。幕末良識派は、なんのかんので実務の有能さを盛っていた慶喜派が多かったし。
(後略)
もうひとつの幕末マンガ「MUJIN」を紹介した方がよいかの
勝海舟は自分を大きく見せたがる MUJINより
シンラツー。
だけど、勝海舟が大好きなことを公言している司馬遼太郎も、このへんは苦笑して婉曲に表現しつつ認めてる所。
今回の大河ドラマ、「勝も小栗も歴史の中で対立したが、両者ともに日本を憂え、そのために行動した傑物である」でまとめれば、実際その史観は正しいだろうし、きれいに描けるんだが、勝海舟のこういう部分の「ヴィラン性」を、どこまで演出するかに注目。
司馬遼太郎「明治という国家」の名場面、横須賀ドッグ。
そもそもNHKが小栗を取り上げるなら、当然この「明治という国家」がNHK伝説のディレクター、吉田直哉の手による番組「太郎の国の物語」をベースに生まれたものだから、その影響がない筈はない。
だからこの場面は間違いなく映像化されるだろう。
明治という国家 小栗 横須賀ドッグ 土蔵つき売り家 『あのドックが出来あがった上は、たとえ幕府が亡んでも “土蔵付き売家″という名誉をのこすでしよう。』
小栗はもはや幕府が亡びてゆくのを、全身で悟っています。貧の極で幕府が亡んでも、あばらやが倒壊したのではない、おなじ売家でも、あのドックのおかげで、"土蔵つき“という豪華な一項がつけ加えられる、幕府にとってせめてもの名誉じゃないか、ということなんです。
小栗は、つぎの時代の日本にこの土蔵が~横須賀ドックが~大きく役立つことを知っていたし、願ってもいたのです。
「明治の父」
であるという言い方は、ここにおいて鮮やかに納得できると思います。このドックは、明治国家の海軍工廠になり、造船技術を生みだす唯一の母胎になりました。」
幕末の幕府側にも傑物はいた、たしかに多数。…だが、「それでも滅んだ理由」こそが大事だろう。
NHKですら公式に
『“時代遅れな江戸幕府が明治維新で倒れ、日本はようやく近代を迎えた”という歴史観は、もはや過去のもの。近年の研究では、日本の近代は既に幕末から始まっていた』
と宣言して、幕末と小栗忠順を描く志やよし。
・・・・・・だが、それなら、この小見出しのような問いも考え得る。これは結構難物だ。
世界的に見ると李氏朝鮮も、清朝も、儒教によって「秀才」をそれなりに官僚として見出す国家は、やはりなかなか学問として西洋の技術や科学を受容する力はそれなりに高度だった
(種痘の技術や知識は、漢訳本を通じて伝わった部分も多数ある)。
しかし、同時にその体制の「何か」が、完全な近代化を阻害したのではないか。
一方で、小栗は、フランス的な皇帝独裁の位置に将軍慶喜が立ち、中央集権と近代化を推し進めるプランも持っていた。

これはかなり、現実味も感じる…それゆえに江戸幕府体制が基本的に維持され、武士身分も温存された上での「近代幕府」というIFも、少しながらリアリティを持つ。
※この世界線で「いまも侍がいる日本」を語るSFもいくつかあった。永井豪も書いてるはず






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