http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090920/stt0909201806007-n1.htm
副大臣就任に「やだ、やだ、やだ!」 社民ドタバタ劇に民主が溜息 (1/2ページ)
2009.9.20 17:59
・・・・・・頑固に「護憲」を掲げる社民党が、鳩山由紀夫首相が率いる連立政権でさっそく足をひっぱり始めた。社民党きっての論客である辻元清美衆院議員の国土交通副大臣起用をめぐっても大混乱。組閣直後に副大臣辞任というハプニングが起きる寸前だった。社民党は衆参12人の小所帯だが、外交・安保政策だけでなく、政権運営面の「火種」となりかねないドタバタぶりに、民主党からは「付き合いきれない」(党幹部)とため息が漏れている。(原川貴郎)
18日午後、国会内の社民党控室で、辻元氏は国交副大臣就任を駄々っ子のように拒み続けた。
辻元氏「やだ、やだ、やだ、やだ!」
阿部知子政審会長 「そんなのダメ。やりなさい!」
辻元氏「(福島瑞穂)党首が閣議で署名しちゃってるんですよ。もうどうしてくれるんですか、幹事長!」
混乱は17日夜に始まった。前原誠司国交相から電話で副大臣就任の要請を受けた辻元氏は、社民党国対委員長であることを理由に断り
躍動感のある描写(笑)で、一部で話題になっているが、筋の通り方としては辻元氏のほうが理にかなっているだろう。
というのは、氏は日本国の司法で、有罪が確定した人だからだ。
鈴木宗男。こっちは、まだ有罪確定したわけではないが、朝日新聞にこんな社説が載った。
http://www.asahi.com/paper/editorial20090919.html?ref=any
国会人事―鈴木委員長への疑問
総選挙を経て、衆院の常任委員会の新しい構成が決まった。民主党がおもだった委員長ポストをずらりと占め、巨大議席の威力をみせつけた。中にひとつ、異様な人事があった。鈴木宗男議員の、外務委員長への就任である。
鈴木氏はかつて自民党に所属し、外務政務次官や北海道開発庁長官、内閣官房副長官などをつとめたことのあるベテラン議員だ。02年、あっせん収賄事件で逮捕され、一審で懲役2年の実刑、二審で控訴棄却の判決を受け、最高裁に上告している。
疑惑が発覚して離党し、逮捕されたあと、新党大地をつくって代表として衆院議員に返り咲き、さきの総選挙でも北海道比例区で当選した。民主党と選挙協力し、民主党・無所属クラブという会派に加わっている。今回の委員長就任は、300議席を超すその巨大会派の意向によって可能になった。
だが、最高裁で実刑判決が確定すれば、そのまま刑務所に収監される立場である。議員も失職する。そうした可能性のある人物が国会の要職にふさわしいとは思えない。
自民党などの野党が「国会の歴史で刑事被告人が役員についた例がない」と反対したのは当然だろう。・・・・(後略)
んで、佐藤孝行という人につながるわけさ。
実は自民党の衰亡の経緯をずっとたどっていくと、この人にたどりつく。1990年代の橋本龍太郎政権というのは、強固な与党基盤に加え、首相自身も相当な個人的人気を誇り(甘いマスクということでおばさまがたに大人気)、ひょっとしたら小選挙区下の自民優位体制をそのまま作ろうかという流れだった。
しかし、安定した人気(支持率)を持っていた橋本政権が大きく支持率を落とすのは、佐藤孝行によってだった。
ウィキペディアの「佐藤孝行」
・・・1997年9月11日発足の第2次橋本内閣改造内閣で、中曽根の強い後押しもあり、総務庁長官として念願の初入閣を果たす。就任記者会見では、「過ぎたるは及ばざるがごとし」[1]と過去の罪状への質問をかわしたが、世論の激しい批判は収まらず、閣外協力をしていた社民党からも辞任要求されることとなり、わずか12日間で辞任した。一方、社民党は閣外協力の立場上、組閣自体は事前に認識していたことから、事前の容認・事後の変心は当然批判された。
あっ、社民党の閣外協力時代か!!それは忘れてたよーーー。
で、まあ、ねえ(笑)??
つまり、佐藤孝行が総務大臣を12日で辞任したことを以って、「金銭問題での(?)有罪確定者は、入閣資格を失っている」というふうに解釈できるんじゃないか、ってことであります。
辻元氏にとって解散時期が2009年までずれこんでよかったのは、同年2月26日で執行猶予が終了したことで、佐藤氏と同様に、執行猶予があけた状態になれたことだ。ただ、佐藤氏も「執行猶予も空けたんだから許してくれるだろう」と復党し、入閣を目指したんだけどね(笑)。
個人的には、やっぱりそういう基準を貫いて厳しい姿勢を見せたほうが社民党としても、鳩山内閣全体としてもよかったんじゃないかと思う。ぶれてるよ。
またたとえば、西村眞悟(弁護士法違反で有罪)の支持者も、今後の選挙で西村が復活当選し、何かの形で与党側になったとしても、やはり永久に入閣は出来ない、との立場をとるほうがよかろ。
差異を挙げるとしたら、佐藤は有罪を受け入れず、事実としては無罪だと一貫して主張していた。辻元のほうはどうかな。受け入れて反省している?のならいいのかな。
まだむしろ、鈴木氏の委員長就任のほうが「わたしは無罪を主張しているのだから、なんら後ろ暗いことは無い」的な主張だと考えれば筋が通る。ただ、そうすると田中角栄が一身有罪後、政治の世界で活発に活動したとき、新聞が批判していた根拠がだいぶ力を失うけどね(笑)。
こういうとき、筑紫哲也さんがご存命だったらその声を聞きたかったなぁ・・・という気はする(笑)
ただ、論議の筋はどうあれ、実際の政治としては、なんつうか同じ病原菌があっても患者の免疫・体力しだいで元気なままだったり、発病したりが違うのと同様、「XXが問題になったんなら、同じ構造のXXXも問題になるはずじゃない?」というような話はほとんど意味を持ち得ない・・・というのを、ことに小泉時代は散々見てきた。
そうやって、なぜか問題が発生しても人気が落ちない、批判されない政治家を、あの汚れがくっつかないフライパンになぞらえて「テフロン」と呼ぶ。たぶんレーガンに対して、最初にそういうあだながついたはずだ。
さて辻元・鈴木らは鳩山にとっての「汚れ」となるのか。それとも汚れだとしても、鳩山にはくっつかない「テフロン性」をもてるのか。