多和田葉子のベルリン通信より 2026年4月9日
くたばれドイツとは 朝日新聞より
・ドイツ書店賞、というのがある。文化相から、賞が授与される
・だが今年は、専門家が選んだ候補から3つが削除された
・その理由が「くたばれドイツ」というスローガンを掲げていたから、だった
・文化大臣は「極右でも極左でもイスラム過激派でも反ユダヤ主義でも、過激派には賞を与えられない」と。
・元は憲法擁護庁を要する連邦内務大臣が伝えた、という説があるが、大臣は「憲法擁護庁には守秘義務がある」
ドイツの「闘う民主主義」
ちなみにドイツではかつて「軍人は人殺し」も大問題となり、ヘイトスピーチかどうかが最高裁まで争われたそうな

ドイツにおいて「軍人は人殺しである(Soldaten sind Mörder)」という表現は、ドイツ連邦憲法裁判所(最高裁に相当)によって「表現の自由」の範囲内であると認められています。
このフレーズを巡る主な法的ポイントは以下の通りです。
1. 歴史的背景
この言葉は、1931年に作家クルト・トゥホルスキー(Kurt Tucholsky)が雑誌「ディ・ヴェルトビューネ」に寄稿した文章が初出です。ナチス台頭期から戦後に至るまで、この表現は軍の名誉を傷つけるものとして何度も裁判の対象となってきました。
2. 憲法裁判所の判決(1995年)
1995年10月10日の判決において、連邦憲法裁判所は以下の理由からこの表現を罰することはできないと結論づけました。
表現の自由の優先: 民主主義社会において、平和主義的な意見を表明する手段として、この言葉の使用はドイツ基本法(憲法)が保障する「表現の自由」(第5条1項)によって保護される。
集団に対する侮辱の限定: 「軍人」という言葉は特定の個人を指すものではなく、非常に広範な集団(不特定多数の兵士)を指すため、特定の個人の名誉を直接的に毀損するものとはみなされにくい。
文脈の重視: この言葉は特定の兵士への攻撃ではなく、「戦争というシステム」や「職業としての軍人」に対する批判や平和主義的な見解として解釈されるべきであるとされました。
3. 社会的影響
この判決は当時のドイツ国内で大きな議論を呼び、軍関係者や政治家からは強い批判も上がりました。しかし、現在でもドイツ連邦憲法裁判所の判例として、表現の自由の重要性を示す代表的な事例の一つとなっています
