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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

同性婚問題を「仲良し」を「家族」にできるか?…という所から、回り道で考える

今月、同性婚憲法に関する裁判があったのでいろいろその話題が多かった。
自分は時間の関係で、過去の記事を抜き出したものを載せるのみだったが、
m-dojo.hatenadiary.com


少し捕捉したいことがいろんな角度からあるので、断片的に描かせてください。
ただ論点は、既に自分の過去記事には出てると思う。


まず、へんてこな話から。
togetter.com


[B! 漫画] タコピー最終回を巡って「百合かシスターフッドか」で大荒れ、「百合は全てを内包する概念」の解説も

まことに読み方の多様性、ことほぐべきかな…と思いつつ、「そもそも友情や、相互の尊敬、信頼、執着と『恋愛』との区別なんて、内心の問題なのだから究極的、最終的には区別のしようが無い」ということなのかと思います。
それはこっちの皆さんのほうがセンパイだろ(笑)

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木根さんの1人でキネマ ルームシェアの2人に、関係を聞いていいのか

これへの回答は

木根さんの1人でキネマ ルームシェアの2人に、関係を聞いていいのか


だったのだが……これは聞き手が一方の母親であるから、踏み込みも許されるし、家族関係の構築(遺産や入院・手術手続きなど)においても必要だから尋ねても合理性があって失礼ではないのだ…ともいえるかもしれない。

だけれども、じゃあ、逆に、一般的なふるまいとしては「カップルかどうか聞いていい」んでしょうか、これ。
いや、あれなんだよね。それは男女の話もそうで、それを尋ねるのは失礼な場合もあるっす。でも逆に「お二人は夫婦かい、恋人かい?」「いや、ただの同僚です」「こりゃ失礼」なんてのは、普通の世間話の範疇で収まる。
「高杉さんちのおべんとう」には「同じ大学の人です、いまは」という、粋なセリフがあったなぁ。
だが、同性の方に、お二人は同性カップルですか?と聞くのに、それとは違う緊張感が伴うのは、事実だろう。だからアウティングとかカミングアウトって言葉もあるわけで。本来は男女に「お二人は夫婦?恋人?」と聞くのも、同性の二人組に同じ質問をするのも、まったく重みやニュアンスが同じである社会が理想だろうが、それでも統計的には9:1の割合でめずらしいのだから、そういう扱いにはならないのだろうか。

で、話は一足飛びに「家族の定義」となる。

 伝統的な家族観が支配的だった韓国で、新たな家族の形の議論が進んでいる。鄭英愛(チョンヨンエ)女性家族相が27日の記者会見で「多様な家族構成への理解が進んでいる」として、家族の範囲を広げたり、子どもの姓を両親が選べたりするように制度改正を検討すると明らかにした。
(略)
 記者会見で鄭氏は、婚姻や血縁関係、養子縁組だけで規定されている健康家庭基本法の家族の定義を広げる方向で改正を進めると明らかにした。事実婚の夫婦の権利の拡大などを想定している。そのうえで「この改正が民法など他の法律に規定される家族の範囲にも適用され、差別的な認識に変化をもたらすことを期待する」と述べ
www.asahi.com

拡大する“家族”の概念
“Chosen Family”(=選ばれた家族)。この言葉を耳にしたことはあるだろうか?端的にいえば、血縁的なつながりにこだわらず、自らの意志で“家族”を構成するメンバーを選ぶファミリーを指す。親子のみで形成される「核家族」と入れ替わるように、より複雑で包括的な家族構成が台頭しはじめた今日では、伝統的な血縁関係を超えて幅広くメンバーを受け入れたり、知的興味や趣味などお互いの共通項を基礎として“家族”という枠組みを設定するというように、家族という概念の自由度が高まりつつあるのだ。

実際、イギリスのメディアエージェンシー「the7stars」の調査によると、イギリスに暮らす家族のうち12%に当たる世帯は、自分たちのルールに従って家族構成を決定する自発的なChosen Familyであるという。また家族の概念が拡大を遂げた背景には、テクノロジーの発達も寄与している。「23andMe」をはじめとする一般向け遺伝子検査キットの登場によって、同様に遺伝子テストを受けた、何世代も前の祖先を共有する遠い血縁関係にある親戚とSNSを介してつながることも可能になり、この関係をもとにまったく新しいファミリー像を構成する例も少なくない。

lexus.jp

このPDFもおもしろかった。

法や倫理に反するような関係性をもつ集団を家族と呼びうるだろうか。たとえば、配
偶者とは別の相手と不倫関係にあり、その相手を実質的に扶養している場合、その相手は家族
と呼びうるのか。仮にその相手を家族と呼びうるのだとすれば、その相手に配偶者を含む血縁
関係者がいる場合、その人たちは、まったくの赤の他人であって家族ではないのだろうか。社
会規範によって禁じられている関係性に基づいている以上、どれほど当人が主観的に相手(お
よび相手の配偶者と血縁関係者)を家族だと認定していたとしても、社会的には家族だと認め
られない(あるいは、認められるべきではない)ということになるのかもしれない。



 まったく遺伝的つながりが存在せず、性的な関係にもないような集団の場合はどうだろう
か。たとえば、ドラえもんのび太野比家の人びとのような、居候とその居候先の人びとと
の関係は、家族とは呼べないのだろうか。あるいは、海賊やマフィアのようなアウトロー集団
によく見られる盃を通じた関係はどうであろうか。互いに、「オヤジ」「オジキ」「息子」「兄弟」
と呼び合う間柄をもつ集団は、家族と呼ぶに値しないのであろうか。はたまた、ある種の思想
を共有する人びとが、人種や居住地域を越えたつながりをもって、一つの「一族」としてのア
イデンティティを相互に抱いている場合、その集団を家族と呼びうるのであろうか。

http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se30/30-09okuda.pdf


何度も繰り返しになるが、結婚というのは即物的にいうなら

●配偶者相続権(一)●税制・社会保障における優遇(二)●病気療養時などにおける権利・利益(三)●夫婦財産制(四)●パートナーシップ解消時の法的保護(五)●不法行為や犯罪による死亡時の損害賠償請求権など(六)●刑事法上の権利・利益(七)●性同一性障害特例法の非婚要件(八)●外国人パートナーの在留資格帰化(九)●子を育てる権利(十)●その他家族法上の権利義務(十一)●住宅の確保(一)●勤務先からの手当支給,休暇取得など(二)●生命保険金の受取人指定など(三)●銀行取引など(四)●その他身近なサービス(五)
https://www.dropbox.com/s/smt6kosxwfs3xc0/SHIMIZU_LegalConstruction.pdf

の契約を2者が結ぶ、ということだ。


そういえば、家族かどうか…たとえばルームシェアの友人がどんなに仲が良くても、片方が死んだらその財産をもう片方が受け継ぐ、という法はない。
ホームズだって「最後の事件」の前には、財産はワトソンではなく兄マイクロフトに渡した

僕はイギリスを発つ前に全ての財産を処分し、兄のマイクロフトの手に預けた。奥さんによろしく伝えてくれ。親愛なる友人へ。
さようなら
シャーロックホームズ

その例外が、他人であっても届け出を出して妻になれば、財産も病院面会権もふくめ、諸々の権利を受け取れる。

それが、同性同士のパートナーでは無いのは理不尽だ……というのはわかるねん。


ただそれは「同性婚」よりもっと幅広い、「自分達の意志と希望によって、従来の家族が持っている財産相続や病院面会などの権利を得る新制度」なんじゃないかな、と思う。

それは少なくとも、憲法24条の文面との矛盾を回避する効果もありましょう。

m-dojo.hatenadiary.com
……今回の判決を基にした議論の組み立てで、同性婚憲法24条の文面を変えずに成立した場合は
同性婚は、憲法24条の定義した、そしてその保障のもとにある”婚姻”ではない。ただし、そこで認められる実質的なもの(権利や義務)は、憲法24条でいう婚姻が定めた、”両性”による”夫婦”のそれが持つ各種の権利義務と違いが無いもの」

である・・・ということでいいんですよね?

つまり、となりの人は「ビール頂戴」と注文し、店は「はい、ビールお待ちどうさまでした」と持ってくる。
ただしその人は…自分で「ビール頂戴」と言うのか言わないのかはともかく、店は「はい麦ジュースでございます」「苦いジュースお持ちしました」と言って持ってくる…あるいは口頭では「はいビールです」と言うのかもだけど、あくまで公的な帳面には「麦ジュース」と書いてある、みたいな……


これでよし、という見方もある。
それでは不十分だ、という見方も、たぶんあるだろう。


この制度によって、民法上のデフォルトの優先順位を変えるということもできよう。もしいま自分が死んだら自分⇒妻⇒きょうだい…となるが、本人の意志的には、甥こそ自分と一番仲がいいので、このひとを優先一位の存在にする、とかそういうことも可能である。



で、こういうふうに家族が意識的に構成できるなら、それがシスターフットだか百合だとかもあまり問題にならなくなる、ということで(笑)


ちょっといろんな、細かい話からこのテーマを考えていくので、その断片的な考察の「その1」として。