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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

【再論】そもそも夫婦含む「家族」の権利(病院面会権など)を、簡単・自由に他人と結べる制度こそが必要では?同性婚はそのワン・オブ・ゼム?

何度もこれまで書いている話ですが、ひとつの実例がはてブ人気エントリーなので、それを例に挙げて語ると早いだろう。

40代未婚、六畳一間でふたり暮らし。お笑いコンビ「阿佐ヶ谷姉妹」が語る新しい共生のカタチ https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/01/asagaya-shimai_a_23493638/

歌手の安田祥子さん・由紀さおりさん姉妹の"細かすぎる"モノマネなどで知られる、お笑いコンビ「阿佐ヶ谷姉妹」の渡辺江理子さん(以下「エリコ」)と木村美穂さん(以下「ミホ」)。

木村さんは渡辺さんを「お姉さん」と呼ぶ。いつもお揃いのピンクの衣装に身を包み、見た目もなんだか似ているふたりだが、実の姉妹ではない。

ともに40代半ばで未婚のふたりは、つい最近まで六畳一間のアパートで一緒に暮らし、今はお隣同士だ。

7月12日に共同生活をつづったエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』が発売された。この本からは、ふたりが単に"仕事上の姉妹"という関係だけでなく、"家族"として関係を築いていることが伝わってくる。
(略)
―― なんかご夫婦の話を伺っているみたいです(笑)

エリコ 私たちは血の繋がりのない「疑似姉妹」ですけれど、ある意味、家族っぽいんでしょうね。それぞれの親から連絡があったりしても、「ミホさんどう? 元気? 変わりない?」とか言われたりします。ミホさんのお母さんはお母さんで、こちらを気遣ってくださったりとか。


(略)
※取材者のコメント

生き方が多様になる今、結婚を選ばない人が増えている。ふたりの暮らしは、結婚する以外の生き方を選んだ人が家族のありかたを模索する時、ちょっぴり勇気をくれるのではないだろうか。

それに自分は、こうブクマした

http://b.hatena.ne.jp/entry/368727947/comment/gryphon

以前から言っているし他のブクマでも指摘あるけど、異性婚夫婦に「自動パッケージ」で与えられる手術同意権などの権利は、むしろ個別に色々な人と結べるほうがいいのでは。そうすると問題は同性「婚」なのか、となる


過去に何度も論じてきた話だけど、二つ代表的な過去記事を紹介し、再録しませう

「婚姻制度」は一種の”パッケージ契約”。それは可能か?個別契約は不可能か?そもそも「公」に定めるべきか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150222/p3
 
「これ『病院面会権』等を誰にでも自由に与える制度こそ必要では?」〜文京区議カミングアウトで再論す。同性婚も部分的解決、ではあるが。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20170710/p1

前略

…根本というか、以前から言われているちゃぶ台ひっくりかえしの話だが…
「結婚」とはそもそも何か。
「永遠の愛を誓う」だの 

「申す 七珍万宝投げ捨てて 身ひとつにて山を下りし みめうるわしき乙女なり いかーに」
「申す 雨露しのぐ屋根もなく 鈍感愚物のオノコなり それでもよければお入りください」
(「風立ちぬ」より)

とか、そういうのはいいんだけど、もっと即物的にいうなら

●配偶者相続権(一)●税制・社会保障における優遇(二)●病気療養時などにおける権利・利益(三)●夫婦財産制(四)●パートナーシップ解消時の法的保護(五)●不法行為や犯罪による死亡時の損害賠償請求権など(六)●刑事法上の権利・利益(七)●性同一性障害特例法の非婚要件(八)●外国人パートナーの在留資格帰化(九)●子を育てる権利(十)●その他家族法上の権利義務(十一)●住宅の確保(一)●勤務先からの手当支給,休暇取得など(二)●生命保険金の受取人指定など(三)●銀行取引など(四)●その他身近なサービス(五)
https://www.dropbox.com/s/smt6kosxwfs3xc0/SHIMIZU_LegalConstruction.pdf

の契約を2者が結ぶ、ということにすぎない。そしてそれには国家の後ろ盾がつく、と。
逆にいうと、国家権力が
「あなたとあなたが、好き同士で一緒になることを『国に認定』してもらいたいなら、両人は、上の契約を一括して結ばなきゃいけませんよ?」
となり、さらに
「同性同士」「近親の間」「一人と複数の異性、あるいは複数同士」では、この契約はなぜか結べない、と……


しかっしですな。たとえば
「夫婦だからって自分が亡くなったら、配偶者に財産を相続してもらいたいとは思わないよ。その財産は前妻前夫の子供に…」なんて人もいるでしょう。

実際の話、人生の最晩年に、配偶者に先立たれたもの同士が寂しい暮らしではなく、再び知り合って一緒にすごしたい、という話は昨今多くなりましたが、その時、子供たちから祝福されないことも多いのは、この問題があるからとも聞く。

後妻業

後妻業

「色で老人を喰う」裏稼業を描く戦慄の犯罪小説

妻に先立たれた後期高齢者の耕造は、六十九歳の小夜子と同居しはじめるが、夏の暑い日に脳梗塞で倒れ、一命を取り留めるも重体に陥る。
だか、裏で小夜子は結婚相談所を経営する前科持ちの男、柏木と結託していた。
病院へ駆けつけた、耕造の娘である尚子、朋美は、小夜子の本性を次第に知ることとなる――。
結婚相談所の男と、結婚したパートナーと、死別を繰り返す女につきまとう黒い疑惑。
恐るべき“後妻業”の手口と実態。
「黒川節」炸裂、欲に首までつかった人々が奔走する。犯罪小説の手練れが、身近に忍び寄る新たな「悪」を見事に炙り出す。

こんなんじゃないけど、「弁護士のくず」や「家裁の人」にもこの問題は出てきたはず。


あと、結婚は相互に貞操義務を民法上持つそうですけど「結婚はするが、貞操義務などを持ちたくない。なんでそんな義務がいるんだ」という人もいるそうで(笑)。そういうのは「オープン・マリッジ」といって、アメリカの大統領予備選でニュート・ギングリッチ候補が妻にそれを持ちかけたというのがスキャンダル視されてましたよ(笑)

http://www.afpbb.com/articles/-/2851971
共和党候補指名争いで重要なサウスカロライナ(South Carolina)州予備選を2日後に控えた19日、同党の指名獲得を目指すニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長の元妻が、同氏からオープンマリッジ(夫婦が互いに婚姻外の性的関係を持つことを認める結婚)を要求されたと語ったインタビューが米ABCテレビで放送され、大きな波紋を広げている。
(略)
ギングリッチ氏と18年間にわたる結婚生活を送った2番目の妻、マリアン・ギングリッチ(Marianne Gingrich)さんはこのインタビューで、「彼からオープンマリッジを求められたが、私は拒否した」と述べた


これだって「多種多様な家庭のあり方」のひとつっちゃひとつじゃないかね。

でさ、別姓の問題も含めて
上に挙げた「パッケージ契約」を、そもそもパッケージ契約で結ばなきゃいけない、という制度自体が、いわゆる「多様な生き方」を阻害してるんじゃないっすかね。

・結婚はするけど、姓を同じにするというオプションは選ばないわー
・結婚はするけど、互いの財産の相続権はないってことでひとつ。


そんなふうに選んで「契約」すればいいし、ギャクにそういう「契約」を結べれば、それが同性間であろうと、近親間であろうと、一対複数、複数対複数であろうと結果的に実質上の「結婚」になる。でしょ?


それ以上の神聖な何ものか、権威や美意識としての何ものかとしての「結婚」を求める人は、そういう真善美の価値観を供給する本職である「教会」「神社」「ディズニーランド」のたぐいで供給してもらえばよろしい。


国家とはもっと無味乾燥に、上のような契約を制度として保証すればいいのだ。



…と、思うのですな。
くだくだ書いたが、端的に言うと「公としての『結婚制度』って必要なの?」という一文に集約される。

(略)

http://togetter.com/li/531566
にも転載した、大屋雄裕氏の過去の文章だが婚姻とは『(1)共同体形成機能と(2)嫡出推定機能が混在した不純契約』と言っている。

かなりの長文で、前後関係も本来は必要なのでリンク先での全文閲覧を推奨。

http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000122.html

(前略)・・・私自身は同性間の「婚姻」というのは筋の良いアイディアではないと思っている。何故なら、(日本法上の)婚姻は(1)共同体形成機能と(2)嫡出推定機能が混在した不純契約だから。同性間において(2)の機能は意味がないのだが、元々両者を結合させておく論理的必然性はなく、いわば悪質な抱き合わせ販売である。

従って(1)(2)を別々の契約類型として整理した上で、同性間だろうが多人数だろうが問題のない(1)を開放すれば良く、(2)は論理的に1対1の男女のあいだでしか成立しないのでそのような限定は維持すれば良い(生計をともにするつもりはないが特定の相手としか安定的な性的関係を持たないと決めた場合など、(2)のみを締結するパターンもあり得るだろう)。

私個人としては好いた女と所帯を持ちたいと思っているので(1)(2)をセットで購入する所存であるが、人様がどうするかはご自由ご勝手に決めれば良いと思う。つまり私は自由主義者であり、共同体の拘束を肯定するアメリカ流のcommunitarianでも日本のオヤジ保守でもないし、国家の役割を重視しているのでlibertarianでもない。まあold liberalとかtrue liberalとか呼びたまえ。(後略)


あ、自分の「結婚って結局、細かい権利の包括契約じゃないの?それを個別に選んで選択できないってのはOKなの?」
という疑問は、たぶんこの話がヒントだったんだろうな。

追記 東浩紀憲法

http://genron.blogos.com/d/%bf%b7%c6%fc%cb%dc%b9%f1%b7%fb%cb%a1%a5%b2%a5%f3%a5%ed%a5%f3%c1%f0%b0%c6%c1%b4%ca%b8
第二四条
基礎自治体は、住民の生存、生活、出産養育の支援および教育の実施など、地域共同体の運営と維持に関する事項について条例を制定し、その事務を行う。ただし、法律で国に授権された事項についてはそのかぎりではない。



引用もとがちょっと今削除されているのだが、この理由について東氏は

現24条を削った理由「婚姻という極めて私的な関係を、国民および住民から国家へ与える制約である憲法に記述することが適切でないと考えた」 

と語っていたのだという。

追記2 「みやきち日記」より


渋谷区の「同性パートナーシップ証明書」条例案についてずーっと考えてるんですけど。 - みやきち日記 http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20150228/p1

 
「賃貸物件の貸し主は、借り主(候補)が非親族同士であることを理由に入居を拒否してはならない」
医療機関は、非親族であることを理由に面会を拒否してはならない」
……みたいな条例を作った方が、よりたくさんの人が恩恵を受けられるんじゃないの? むしろ、なぜそうしないの?


平等っていうのは…(略)「誰でもジェンダー性的指向を問わず、また性愛関係の有無を問わず、住みたい人と一緒に暮らせ、会いたい人に最期に(または、最期じゃなくても病気のときに)会える」ということ……そっちを目指した方が、幸せになれる人の数が増えるんじゃないすか。

ほんと、即物的な議論としては「親子でも夫婦でもないけど、”具体的な権利”はそれらに準じるものを持つ関係」を認めればいいんじゃない?


「心から信頼しているXXXがいる。この人に手術の判断、葬式の取り仕切り、財産の分与、ビザ発給…など、家族や夫婦に準ずる権利を持ってほしい」という、そんな制度をつくる。
その中に、同性パートナーもいるかもしれない。ずっと自分や複数の法哲学者(はてなのパブリックエネミーを含む)が、同性婚とパラレルな関係だと指摘している「法では結婚を認められない、近親間のパートナー」「法では結婚を認めらられない、複数の妻や夫」などなども、ここにいるかもしれない。【友人同士、師匠と弟子、おじおばとめい、碁がたき、メル友…】がいる。
それって何か問題かね?


重要なことは、こういう形での個別契約の集積と考えるなら「通常の結婚」もこの中に呑み込まれ得る、ということ。それであって問題があるとも思えないし、あるとするなら結婚にまつわる「神聖さ」がそこにはない、ということではないかと思う。
ただ、たかだか国家の一行政制度に、そんな「神聖さ」が有ってそもそもいいのか、とも言えるわけで。