>キンコン西野、他人の不倫に怒る人「理解できない」 ブログで何度も持論「僕は人妻と...」とも https://www.j-cast.com/2017/08/09305517.html
芸能人や政治家の不倫報道が相次ぐ昨今、世間からはその都度大きなバッシングが浴びせられるが、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さん(37)はこうした「他人の不倫に怒れる人」の心理が「本当に理解できない」と疑問を投げかけた。西野さんは以前も不倫について「本来、当事者以外には1ミリも関係のないことなのに」と、騒ぎの大きさに首をかしげて…
ヤフー転載記事へのブコメだけど、そちらもヒートアップ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.j-cast.com/2017/08/09305517.html?in=news.yahoo.co.jp
氏のブログを直接見てみよう。続編もあるな
他人の不倫に怒れる人の頭の中ってどうなってんの?
2017/8/8 15:48
https://lineblog.me/nishino/archives/9292801.html
他人の不倫に口を挟む糞ブスどもへ
2017/8/9 19:55
https://lineblog.me/nishino/archives/9292981.html
んで、まー、その話は、キンコン氏の知名度や話題性には及びもつかないながら、当方の過去記事にもいろいろあるっす、と宣伝。
荻上チキ氏の話から…「家族の多様さ」を突き詰めるなら「不倫」ってなんだろう、と。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160707/p2
「世の中に 不倫なるもの なかりけり 愛も夫婦も 多様なるゆえ」 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160119/p3
「世間の誰に謝ればいいの? 内輪のことだから関係ないじゃん」は、実にリベラルな意見。「多様な愛の形があっていい」のだからそうなる - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160314/p2
「メディアリンチ」「違法性ないのに辞職に追い込まれた」という時、あの人のことも思い出してください。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160622/p1
『LGBTの次は「ポリアモリー」』とのこと。まあ「多様な愛の形」から考えるとそうなるわな… - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20151206/p1
「婚姻制度」は一種の”パッケージ契約”。それは可能か?個別契約は不可能か?そもそも「公」に定めるべきか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150222/p3
「同性婚がOKなら一夫多妻(複数婚)もOKの筈」http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150705/p2
「自治体独自の同性パートナーシップ」の思想的父(俺)が上から目線で語る、この制度のアレコレ。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150806/p2
私の提言、渋谷区で実現…同性カップルに「結婚に相当」と証明書を発行。そこから生まれる課題や論点は? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150212/p2
ユタ州「一夫多妻の権利」裁判、合法判決出たらしい…で、これが駄目な根拠ってどう構築するのよ、まじで。http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140113/p3
カソリック枢機卿のこの問いに、何と答える?&宮台真司はこう考える(同性婚問題) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121124/p3
「同性婚と同様に一夫多妻も認めろ」と結婚届が提出された…というニュースを受けての感想集 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/842981
「同性婚がOKなら一夫多妻(複数婚)もOKの筈」…やっと話題になったか。過去記事たくさんあるよ - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150705/p2
ぼくの考察がキンコン西野氏の考察を補足するなら、「既婚者が別の人と関係を持つ」そんな状態も<多様な家族と愛の在り方>のワン・オブ・ゼムではないか? それはこれまでの多くの伝統的制度や慣習、宗教では認められず、だがここ数十年で急速に普及した「同性婚」がそうであるように、という点に触れていることです。
いや、実際、「オープン・マリッジ」という、新しい?夫婦の在り方を提案する人っているねんで。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8
オープンマリッジとは、一般的に、夫婦間以外の性的な関係に対して、相互の合意の下に開かれている結婚の形。性の革命の時代1970年代に多く試みられた。
1973年にアメリカ合衆国の社会学者オニール夫妻(ネナ・オニールとジョージ・オニール)によって、夫婦が所有欲、独占欲、嫉妬心に妨げられず、自由に愛人を作れる、社会的、性的に独立した個人を認め合う結婚のスタイルを提唱した本『オープンマリッジ』が書かれ、出版された。この本は150万部以上売れ、文化に大きな影響を与えた。この愛人はサテライト(衛星)パートナーという。
でもこんな合意があるでなく、それなら不法行為じゃないか、というかもしれない(続く)
しかし、なぜそれが不法行為となるかというと上記
「婚姻制度」は一種の”パッケージ契約”。それは可能か?個別契約は不可能か?そもそも「公」に定めるべきか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150222/p3
で示したように
「結婚」とはそもそも何か。…(略)即物的にいうなら
●配偶者相続権(一)●税制・社会保障における優遇(二)●病気療養時などにおける権利・利益(三)●夫婦財産制(四)●パートナーシップ解消時の法的保護(五)●不法行為や犯罪による死亡時の損害賠償請求権など(六)●刑事法上の権利・利益(七)●性同一性障害特例法の非婚要件(八)●外国人パートナーの在留資格・帰化(九)●子を育てる権利(十)●その他家族法上の権利義務(十一)●住宅の確保(一)●勤務先からの手当支給,休暇取得など(二)●生命保険金の受取人指定など(三)●銀行取引など(四)●その他身近なサービス(五)
https://www.dropbox.com/s/smt6kosxwfs3xc0/SHIMIZU_LegalConstruction.pdf
の契約を2者が結ぶ、ということにすぎない。そしてそれには国家の後ろ盾がつく、と。
逆にいうと、国家権力が
「あなたとあなたが、好き同士で一緒になることを『国に認定』してもらいたいなら、両人は、上の契約を一括して結ばなきゃいけませんよ?」
となり、さらに
「同性同士」「近親の間」「一人と複数の異性、あるいは複数同士」では、この契約はなぜか結べない、と……
その中に、「貞操義務」が理不尽にも入って…入って…いないな!!!
https://avance-media.com/rikon/3285429/
しかし、意外にも民法の条文として、夫婦には貞操義務があることを明言した条文はないんですね。やったー、それなら浮気しても全然問題ないじゃんって思ったそこの人、甘いですよ。確かに夫婦に貞操義務があることを明言した条文はない代わりに次のような条文があります。
民法770条1項、夫婦の一方は次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。1号、配偶者に不貞な行為があったとき。
そうなんです、貞操義務違反行為つまり不貞行為は離婚原因として民法上定められているんです。つまり、不貞行為が離婚原因になるから、夫婦には貞操義務があるんだという論理の流れになっているんですね。
http://rikon-tj.jp/readme/38/
【貞操義務】
同居義務(配偶者以外と性交渉をしないという義務)は条文があるのですが、なぜか貞操義務には条文がありません。戦前には、この義務は妻にだけあるとされていましたが、今はもちろん双方にある義務です。この義務が認められることにより、浮気は不法行為となるわけで、配偶者や不倫相手に慰謝料を請求できることになります。
「離婚申し立ての理由になる」のと「不法行為」はまた別かと思うし「不貞な行為」というのを法律で定義し得るのか、というのも、それはそれで面白い論点だが、また別の話として……ともあれ、そういう条文や解釈を含む制度としての「結婚」を国が人々に押し付け、「それらの条項も認めた上でのパッケージ契約を結ばないと、夫婦としての地位を認め、利益を与えてあげませんよー」とオドしているから、思想的にはオープンマリッジの人でも、日本国民法内での「結婚」をせにゃならず、他の人と関係を結ぶと<不貞>になってしまうわけ。
「不倫は不法行為じゃないか、だから悪なんだ」というロジックは、少々この前提をアプリオリに受け入れすぎているような気がします。
ということで「不倫は悪か、そうじゃないか」は極めて法哲学的なおもしろ議題だと思っていて、当方は以前から遊ばせてもらってます、という話をキンコン西野氏の話題が出たところで紹介させてもらいました。