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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

アフガニスタンは「帝国の墓場」である、という歴史を示す一枚の風刺画

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アフガニスタンは”帝国の墓場”である

もとはここ


「帝国の墓場」とは、別に中二病的感性で俺が命名したとかではなく、ちゃんと読売新聞が記事の編注として示すぐらいに定着した用語のようだ。

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英語の用法「Afghanistan is the graveyard of empires」

In the first place, Chinese officials will likely come to regret making Pakistan, in their words, the “flagship” of the Belt and Road Initiative, with some 40 projects, valued at an estimated $25 billion, under way there. Beijing believes that it can succeed in transforming the country after Washington has struggled for decades there. But it shouldn’t count on it.

In the 1950s, Western economists arrived in Pakistan and tried to help the newly independent country fashion a long-term development plan. But as poorly coordinated aid poured in, Pakistani officials resisted setting priorities and making difficult reforms. “When I went to Pakistan, I had the $60 million to spend and no plan, no program, nothing,” recalled John Bell, who oversaw U.S. foreign aid to Pakistan in the mid-1950s. Asked for a list of priorities, the head of Pakistan’s Economic Planning Ministry replied, “No, we need everything, we need everything.”

Intended to last 18 months, the foreign advisory mission launched more than a half-century ago essentially never ended. Eventually, the World Bank stepped in as well, and over the years, the U.S. has provided Pakistan with more than $80 billion in aid. Last year, the International Monetary Fund bailed out Pakistan for the 22nd time. If neighboring Afghanistan is the graveyard of empires, Pakistan is the black hole of foreign assistance.(※アフガニスタンが「帝国の墓場」なら、パキスタンはさしづめ「援助のブラックホール」である)

The Imperial Overreach of China’s Belt and Road Initiative - WSJ

シャーロック・ホームズのワトソン医師も、この「墓場」からの帰還者

我等がシャーロック・ホームズの忠実な友人にして伝記作家であるジョン・H・ワトソン医師も、軍医としてこの墓場に赴いた一人であり、極めつけの苦労をした。…その苦労が、2人の出会いをもたらしたのだが。

元軍医局

ジョン H. ワトソン医学博士

回想録からの復刻

第一章

シャーロックホームズという人物

1878年、私はロンドン大学で医学博士号を取得し、続いてネットレイ軍病院で軍医となるための所定研修を受講した。研修が終わると、すぐに軍医補として第五ノーサンバーランド・フィージリア連隊に配属された。このときすでに第二アフガン戦争が始まっていたので、連隊はインドに駐留していたが、ボンベイに上陸してみると、連隊はすでに狭い山道を越え、敵地深くに進軍していることがわかった。同じ船でついた大勢の将校に交じって、後を追い、やっとカンダハールまで、無事に到着し、そこで自分の連隊を見つけ、すぐに軍医としての任務についた。

この戦争で勲章と昇進を得た軍人は多かったが、私には不幸と災難でしかなかった。私は自分の旅団からバークシャー連隊に転属させられ、マイワンドの宿命的な戦闘*に参加することとなる。この戦闘中、ジェゼイル銃で肩を撃たれた。弾丸は骨を砕いたが、さいわい鎖骨下動脈はぎりぎり外れていた。もし、同胞愛の強い勇敢な看護兵マリがいなかったら、私は残忍なガジス*の手に落ちていたに違いない。彼はすばやく私を荷馬の背に乗せ、イギリスの防衛線まで無事に運んでくれたのだ。

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傷の激痛に加え、長引いた戦闘の苦難に体力を消耗していたため、私は戦線を離脱し、多数の負傷兵の一員として、ペシャワルの兵站病院へ送られた。病院生活で体力はやや回復し、病棟のまわりを散歩したり、ベランダで軽く日光浴ができるくらいになっていた。そんなとき、私は腸チフスにかかった。イギリスのインド占有の呪いのような病気だった。何ヶ月間も生死をさまよい、助からないと思われていた。しかし、ついに意識が戻り、最悪の状態を脱したとき、医事委員会は、やせこけて消耗しきった私を即日、本国へ帰還させることを決定する。これにより、私はすぐさま軍隊輸送船オロンテス号へ送られ、その一月後、ポーツマスに上陸した。私の健康状態は、取り返しのつかない状態だったが、政府の温情により、健康を回復するため、九ヶ月の休暇が認められた。

私はイングランドには知人も親類もいなかった。そのため私は空気のように自由だった、・・・いや、一日11シリング6ペンス*の収入が許す限り自由だった。こういう状況だったので、私は自然にロンドン・・・そこはイギリスでとくに仕事のない人間が、どうしようもなく流れつく巨大な汚水曹だ・・・、へと引き寄せられた。ロンドンに来てしばらくは、ストランド街のプライベートホテルに泊まり、許される限度をはるかに越えた浪費をしながら、わびしく無目的に生きていた。すぐに生活資金が底をつきはじめ、ロンドンを離れて地方に行くか、生活スタイルを完全に変えるしかないことに気づいた。私はロンドンに残ることにし、ホテルではなく、もっと質素で家賃の安い住まいを見つけようと決心した。


この決意をした日、私はクライテリオン・バーに行ったのだが、そこで誰かに肩をたたかれた。振り返ると、それはバーツの病院で私の助手をしていたスタンフォードという男だった。孤独な人間にとって、ロンドンの大いなる荒野で、なじみのある人物と出会うほどうれしいことはない。スタンフォードと私は病院時代、さほど親しくはなかったが、このときは彼に出会えたことを心から感謝した。彼も、再会を喜んでいたようすだった。あまりにうれしかったので、ホルボーンで昼食を食べようともちかけ、いっしょに馬車に乗って出かけた。

「ワトソン、いったいどうしてたんだ?」馬車が混雑したロンドンの通りをガタガタと通るとき、彼は心から驚いた顔で、こうたずねた。「ひどくやせこけて、どんぐりみたいにまっ黒じゃないか」

私は自分がどんな目にあったか、ざっと説明したが、馬車が到着しても、まだ話は終わっていなかった。

「それは、えらい目にあったな!」彼は私の不幸な話を聞き終わると気の毒そうに言った。「今はどうしているんだ?」

「住まいを探している」私は答えた。「手ごろな値段で住み心地の良い部屋を探しているんだが、なかなかいい物件がなくてね」

「それは、おもしろい偶然だ」彼は言った。「今日、まったく同じ言葉を聞いたばかりだ」

「最初に言ったのは誰なんだ?」私はたずねた。

「病院の化学実験室で実験している男だ。今朝、いい部屋を見つけたが、自分の収入では高すぎるし、家賃をシェアする相手も見つからないと、なげいていた」

「本当か!」私は叫んだ。「その男が部屋と家賃をシェアしたいのなら、僕はぴったりだと思うよ。ひとり暮らしより、同居人がいる方が好きだしね」

スタンフォードはワイングラスごしに、ちょっと奇妙な視線を投げかけた。「君はシャーロックホームズを知らないからな」彼は言った。「知れば、ずっと一緒にいたいとは思わないはずだ」

「なぜだ。そんなに同居に向いていない男なのか?」

「いや、そこまでは言っていない。彼はちょっと妙な考え方をする、 ―― 科学の特定の分野に熱中している。僕が知る限り、十分まともな男だ」

医学生なんだな?」私は言った。

「いや、・・・・彼が何をやろうとしているのか全然見当がつかない。解剖学に詳しく、第一級の化学者だと思う。しかし僕の知る限り、体系だった医学の授業は全然受けていない。彼の研究は極めて気まぐれで意味不明だ。しかしおかしな知識をいっぱい吸収していて、彼の教授でも仰天するかもしれない」

「将来計画を、きいたことはないのか?」私はたずねた。

「いや、簡単に口を割るような男じゃない。ただ、変なことを思いついて話しだすことはあるが」

「ぜひ紹介してほしい」私は言った。「どうせ同居するなら、勉強好きで静かな生活習慣の男がいい。僕はいま、騒音や刺激に耐えられるほど元気じゃない。アフガニスタンでさんざん味わってきたから、死ぬまでごめんだ。どうやったら彼に会える?」
221b.jp

この設定からのスピンオフが、いろいろあるわけだ。代表作が…





だが、この前も書いたが「そもそもこうやって帝国がお帰りになると、満を持して内戦を始める」のがデフォルト。
・・・・・・・・・なんだが、今回は少なくとも政権を握るまでは、犠牲を極力少なくするために調略を用いているな?おのおのがた、ぬかりなく。


しかし、この危機に際し、父の遺志と闘志を受け継いで抵抗を続ける者がいる。
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青葉茂れる桜井の
里のわたりの夕まぐれ
木(こ)の下陰(したかげ)に駒とめて
世の行く末をつくづくと
忍ぶ鎧(よろい)の袖(そで)の上(え)に
散るは涙かはた露か