ありゃ、既刊までの展開は知ってるが、日の沈まぬ帝国の本拠地、女王陛下のおわす…この時期も女王だよな? まあそこに戻ってきちゃったか。これどうなるのかね。
階級意識に凝り固まったライミ…いやいや大英帝国の紳士淑女の皆さまが、簡単にその結婚を認めるとは思わぬ……というのが一般的な予想だろうが、
シャーロック・ホームズの「幸福な大失敗事件」として知られる「黄色い顔事件」を思い出したりもする。
黄色い顔
[特異な才能に恵まれたホームズは、膨大な数の事件において、我々をちょっと奇妙な劇の観客にし、遂にはその舞台に登場させたりもしてきた。これらの事件の中から短編記事を出版する際、私がホームズの失敗より成功にこだわるのはごく当然の成り行きである。だがこれは、ホームズの名声を守ろうとするからではない。実際、ホームズが万策尽きた時というのは、彼のエネルギーと多様な才能が最も優れて発揮された時でもあるのだ。しかし失敗した場合、代わって他の誰かが成功できるということはまずなく、物語には永遠に結末がない状態となってしまう。しかしホームズが失敗したにもかかわらず、偶然真実が明らかになった事件もある。私はそのような事件を六件ほど記録しているが、マスグレーブ儀式事件と、これから詳しく語ろうとする事件の二つは、その中で最も興味深い特徴を備えているのである]
(略)
グラント・マンロ氏が沈黙を破るまで、長い10分が過ぎた。そしてマンロ氏が答えを出した時、それは私が思い出して心が温まる瞬間の一つだ。マンロ氏は・・・(後略)
というか、俺はこのスミス氏が、どうもシャーロック・ホームズの偽名ではないか、という疑いを少々持っているのである。
そうでなくても、おそらくはMI6の指揮命令下にあって中央アジアを調査研究、敵中横断三百里を成し遂げた人間であることはほぼ疑いがないところだ(根拠はないが断言。)