<おことわり>
毎日新聞の全国世論調査は4月まで家庭の固定電話と個人の携帯電話に調査員が電話をかける方式で実施してきました。しかし、コールセンターで多数の調査員が作業する環境は新型コロナウイルスの感染リスクが指摘されるため、感染終息が見通せない中でこの調査方式を続けることはできないと考えています。毎日新聞が社会調査研究センターと23日に実施した全国世論調査は4月8日、5月6日に続き3回目となります。こちらは自動音声応答(オートコール)と携帯ショートメールの機能を使うため「3密」環境での作業は生じません。
コンピューターが無作為に数字を組み合わせた番号に電話をかけるRDS法を用いる点は従来調査と変わりません。回答者の年代構成など安定したデータを得られることが確認されたので、今後は社会調査研究センターの調査方式に切り替えていきます。
mainichi.jp
この話、出た数字の話なんてのは、一内閣の話なんで上がっても下がってもどうでもいいわ(連続性の問題もあるし)。それ以上に
「個人の携帯電話に調査員が電話をかける方式」
を完全に
「自動音声応答(オートコール)と携帯ショートメールの機能」
に切り替えて、しかもそれによって、別に問題が発生しない、信頼性も低下しない…となったら。世論調査というものにあったハードル
「お金と人出と手間がかかる。ゆえに、大手メディアや研究機関か、広告代理店か政党ぐらいしかできない」
という、制限が撤廃されるのでは?ということです。
こういう機能の簡単な機械か、アプリとかできない??誰かトライを。
「携帯505件・固定514件の計1019件の回答を得た」
回答数や回答率と、信頼性に関してはこちらを参照。
webtan.impress.co.jp
とりあえず、こういう機能があればいい。
・ランダムに電話番号を発生させて、そこに電話とショートメールでアクセスする。
・つながったら、自動音声で世論調査の質問を発する。(回答はたぶん「支持する人はボタンの『1』を、支持しないひとは『2』を押して」などでやっているのだろう)
・それを記録する
・・・・・・・・・・・・というのが、できればいいのだろう。
実はそれだけですまないノウハウはあるにはあるが、その手続きなどはそれほど機密なことでも、また誰もマネできない話でもない。
その種の修整は可能なのである。
これをスマホにインストールし、質問を登録すれば、自動的に行えるようなアプリ、あるいは装置というのは作れるのでしょうか?たぶん作れると思うのだけど、詳しい人の議論を待ちたい。
そして、そのような形で世論調査が、そのアプリを使えば、一定程度の電話料金負担に耐えられるような個人・団体ならどこでもできるようになれば……
その結果、1日に数千件以上の「世論調査」が行われるようになるかもしれない。みんなのスマホに、ランダムに発された、大手新聞社かあやしげな「個人」かわからない、世論調査の依頼が1日数件かかってくる(笑)
そしてその内容も「きのこの山とたけのこの里のどちらを支持するか」「仮面ライダーがバイクに乗らないのはありか」「いまの新日本プロレスはストロングスタイルといえるか」など、暇人の興味にあかせたどうでもいい質問が急増する(笑)
「電波の城」から2画像。
・これまでの既存メディアの優位は「必要なインフラが大規模で、誰でも参入できるものではなかったから」に【すぎない】。
・もしその前提が崩れ「誰でも参入できる」ものになったら、既存側の優位はあっという間に崩れる。
そんなディストピアか、あるいはユートピアは近い。まあ、近い所であっても、人がそこに行くかどうかはわからんけどな。
そして世論調査と言えばコレ
つなげてみるか(笑)
黒川検事長の賭け麻雀辞職について問う項目は、「当然だ」「懲戒免職にすべきだ」「辞める必要はない」「わからない」からの4択。懲戒制度はいろいろな処分がある中で、「懲戒免職」のみを挙げている質問設定が、かなり誘導的。世論調査のやり方としていかがか。 https://t.co/qqJay62k3Q
— Shoko Egawa (@amneris84) May 23, 2020
追記 やはり菅原琢氏がこれについて語った
今の毎日新聞の世論調査は、オートコールとSMSを合算して、他社の調査と似た数字が出てくるっていう高速安上がりの方法なのですが、政治に関心がある層が答える分、そのときどきの状況に敏感に反応しすぎるきらいがあるのではと予想しています。
— SUGAWARA, Taku (@sugawarataku) May 24, 2020
※以下ツリーになっています。
@sugawarataku
さん
以前のツイートSUGAWARA, Taku
@sugawarataku
· 5月8日
話題の下記調査について確認したけど、携帯のみだからか実施者の報告ページに結果が掲載されていない。https://ssrc.jp/blog_articles/20200507.html
SUGAWARA, Taku
@sugawarataku
·
21分
こういう方法だとどうしても回答者に高関心層が多くなるうえに、そのときそのときの話題に反応して回答者の範囲がズレるような感じなのではと予想しています。たとえば政権批判が高まっているときには政権批判の声が早めに回収されるイメージ。
できれば過去半年分くらい並行して調査して、傾向が似ていると示したうえで導入したほうがよかったとは思うけど、切り替えはカネの問題なのでしょうから、当然そうしたことは期待できないでしょうね。
— SUGAWARA, Taku (@sugawarataku) May 24, 2020
関連で出てきたこれもおもしろかった
hatebu.me
※そしてブクマへ
ブクマからの話の続き
id:netcraft3 言及ありがとうございます。世論調査のアプリ化は世論調査アプリをインストールする集団がかなり偏っているのでバイアスが出てくるかと思います。それが克服されればベストだと思います。
gryphon 世論調査は、大手メディアに残された数少ない「聖域」。だが技術の進歩で「誰でもできる」ようになったら?/(※ここからが追記です)id:netcraft3 様 疲れて1行しか言及できませんでしたが大いに参考にしました。(続きを本文中に追記へ)
まず、最初に、イメージの伝え方の失敗だけど、自分の言ってたアプリ開発は、世論調査の回答側がアプリをインストールするわけじゃなく(そうすると偏りが、「アプリを入れる」段階で生まれてしまうのはまさにその通りで、今のネット投票とかと同じ)そのアプリを携帯に入れると、「ランダムな番号選択で電話かけるかSMS」→「出た人に自動音声でアンケート捕る」→「その集計」を自動でやってくれるようなアプリ(笑)。受ける方は普通の人々です(笑)
世論調査は、今現在も「世論調査をお願いしますと言われてOKする、という時点で、抽出された層が偏っているんじゃないか?」という大ジレンマの克服に苦労していて、それがこんな過去記事になっています。
m-dojo.hatenadiary.com
このへん(10年ほど前)から書いていた・:‥
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ところで
リンクしたやつは、自分が記事を最後の方まで書いて疲れたので「おもしろかったです」みたいな幼稚園的感想になってしまったが、力作なのです
かつてNHKが「世論調査に対する世論調査」なるものをしている、という話が興味深い
世論調査について以下の質問で「そう思う」から「そう思わない」までの五段階の意見を聞いています。
1 世論調査は人々の意見を公平に反映している
2 世論調査の結果はマスメディアに操作されている
3 世論調査の結果は政治家に操作されている
4 世論調査の結果には納得がいくことが多い
5 世論調査は多様な意見を伝えてくれる
6 政治家は世論調査の結果に敏感であるべきだ
7 重要な政策の指針は、そのときどきの世論調査の結果にあまり左右されないほうがよい
回答が・・・・・・・・
そして、記事のメインテーマであった「世論調査が携帯にかけるようになったことで変化はあるか?」という話、…これは数年前に大手のすべてが切り替えたのだが…
自分はその切り替えが起こる前から、ずっとこんな小さな話題で記事を書いていた。ある意味で貴重な資料な気がするのでリンクします
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「新聞社の論調が数字に影響?」「携帯電話の未調査は結果を歪める?」―政治学者・菅原琢氏が、世論調査への問いに答える - Togetterまとめ https://togetter.com/li/876385
世論調査の対象に「携帯電話」が加わって・・・体験談や変化に関するまとめ - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1076207