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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

やっぱり存在した「自動世論調査機械」。これを有効利用して「世論調査」をネットメディアが始める日

日付を切り抜くときに付け忘れて正確な日付はいえないが、ここ1週間以内の朝日新聞記事。
「政態拝見」という同新聞の政治コラムに書いているのは「峰久和哲」という方で、世論調査の神様とも言われている人だそうだ。
http://www.election.ne.jp/planner/62999.html

で、この新聞のコラム趣旨は「安部政権の郵政議員復党で潮目が替わって以降、自民党がここで解散すれば優位に立つという時期は無かった」という話なのだが、その中で個人的に興味があるのは本論より、『自民党本部は2003年から「オートコール」という機械を使って世論を調べている』という部分だ。

http://d.hatena.ne.jp/gyogyo6/20090719/autocall
から孫引きする。

・・・自民党選対は、世論の動向をつかむ材料のひとつに「オートコール��を使っている。ランダムに電話をかけ、��ッシュボタンで回答してもらう形式。

10人のうち9人に「ガチャ切り��され、世論調査と名乗るのはおこがましい機械だが、データの蓄積をもとに、��米氏は有権者の意識の変化を知る手がかりとして使いこなしてきた

麻生総裁誕生直後に、このオートコール調査を行った。集��結果は獲得予測議席自民党220、民主党210。回答者は在宅率の高い人に偏りがちなので自民党の支持率は実態以上に高くなってしまう。その偏りを修正して算出すると・・・

朝日新聞をはじめとする本格的な世論調査はどれぐらいの割合で「ガチャ切り」されるのか、そのへんのことが分からんのだが、「麻生総裁」の誕生直後の調査数は、30万サンプル!だったという。

そのコストがどれぐらいなのか。
それは教えてくれないのだが、10件のうち9件がガチャ切りなら、1万件自動的にかければ1000件の回答が得られるわけだ。
うーん、素人がお小遣いの範囲でやる、というのはちょっと難しいだろうが、それでもえらくお安く、世論調査(と呼ぶのもおこがましいが意識の変化を知る手がかりになる?)の結果が得られるということだ。

機械とかに強い人は、こういうのを自力でつくって、自分で「世論調査」をできちゃうかもしれない。現在「世論調査をやっている」のは既存大メディアの優位性。だが、それを侵食していくかもしれません。これ、何度も書きましたが、記事をきっかけにあらためて書いておきます。

「オートコールとは」

ということで「オートコール」を検索してみたら、いやおどろいた。今はそういう機械が売ってるというより、そういうことを代行してやりますよ、という中小企業がひしめいているのですね。

この会社なんかおもしろいよ。
http://www.fujisangyo.net/content01/

現在でも、営業マンまたはオペレーターが一軒一軒電話をかける営業のやりかたがあります。
しかし人間の電話は、どちらかというと「迷惑電話」と思われる傾向が強くなっています。
「オートコール」は、コンピュータが電話をかけるので、受けた方も「いつでも切れる」ことから気軽に対応でき、率直な意見を得られる特徴があり、新しいマーケティング手法として成長しています。

こっちのほうが有利だという。一理あるかも。


さらに検索してみると、今回のは
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY200811280175.html
の記事の補遺的なものだとわかった。

久米がオートコールを知るのは96年。1台、最高1千万円。20台余りが一斉に動き、いつでも全国調査できる態勢を03年総選挙前にこしらえた。

 オートコールを開発した会社「ジー・エフ」は東京にある。バンダイで「機動戦士ガンダム」のプラモデルを大ヒットさせた仲吉昭治(なかよし・しょうじ)(66)が、91年に起業した。

 いま社長の岡田博之(おかだ・ひろゆき)(44)はいう。「もともとは、中小企業が格安で市場調査できる機械としてつくったんです」

 ところが、その1号機を買った仙台の家具店から転職してきた野沢高一(のざわ・こういち)(49)が「選挙に使える」といいだした。中学時代は「選挙大好き少年」。開票速報をみて、自宅の壁の候補者一覧に紙を丸めた「花」を飾ったりした。

 野沢はオートコールを自民の候補に売りこんだ縁で、久米を知る。「そんなもの、世論調査といえるのか」。久米は半信半疑だった。野沢はふり返る。

 「世論調査の名に値しないことは私にもわかっている。でも繰り返し使えば、当選への強力な武器になると久米さんをくどいた。ただ、今のように300小選挙区を調べ尽くすなんて、思ってもみませんでした」

    ◇

 05年「郵政解散」総選挙。

 自民党参院議員世耕弘成(せこう・ひろしげ)(46)は選対会議でオートコールの数字を見つめていた。当時の首相小泉純一郎(こいずみ・じゅんいちろう)(66)が遊説に入れば、数千票の劣勢は逆転できる。そんな選挙区はどこか。

 NTTの広報部門にいた世耕は、政治家が独りよがりにならないために世論調査を大切にする。「国民の声を精密に聞く道具。政治が影響を受けるのは当然だ」。オートコールとは別に政策の世論調査をした。

 このとき首相政務秘書官だった飯島勲(いいじま・いさお)(63)は、じつはオートコールの結果を小泉に見せていない。「調査がどうあれ、郵政法案が否決されたら解散、と小泉は決めていたから」

    ◇

 いま自民党はオートコールを候補者公認の判断にも使う。久米は「形勢好転の兆しはないか」と、ほぼ2週間おきに勝負どころ22選挙区を調べ続ける。

 「ジー・エフ」の岡田や野沢も「選挙特需」に忙しい。与野党議員らから打診がくると、すぐさま本人の選挙区で100サンプルほど調べ、それを「おみやげ」にセールスに行く。

ふうむ、たぶん開発会社があるとしたら、特許を取っているだろうからおいそれとは真似できないのかな。それに最高1000万円じゃあやはりお高い。
キモは
・「電話をランダムにかける」
・「電話に出たら自動的に音声が流れる」
・「答えは番号に割り振り、『はい』なら1を、『いいえ』なら2を・・・」とやってもらい自動集計する

ということなんだろうけど、こういう工夫もやっぱり特許となっているのだろうか。
2008年11月28日からの朝日新聞「ニッポン人脈記」は世論調査がテーマだった、と今メモしておこう。

〈民の心を測る〉

首相も縛るオートコール
「その顔、変えてください」
日本愛したパッシン先生
かきまぜて味わう「巨人」
いざ選挙 紙面が戦場
曲げぬ数字 漢字救った
五輪ボイコット その裏で
みんな中流? 定期診断
信用危うし ウソと苦闘
宝の山 みんなで使おう
生の声「認知症」へ改めた
われら ネットの申し子
政権の運命 数字が予言