社説 毎日新聞2017年1月3日
歴史の転機 トランプ政権と世界 米国の力 平和に生かせ
http://mainichi.jp/articles/20170103/ddm/003/070/080000c
…「徳」を失った国は孤立するという、身近な教訓を忘れてはならない。たとえば1991年の湾岸戦争で、ブッシュ父政権がイラクに占領されたクウェートを解放した時、中東イスラム圏の国々は競って米国に接近した。軍事力への恐れではなく、国連安保理決議に従ってイラクと戦い、クウェート解放後は整然と軍を撤収させた米国への憧れからだ。
その結果、イスラエルとアラブ陣営の和平機運も生じたが、この「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」を台無しにしたのが、息子のブッシュ政権だった。大義なきイラク戦争で米国の信用は地に落ちた。
過激派組織「イスラム国」(IS)の「共同創始者」はオバマ大統領とクリントン前国務長官−−。トランプ氏は選挙中、呪文のように繰り返した。だが、イラク駐留米軍の早期撤退がISを生んだというなら、先制攻撃でイラク戦争を始めたブッシュ政権の責任は、もっと重い。
と、子ブッシュ政権批判…ひいてたトランプ新政権への懸念のマクラとして挙げたのだけれども、にしても昨年、勃発からちょうど四半世紀となった、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ(父親のほうね)の指導した湾岸戦争と、その成果を
「徳」
「中東イスラム圏の国々は競って米国に接近」
「米国への憧れ」
「結果、イスラエルとアラブ陣営の和平機運も生じた」
「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」
と、この社説は評する。まあ、…「べた褒め」ですよね。
ただ…自分も実は、少々記憶があるのだが、とりあえず当時、あるいは戦争後数年間の論調で、このように日本の新聞社説で評された、のは、当時の記憶にない。
当時の社説も、調べれば見つけるのはけっこう簡単だろうけど、記憶を頼りにいえば、大方の社説は、開戦や戦争自体を批判的にとらえていたんじゃないかな。
戦争や歴史の評価は、やはり25年、26年たつと大きくかわる…、ということでしょうか。
そんな、メモ代わりに。