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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

秋山成勲、43歳の戦いは? abemaTVで無料配信/堀口は最大の難敵と再戦(DAZN)

この前パンクラスで、近藤有己郷野聡寛の、3回目の直接対決が組まれました。
AbemaTV でも、プレミアム会員になれば今でも動画が見られるようです。

abema.tv


PRIDEで行われた再戦も悪い試合ではなかったが、なんといっても「近藤vs郷野」は初戦が伝説の名勝負。
郷野が立て続けにパンクラス正規軍を撃破し「もう日本には相手がいない、外国人との試合を組んでくれ」とマイクアピールをした後、最後の切り札として近藤有己との試合が決定。当時はまだ珍しかった TRASH Talk を積極的に仕掛けた郷野だったが、近藤の打撃に返り討ちとなり、パウンドの雨の中、セコンドの菊田早苗が真っ白なタオルを投げて TKO 決着となる…といったシチュエーションがいちいち完璧だった。本当に日本総合格闘技史の中で特筆されるべき名勝負だったと言えましょう。
そこから10何年して、スタミナも考慮して3分3ラウンドとなった同一カード……。 両者スタンドで牽制しながら、やや膠着気味での戦いとなり、近藤が判定をものにして郷野との勝敗を、通算2勝1敗としたこの試合は、間違いなくノスタルジックな記憶の遺産がなければ凡戦であったろうけど、実際に見ていた私としては2019年上半期の中で、非常に印象に残る試合であったことも間違いない。


当時感想書ききれなかったので、この機会に前振りをしたわけだけど、本題はここからだ。近藤有己郷野聡寛も、まだ40代前半だ。ただし実年齢以上に、総合格闘技を始めた磁器と、通算の試合数というものが重要らしい。
そんな中、彼はどうだろうか。
そう秋山成勲である。本日、ONE CHAMPIONSHIP のデビューを飾る男である。
43歳。
改めて彼のキャリア、戦士を語る必要はあるまい。
道家からHERO'Sで総合に転身、HERO'Sのエース候補として、当初はいくつか無茶なマッチメイクなどもあったが、おしなべて大事に育てられ、節目節目では 強敵も撃破。 その実力を認めないものはいないが、その一方でかの「ヌルヌル事件」は、あまりにもインパクトが大きかった。うちの親族にも、総合格闘技の「そ」も知らないが、秋山成勲という名前を聞けば、「ああ、あのヌルヌルの?」と即座にかえってくる人がいて、こっちが驚くがな。言い換えればそれほど「世間で知られている」存在、日本総合格闘技の短い黄金時代である「0年代前半」を彩った光と影のスターである。

UFC でも、結局トップグループには入れなかったが、それなりの健闘を見せ、山本キッド徳郁と同様「今現在の実力はともかく、ある国(この場合は日本および韓国)のカリスマやシンボル的な意味合いとして、UFCが参加に置いておきたがる」存在となっていたであろう秋山が、その契約を自分から申し出て解除、参戦したのがONEチャンピオンシップであった。


さてどうだろうか。
煽り映像で見る限りは、とにかく肉体の維持はすごい。近藤や郷野には「ちょっと見習え」と言いたくなるぐらいだが(笑)、ただ20代の現役バリバリの頃から、とりかく秋山のマッチョな筋肉は特異だったので、あまり比較できないか…「実年齢より、総合格闘技を始めた年齢と通算試合数が重要だ」という話で考えれば、適切な試合間隔を置いていたぶん、消耗も少ないかもしれない…。そういう点では期待できるのかもしれないが…
headlines.yahoo.co.jp


ここで印象に残るのがほぼ同世代の、今年引退したMLBイチローだ。
ある時期は、「球場で全打席無安打のイチローを見るほうが難しくてレアだった」という不世出の天才ベースボールプレイヤーが、40代を迎えて、それこそ秋山同様に、体型にはいささかの崩れもないのに、今年は開幕から、本当にヒットを打つのにとてつもない苦労をしていた。最後の花道となるべく設けられた、日本での試合でも、本人もファンも待ち望んだたった一本の安打を打てず、最後に全力疾走した一本も、タッチの差で内野安打とすることはできなかった。
引退に臨んで望んで多くの論評があったが「筋肉は衰えなくても、反射神経と動体視力はやはり年齢によって急激に低下する。ここを維持できないから野球選手は引退せざるを得ない」という話が印象に残った。

…そしてこれは、パンチとキックが認められている総合格闘技にも関係しているのかもしれない……。でもムエタイやキックボクシングは比較的年齢が高くても強い選手は強い気もするしなー。どうなんだろう。

そんなことを思いながら、今回の秋山ONEデビューを見る。

自分もヌルヌル事件のことは、当然忘れようとも思わないし実際忘れていない。そんな複雑な思いはあるんだけれども、それでも気になるわな。

無料配信です。 「総合格闘技は、昔は大晦日によく見てたなあーー。今は何やってるか知らないけど」というような人でも、まあ見てやってください。




abema.tv



そして逆に今が全盛期中の全盛期な堀口恭司

DAZNで見られる人は少ないだろうけど、見られる人は必見ですね。
これこそまさに2018年の大晦日地上波にて放送された、あの名勝負の再戦なんです

とにかく今波に乗ってる、ほぼ無敵と言っていい堀口が、 かなり追い込まれたと言っていい試合が今回戦うコールドウェルとの初戦。この相手は打撃も確かにするといいけど基本はレスリングベースで、空手出身の堀口がテイクダウンを奪われ上になれる可能性というのも非常に大きい。この前はリングだったが今回はケージだ。

ただしケージはリングと比べると円形に近く、 広さも相当あるはず。堀口本人も「自分はケージの方がやりやすい」と語っているし、そもそもテイクダウンの耐性という点では、堀口も相当なものである(だから初戦は驚きであったのだ)今回はどうなのだろうか、純粋に興味深い。

しかし、この体格差…(相手は減量がうまいのだろうな)



午前11時あたりから、やるそうだ。
DAZN有料配信


プレリム(前座)の試合はyoutube無料配信で、REENAも出場することは別記事の通り。
このリンク(朝7時半からやってる。レーナは8時半以降かな?)

www.youtube.com

GONG(ゴング)格闘技 2019年7月号

GONG(ゴング)格闘技 2019年7月号


RENA結果


【まず紹介のみ】明日15日は海外で秋山成勲、堀口恭司、RENAらの試合があるんです





www.youtube.com

さすがに大一番なので、感想や分析なども加えて紹介したかったのだが、諸事取り紛れているうちに、あすの試合になってしまったので、とりあえず告知だけしておく。
感想は書ければこのあとにでも。

イランを敵視する『特攻野郎Bチーム』があるらしい(※…ごめん「特攻野郎」は俺が加えた)

今回のタンカー襲撃に関する報道の中で見つけた。

wedge.ismedia.jp
「イランが挑発行動を起こすといった情報はすべて“ためにする”リークだ。信頼すべき情報の出所がイスラエルだというのも怪しい。ボルトン、ビビ(ネタニヤフ・イスラエル首相の愛称)、2人のビン・ムハンマド(サウジアラビアアブダビ首長国の両皇太子)の“Bチーム”が暗躍しているのではないか」。

 “Bチーム”とは反イランの4人の名前の頭文字をもじっての呼び名だ。

f:id:gryphon:20190614102355j:plain
イランを敵視するBチーム
だれがうまいこと言えと。だがけっこう世界は「うまいこと言った」がゆえに動くこともある。


「特攻野郎Aチーム」The A team(1983年1月~1987年3月 米TVドラマ) - OP

The A-Team Full Theme Tune

亡き父が、土曜の午後に昼休みでいったん自宅に戻り、楽しみに見ていたのを思い出す

「安倍政権下で、韓国の『対日印象』が劇的に改善される」(朝日新聞が報道)……※ではあるが

うそのような
ほんとの
はな
し。

digital.asahi.com

 日韓が互いの国に「良い印象」を抱く割合は、韓国では過去最高なのに日本では過去最低――。2013年から両国の民間機関が毎年実施してきた世論調査の結果から、そんな認識の違いが明らかになった。徴用工問題や往来者数の増加が影響しているようだ。

 日本のNPO法人「言論NPO」と韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が12日、都内で記者会見して、調査結果を発表した。5月中旬~6月初旬に調査を実施し、約1千人ずつ回答を得たという。

 日本で韓国の印象が「良い」と答えた人は過去最低の20・0%。最も高かったのは13年の31・1%だった。一方、韓国では過去最高の31・7%が日本の印象が「良い」と回答。13年の12・2%が最低値だった。
(略)

 昨年は互いの年間往来者数が1千万人を超えており、言論NPOの工藤泰志代表は「韓国では交流の深化が対日感情の悪化を吸収できた」と話した。

ファクトとして、2007年に一度退陣したあとの、いわゆる第二次安倍政権(改蔵も含めて)は、現在にまで至るわけですが、発足したのは2012年(平成24年)12月26日。
「言論NPO」と韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が、調査を始めたのが、くしくもこの第二次安倍政権の期間に重なると。ちなみに韓国は2013年2月24日に、李明博氏が第17代大韓民国大統領を任期満了で退任。その後、朴槿恵政権と、弾劾による退陣を経ての現文在寅政権に至る。



…と、いうことは、いわば見出し的にとらえると「安倍政権下で、韓国の対日印象が劇的に改善」されたっちゅーわけです。


ただ、言わでもだが、これは別に因果関係で、安倍政権が因、韓国の対日印象改善が果、ということはいささかも意味しない。(もちろん違うとも言い切れない)。

言論NPO・工藤代表は「韓国では交流の深化が対日感情の悪化を吸収できた」と挙げている。この因果関係の説明も、正しいかどうかはわからん。(てか、それなら日本の場合、交流の深化「によって」韓国の印象が悪化したの?交流の深化「にもかかわらず」悪化したの?)


ただまあ、そんなことはどうでも良くて、ぶっちゃけてオチをいえば『2012年末から現在に至るまでのすべての日本の変化は、ポジティブにしてもネガティブにしても『安倍政権下で』と修飾するレトリックは使えるし、それ自体は間違いではない。ただし、それが因果関係を意味するかは当然疑ってかかるべし』いうお話でした。


皆さんも、なにか上手い話考えてください。「安倍政権下で、日本人格闘家のMMAの国際戦での勝率が、著しく低下した」、とかね(ほんとにどうにか、歯止めかけてください……)。


ちなみに、ニュースの元ネタは、言論NPOのサイトでみられる

www.genron-npo.net

f:id:gryphon:20190614033359j:plain
日韓の印象の変化(2013~)言論NPO http://www.genron-npo.net/ より
www.genron-npo.net
www.genron-npo.net
www.genron-npo.net

三沢光晴〜急逝から、10年。

音楽

【ドーム音質】三沢光晴「SPARTAN X」【臨場感】



news.line.me


togetter.com


亡くなった翌日の、記事

m-dojo.hatenadiary.com



鈴木一人氏が読む日本・イラン首脳会談。『谷内氏が参加している、そこが重要だ』

m-dojo.hatenadiary.com
…と書いてから、ほぼ半月。ほんとに、安倍首相はイランに行っちゃった。
そして…
鈴木一人氏が論じる

鈴木 一人(すずき かずと、1970年10月13日[1] - )は、日本の政治学者。筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授等を経て、北海道大学公共政策大学院教授、北海道大学大学院法学研究科・法学部兼務、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター共同研究員。(ウィキペディアより)
鈴木一人 - Wikipedia









ここ、リピート。
『両首脳の横に並ぶ列席者の姿を写していた。谷内さんも参加したという点が重要


谷内正太郎…彼の仕切る「谷内外交」については
m-dojo.hatenadiary.com
という過去記事で、毎日新聞での御厨貴氏の評を引用している。再引用しよう

御厨貴の政界人物評論:第8回 谷内正太郎 ブレない「外交の職人」−毎日新聞 http://mainichi.jp/shimen/news/20131114ddm004070011000c.html
 
 
(略)…谷内を見る時、まずは「官僚」「外務官僚」といったくくり方から自由でなければならない。そう言うと、「異色の」「型破りな」「らしくない」と言った対照的なくくり方で、人はすぐ理解しようとする。それも違う。谷内をあえて評すれば「外交の職人」である。最初に外務省という組織ありき、その先に累進出世して大使というポストありき、というタイプとは無縁なのである。

 いわゆる外務省の「文法」や外務省的ジャーゴン(職業用語)の世界に、谷内は入省当時からなじめずに違和感を持ち、むしろそれらを相対化する視点を養った。それができたのは、彼が既に入省時に「外交の職人」たるべき精神的支柱を得ていたからに他ならない。

 土曜会と若泉敬、端的に言ってこの二つだ。圧倒的に左翼全盛の昭和30年代に、学生として反時代的な思想を求めて、土曜会という大学横断的な読書会に参加したこと、その点で既に少数派であったこと、土曜会を通じて最も政治的にアクティブだった若泉敬と知り合ったこと、である。

 ただし谷内はこの二つに対しても、相対化する視点を当初から持っていた。だからこそ、土曜会にあっても決してウルトラ右翼にはならぬし、若泉に学んだのは政策論ではなく、人間としての生き方であったと言い切るのだ。
(略)

谷内によれば、右翼のフィールドは三つに分けられる。第一が天皇制。第二が歴史認識。第三が安全保障。大事なのは三点そろい踏みというわけではないということだ。

 谷内は第一と第二にはシンパシーがなく、むしろ靖国問題には批判的だと語る。外交の職人としての谷内は、右と言われてもそれはあくまでも安全保障のフィールドに限定してのことだと語る。