G+の追悼番組も見ていたが、あらためて地上波で見ると90年代の、三沢光晴の「超世代軍」と、怪物ジャンボ鶴田との争い、大物外国人超え、そして川田利明の「聖なる鬼の、聖鬼軍」の試合は、本当にすごいものだった。
その凄さは間や、切り替えしや「ここで終わりだろう、いや終わってくれもう保たんわ」とファンのほうが音を上げてからなおもつづく2.9カウントのキックアウト、
そして何より打撃の遠慮の無さと・・・・
落とし、投げる技で「何でそこまでしなければいかんの?」といまさら思ってしまうような首から落とす、脳天から落とす、そしてエプロンから場外に落とす・・・そんな常識はずれの技を繰り出しまくっていたことなどすべて。それらはみな、プロレスの歴史の中でもごく稀な、例外的ともいえるレスリングであったことに今、気付く。
プロレスのムーブや技の、海外との相互の影響というのは細かく追っていかないと分からないけど、あのアメリカ東部に、エクストリームなプロレス野郎たちが集結し、破天荒な試合を繰り広げたECWって、日本からの影響は大仁田厚とかWINGから受けてるんだよな?と思っていたが、トップロープからだ、いやエプロンからだと受け身、投げ技が凄くなったのは四天王プロレスの影響もあるんじゃなかろうか?(それともカクタス・ジャックというある種の特殊天才の功績か?)
そして・・・これを、この場で認めるのはどうか迷うこともあるが、思い切っていう。
三沢とその敵が使った過激なムーブは、すごくて、面白かった。そういう「過激」ぶりを、私は好み、肯定する。そういうプロレスをテレビや会場で見られてよかったし、見たいと思う。
文字や議論としては
「大技に頼らないプロレスを」とか「基本的なムーブで沸かせてこそ一流」とか「ストーリーとサイコロジーを練りこめば鍛えてない芸能人だって名勝負ができるんだ」というのもいくらでも書ける。
しかし、三沢が花道からエプロンに小橋を落とすスープレックスの映像の迫力の前には、そんな言葉は、少なくとも私の言葉は太刀打ちできなかった。