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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ガーシー除名を機に、国会議員と憲法の「出席・欠席」について雑感

懲罰処分の陳謝に応じなかったNHK党のガーシー参議院議員について、参議院懲罰委員会は、来週14日に改めて処分の審査を行うことになりました。
議員の資格を失わせる除名処分とする方向で検討が進められる見通しです。

海外に滞在し、国会に一度も登院していないNHK党のガーシー参議院議員が懲罰処分の陳謝を行う予定だった8日の本会議を欠席したため、尾辻参議院議長は、改めて処分の審査を行うよう懲罰委員会に付託…(後略)

www3.nhk.or.jp


・まあそりゃそうなるわな。



・そもそも「ガーシ―」って何時頃から名を知られて、何時頃からそれなりの票が入る程度には賛否両論の知名度が高まったんだろうな。選挙が始まった時からも?????だった



・……というのはあっちが悪いんではなくこちらが「 YouTube 界隈」について本当に情報が疎いということの証明だろう。 YouTube の常識や話題が、さっぱり入ってこないということには我ながら反省点であるよ。



・「欠席」の話に戻って……ふと思い出すが、三木武夫と言う、なかなか今でも人気がある元首相…国会議員として50年以上勤めたことで議会の中に銅像も立っている人物が…まさにその半世紀の議員活動の最晩年には、全く国会に出席しなかったのである。

(1986年衆院選で)体力の衰えから、選挙活動に三木本人が出るのは難しいと考えられた[676]。

6月2日に衆議院が解散するが、6月4日に脳内出血で倒れ、国立医療センターに入院となる。出馬するかどうか迷ったというが、選挙区での事情もあってすぐに辞めることも難しく、結局出馬した。選挙戦は娘の高橋紀世子が中心となって乗り切り、7月6日の第38回衆議院議員総選挙で三木は19回目の当選を果たす[676][677]。

入院は続いていたが、病状は夏を過ぎると幾分回復し、院外外出もできるようになった。1987年(昭和62年)4月に議員在職50年を迎える。国会に登院して国会表彰の謝辞の演説を行いたいと、原稿を用意して演説の練習もしていたが、風邪を引き発熱したため出席は叶わなかった。病気で国会に登院できないことを気に病んでいて辞職も考えていたというが、同僚の国会議員たちの意見もあって結局辞職しなかった。
ja.wikipedia.org

 
 
 
竹下登の叛乱にあった直後、脳梗塞を患った田中角栄もしかり。彼の最晩年の議員として歳費を受け取りながらのノー登院は、晩節を汚す除名ものの醜行だ…ということもできるかもしれない。

1985年(昭和60年)2月27日 - 脳梗塞で倒れ入院[73]。言語症や行動障害が残り、以降政治活動は不可能に。
(略)
1986年(昭和61年)7月 - 第38回総選挙。トップ当選。田中は選挙運動が全く行えず、越山会などの支持者のみが活動。自民党は圧勝。4年近くの任期中、田中は一度も登院できなかった。
ja.wikipedia.org

 
 
 
・もちろんそれは「病気」のせいだ、ということで、意図的に欠席しているガーシーと同一視はしない、 という考えも理解はする。ただ逆に「病気で登院できない、国会論議に参加できないなと自覚したら潔く議員の職を辞し、その議席を補選に委ねるべきである」っていうのも正論じゃないすか?



・「病気で国会に出られないなら職を辞すべきである」、というのは、議員としてではなく答弁する首相の職としての話だが、石橋湛山濱口雄幸をめぐる一つの因縁話でもある…各自調査。



・ちなみに現職議員である「小沢一郎」氏の国会出席率が相当に悪い、というツイートを見る。他の欠席議員も。



・国会と欠席、といえば、北アイルランドシン・フェイン党に関する逸話も思い出した。



・ガーシー議員が「自分は国会に出席せずに海外から議員活動をすると公約して当選した」というのを自己弁明に使ったのはちょっと笑ったけど、考えさせる部分も確かにある。つまり選挙というのが最大限に権威がある民意の判定機能だと考えると、そこで公約をしてその結果として当選した以上、そこには最大限の敬意が払われるべきだ、的な議論というのはそれなりに目にするから。汚職や選挙違反などの罪で辞職した元議員が再出馬して当選すれば、それで”みそぎ”が済んだとするのもこの選挙結果至上主義、選挙結果が最高の民意、とする原理だが、これはどこまで効力があってどこからは無効となるかねぇ?



・ところでガーシ―は謝罪の動画を送って、それで済まないかと提案したが拒否されたらしい。


・国会と「出席」と憲法の問題についても一緒に語りたい。国会が議員の産休、れいわ新選組から出馬して当選した重度障害議員の今後の国会審議、パンデミックによる三密を避けるなどの対策から「オンライン国会」が検討されている。



・これについてはご存知の通り、憲法問題も絡んでくる。

第五十六条 
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

・この時の「出席」の解釈である。そもそも日本国憲法が作られた時、「オンラインで出席できる技術」などというものが SF ですら想像できなかったでありましょう。



・だから憲法が想定外のことであることは間違いない。だからといって、と言うかむしろそうであるからこそ「出席」の意味を後から変えていいのかという話になる。



・この辺は憲法24条の「両性」や「夫婦」と同性婚の関係と同じ。



・過去記事で書いてる話の繰り返しだからリンク読んでもらったほうがいい。
m-dojo.hatenadiary.com
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・辞書の「出席」の語釈も調べたら面白いだろう。オンラインでつながっていれば、ZOOM会議のように……その場にいなくても「出席」である、そういう意味を網羅した辞書の説明はあるだろうか?

しゅっ‐せき【出席】 の解説
[名](スル)会合や学校の授業などに出ること。「クラス会に―する」「―簿」
出席(しゅっせき)の意味・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

・オンライン国会については、それが「解釈改憲」であるというのを、みんな普通に語ってるんだけどそもそも「解釈改憲」ってそんなに肯定的に扱われてたか?
www3.nhk.or.jp
www.asahi.com
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解釈改憲とは姑息な裏技であり、必要があるなら堂々と憲法改正するのが筋である、解釈改憲は認められない…みたいな議論が言われてませんでしたか(笑)。そこが変だなぁと思うのでした。



・そしてこのオンライン国会、議員のオンライン出席、今のところは「何かの手続きをして合意した場合は認めてもいい」 という形で法整備がなされるようだしその場合はガーシーと、重度障害を持つ議員や病欠の議員、産休の議員などと差をつけることができるだろう。



・けど、もしこの「議員のオンライン出席」が個々の議員に認められた崇高な権利であり、議員本人がオンライン出席を希望すれば、それだけで国会は認めなければならない…という立て付けだったら、ガーシー議員はまんまと国外で逮捕を逃れながら議員活動ができたのだろう。この辺が制度のあやなのだなあ、と思いました。



・しかし数年後は本当にオンライン出席は 議員個人が選択できる不可欠で不可侵な権利であり、国会の駆け引きの中で認めたり認められなかったりするのはけしからんという話になるかもしれないよ。(了)


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