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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

【憲法記念日】「オンライン国会」という新技術・新概念に、想定外だった時代の憲法はどう対応すべきか

ことしの憲法記念日は、今までほとんど浮上しなかった、こんな争点が生まれました。

……読売新聞社憲法に関する全国世論調査(郵送方式)で、感染症の拡大などを理由に、国会へのオンライン出席を認めるべきだとの意見が83%に上った。


 憲法56条は、衆参両院の本会議を開く要件として「総議員の3分の1以上の出席」と定めている。これを踏まえ、衆参両院の規則は、議場にいない議員は議案に対する賛否の意思表示ができないとしている。

 国会議員からも新型コロナウイルスの感染者が出ており、感染が広がれば国会の機能が損なわれかねないとの指摘もある。オンライン審議の議論は具体化していないが、緊急時の活用を
www.yomiuri.co.jp

ブクマした。

国会本会議オンライン出席「賛成」83%…読売世論調査 : 世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

この話は非常に面白くて、要は憲法制定時に「オンライン」なんて概念はまるでないわけね。だから条文に「出席」と書いちゃった。その後の新技術には改憲で対応するのか、「出席」の定義を変える…すなわち解釈改憲

2021/05/03 09:23
b.hatena.ne.jp

第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
② 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第五十七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
② 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
③ 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第五十八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
② 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
② 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
elaws.e-gov.go.jp

実はこれ、コロナ禍前でも議員の「産休」や、障害と絡んでの議論があった。おお、2019年に収録してた俺はいい仕事しすぎる。
m-dojo.hatenadiary.com


m-dojo.hatenadiary.com


論じたい話は、だいたいこのへんの通りで。

…と書いた(引用した)けれど、何も別に「だから憲法改正が必要だ」と言ってるわけじゃない。
やはり世のなか、憲法を描く人がジェール・ヴェルヌやヒューゴー・ガーンズバックA.C.クラークほどに未来技術を予測できるわけがないんで、不正などが外部から働いているということに疑問の余地が出ることなく遠方から投票をする技術、なんてことは想定の外だったんだろう。
だから文章に「出席議員」とかいちゃった。テレビ会議電子投票もアウトオブ眼中。
それはしょうがない。
(略)
…ということでこのままであっても、それもひとつの護憲論だろう。

それはいかんから改憲する、でもよろし。

法律は、「言葉の定義」のほうを変えるって抜け道があったよね。
この国では、自衛隊でも私学助成でも同性婚(まだアイデアに留まるが)でもそうやってきたっちゃあやってきた。

この場合「出席」というのの定義のほうはどうなんだろう。
いま、テレビ会議なんかでも、自宅で機器の前に座って、そこで「ハイ、わたしここにおりますよー。そっちの議論も聞こえてるし、自分の意見も述べますよー」という状態なら、それは『出席』と定義できるんじゃない???…いや、どうだろうな……。


この際、「言葉の定義」「『出席』とはなんぞや」と・・・・・・・・・・・


で、問題は
「この〇〇は、関連する法を定めるときに、まったく実物も概念も存在してなかったからな。当然〇〇を想定はしていない」
「では、〇〇についての取り扱いを法律改正して決めますか?」
「いろいろ手続きが大変だし、政治情勢的に難しくてな…」
「では、〇〇も法文にある『XXX』の一部(※あるいは逆に『XXX』の一部ではない」)と解釈しますか」
「それも無理があるなあ…というか仮に自然であっても、あとからそうやっては法の厳粛さがね……」と。



これ、同性婚における憲法の「両性」とか「夫婦」という言葉の扱いとまったく同じはなしではあるよね。法律制定時、同性結婚という概念自体がまったく関係者には存在しなかった。YESもNOもない、それについては「想定外」だった、と。


じゃあ、想定外だったものを認めるとき、明文でそれを付け加えたり、文章を変えるのか。それとも「両性には同性も含まれる(ええ……)」的な解釈を新たに変更するのか。


オンライン国会に話を戻すと「出席」とはそもそもなんであるのか

しゅっ‐せき【出席】 の解説
[名](スル)会合や学校の授業などに出ること。「クラス会に出席する」「出席簿」⇔欠席

しかし実際、オンライン授業はもう始まっているよね。

このへん、今後の「国語辞書」はどういう扱いをしていくのかな。