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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「心が折れる(心を折る)」の出典は神取忍であると「三省堂国語辞典」も明記している由(「チコちゃん」でも放送)

高視聴率の人気番組だから多くの人が見たんだろうね。
12月5日現在、NHKプラスでも配信中。本人のインタビューもありました。

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2022120227171
チコちゃんに叱られる!▽エレベーターで▽心が折れる?▽貯蓄から投資へ?
12/2(金) 午後7:57-午後8:42
配信期限 :12/9(金) 午後8:42 まで

エレベーターの中で上を見るのはなぜ?…階数表示を確認しているだけではなかった!人間の驚きの本能とは!?「心が折れる」というのはなぜ?…この言葉の生みの親はまさかのあの人物!大人になるとあっという間に1年が過ぎるのはなぜ?…子どもが大人になるとき失ってしまう大切なモノとは?「貯蓄から投資へ」…政府の狙いは何か?今井純子解説委員がズバリ読み解く!ゲストは和田アキ子さんと児嶋一哉さん。


心が折れる、心を折る」は辞書でも神取忍が初出、と(三省堂国語辞典




これに関わった井田真木子ジャッキー佐藤も逝去し、神取のみが今も活躍する。


大宅壮一ノンフィクション賞受賞作だが、まだ読めるだろうか。



でさあ、もひとつ読者諸氏に頼みたいことあるのだが。

夢枕獏氏が、当時のエッセイの中でこの「神取忍の『心を折る』という言葉はすごい!! それを記録した井田真木子の「プロレス少女伝説」は凄い本だ!!」と、かなりの分量を割いて書いた箇所があると思うんだが、その本に心当たり有りませんか?
夢枕獏の記述がどこにあるかなんて、書名をいったん失念したら膨大な著作の樹海の中に埋もれてしまうでしょ、当然(笑)。今その状態。
※判明しました!!そもそもこの「プロレス少女伝説」の『解説』だったらしい!(それは当然、氏の著書に転載収録されただろうけど)


状況的に間違いなく、伝説の「立花隆がプロレスは程度の低いものだから、それを描くノンフィクションなんてどんなに出来が良くても無価値」と大宅賞選評で受賞に反対表明、大議論(今の言葉なら炎上)となった、あの一件への反論としてかかれたものだと思う。


2013年には、日経新聞の言葉を考察するサイト記事で特集されていたね。これはいい記事だ。このお陰で、うろおぼえだった「夢枕獏の絶賛」の箇所も判明。書籍のタイトルに「心が折れる」が使われる数、なんてのも調査してた

style.nikkei.com

■活字の用例では「プロレス少女伝説」が最古


「プロレス少女伝説」と、神取vsジャッキー戦を報じた「週刊ゴング」1987年8月7日号
後日、この試合について神取に取材し、「心が折れる」という言葉を引き出したのがノンフィクション作家の井田真木子氏(01年死去)。91年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「プロレス少女伝説」(かのう書房、90年)での神取の発言が、活字の形で残る最も古い用例だとみられている。

「あの試合のとき、考えていたことは勝つことじゃないもん。相手の心を折ることだったもん。骨でも、肉でもない、心を折ることを考えてた」。以下、「苦痛と、見る自由を奪われることと、息ができない恐怖と、この三つがそろって、初めて、心が折れるのよ」など繰り返し8回も使われている。

当時の状況について、現役のプロレスラーを続けている神取氏に記者が取材したところ「(ジャッキーとの確執など)様々な思いが交錯していく中で思いついた言葉」だったと振り返り、「骨を折る」から連想したとも明かした。この試合は「腕がらみ」という柔道由来の関節技でギブアップを奪っている。腕の骨は「折ろうと思えば折れた」が、そうしなかった。「プロである以上、(選手生命に関わるような)致命的なけがを負わせることはできない」。因縁の対決の終わらせ方として、骨を折る代わりに精神的な部分でダメージや恐怖心を与える「心を折る」という方法を選んだのだ。

夢枕獏氏の解説から「刃牙」の順に浸透か


1993年の「グラップラー刃牙」は「心が折れる」が使われ始めた頃の例((C)板垣恵介秋田書店)
プロレス少女伝説は93年秋、文芸春秋から文庫化。この時に解説を執筆したのが、格闘技に造詣が深いことで知られる作家の夢枕獏氏だった。「“心を折ってやりたかった” まさに、この神取しのぶの言葉の発見が、読者としてのぼくが、本書に対して降参した――つまりギブ・アップをした最大のポイントである」と絶賛。「発見」という表現が、当時はこの言葉がまだ一般的ではなかったことをうかがわせる。

心が折れる」は、現在もシリーズで連載が続く格闘技漫画グラップラー刃牙」(板垣恵介作、秋田書店)で93年末にも登場。モンゴル系ボクサーの幼少時の回想シーンで、「真の敗北というのはなユリー。心が折れることを言うのだ」などと使われている(週刊少年チャンピオン94年3+4号)。板垣氏は神取氏の発言に「インスパイアされた」とコメントしている。


この話はこのブログでも折に触れ語って来た。

m-dojo.hatenadiary.com
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当然セットで論じられる、立花隆の批判に関してもこちらの記事とかで。
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「自分さがし」まで井田真木子造語説…忙しいな


これについて詳しく述べているフェイスブック記事がある。

柳澤健 2016年10月2日 ·
 仕事で昔の週プロの編集後記を読んでいたら、ちょっとした発見がありました。
「先週号(注・91年7月16日号)掲載分のデビー・マレンコのカラーグラビアに使った〝自分さがし〟というコピーは「プロレス少女伝説」の井田真木子さんがずっと大切にしてきた単語。乱用は失礼と思い、ごあいさつのメモをFAXで送ったら、なんと中国を取材旅行中の井田さんご本人から電話があり「どんどん使って」と言われた。次回作に期待してます。(斎藤)」
 斎藤とは斎藤文彦さんのことですけど、「心を折る」ばかりでなく、なんと「自分さがし」も井田真木子さんだったとは! 
 やっぱり井田さんは偉大ですね。
https://www.facebook.com/takeshi.yanagisawa.351/posts/pfbid02PnwQTyym6tPJRW3Sea9HL1KQwNg9WeTdrQYcyd4ctaTfZeWkfnhjpyztdga6MBobl


そして、
この言葉を聞くと「かってに改蔵」の大傑作の、この話を思い出す。今回調べたら15巻の「第一話」なので、ちょっと試し読みできるところもあった。(そこだけですごいダイナミックさ!)

羽美が大きなカバンを持ってバスを待っていた。カバンの中には北海道のガイドブックに青春18キップ。そう、羽美は「自分探しの旅」に出ようとしていたのだ。改蔵は「自分探しの旅といえば聞こえはいいが、その大半は現実逃避、もしくはただの失踪」と喝破。羽美に“自分探しのプロ”である私立探偵・自分寺三郎を紹介する。だが結局北海道に行ってしまった羽美は…!?(第1話)

csbs.shogakukan.co.jp

かってに改蔵 自分探しの旅
かってに改蔵 自分探しの旅
自分探しの旅 かってに改蔵 

新語や新概念は、誰かが発明して社会に爪痕を残しやすい分野。

以下は過去記事からの転載。

これは以前から言っているけど、数学や物理学で素人が、一般の人が社会に残るような功績を挙げるのはむつかしい。
だが、社会を観察して、そこに発生している現象に「新語」「新概念」を与えるという試みは、実際に毎年のように発生しているし、ここでは一般の人が歴史に、社会に爪あとを残すチャンスが大いにあるのである。


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