■“言うだけ番長”前原氏、メンツ丸つぶれ〜八ツ場ダム再開
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111223/plt1112230819002-n1.htm
こちらは、口の悪い夕刊紙だが、
一般紙も使っている。
■八ツ場ダム工事再開 メンツ丸潰れ、前原氏苦難 また「言うだけ番長」進退も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111223-00000093-san-pol
ただ、どちらも産経グループではある。今後他にも広まり、定着していくのかどうか?使い勝手がいいからな。前原評としては生き残るし、広がっていくんじゃないかと思う。つまり「政治用語」になるということ。
言うだけ番長とは
しかし、野田佳彦ふくむプロレスファンには感慨深いよなあ。音が似ているし、ひょっとしたらその前から使われていたかもしれないが、広く「言うだけ番長」の言葉が広がったのは、
前田日明が長州力を評してのコメントがきっかけだからだ。
しかし前提としての
「昔、『夕焼け番長』ってマンガがあったけど…」という解説、フォローを入れないでいいのだろうか(笑)
というわけで、はてなキーワードをつくるっす。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%A4%A6%A4%C0%A4%B1%C8%D6%C4%B9
ちなみに、最初はどういうシチュエーションで前田は長州にこう言ったか覚えている人いますか?
これの寿命が長いのは造語の巧みさもあるけど、「そう言っていた前田こそ、XXXXXをXXXすると言っておきながら現状はXXXXで、自分こそ『言うだけ番長』じゃないか」と90〜2000年代に言われていたから長く生き残った、という部分も否めない(笑)
定着するのは十に一つか、二十にひとつか。「♪新語サバイバー、生き残れこれ」
前も何度も書いた話だけど、ここらへんで整理を。
■「心を折る」…議員としては何やったんだろう?な神取忍さんですが、これはすごかった。
追記
今、来訪者の方のブックマークを逆に拝見していたら、こういう記事があった
心はいつから「折れる」ようになったのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111209/224986/最近、それまで維持してきた精神的な支えが途絶えてしまう場面に「心が折れる」という表現をよく使うようになりました。そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は「心が折れる」という表現について分析します。この表現が普及した経緯やルーツ、ニュアンスなどを探ってみましょう。
かつての意味は「気持ちを相手に曲げる」こと
実は「心が折れる」は古くからある表現です。もっともその意味は現在とは異なるものでした。例を挙げましょう。(略)
・・・新しい意味の「心が折れる」を項目として掲載する事典も登場しました。例えば「現代用語の基礎知識2011」(自由国民社・2010年末発行)は、若者語欄に「心が折れる」を掲載…。
有料記事のため、後半の結論部分は当方読んでいないが、神取忍にぶじたどりついているかねえ…?
■「ゆるキャラ」…これはもう、完全に大出世だね。というか単に造語したというより、そういう『概念』『制度』をみうらじゅんが一から、いやゼロからつくっちゃった。というか本来的には「こっちは真面目にやってるんです!」と怒られるリスクもあったはずで、マイナスから出発している。それでここまでの定着ぶり、おまけに一番カテエ、溶岩石のようにこりかたまったお役所のアタマ!!をとろかし、今の長州なみに柔軟にした。みうらじゅんの怪物ぶりは、「プロフェッショナル 仕事の流儀」か「情熱大陸」で特集してほしい。
■「かっこいい」…「という日本語ができたのは石原裕次郎からです」と、みなもと太郎がこの本の中で語っている。
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■「正義の味方」…「月光仮面ってのは如来の脇仏、月光菩薩からきてるんですよ。つまり正義そのものではない。ぼくたちはどんなにがんばっても、正義それ自体にはなれないし、なれると思ってはいけない。だから「正義の”味方”」なんです」…竹熊健太郎の、川内康範インタビューより。
■「最凶」「迷探偵」……まあこれは自らも「きちんとした日本語です」とは主張しないかもだけど、IMEに登録されてないのを不便だと感じるぐらいにはよく登場する。
実はあと二つか三つぐらい、例を思いついて、それで書こうと思っていたんだが、PC故障期間中に案の定忘れてしまった(笑)。まあ思いついたら、またこんなエントリーを作ってみますよ。一時期猛烈に流行って今は消える流行語も味わい深いが、そこをかいくぐって日常的に使われるようになったものを「もとは…が言ってたんだよな」「…の前はなかったんだよな」と考えるのも味わい深い。
ああそうだ、「撮る」という漢字が気になったんだっけ。幕末本&高島俊男本
最近、ルパン対ホームズにもからんで、幕末とフランス関係の本を読んでいた。
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そんな中でふと「そういえば写真を”『撮』る”と表記した人ってすごいよね。一大発明だよね」と感じたのですね。
ホトグラヒー(写真)が入ってきたとき、それをどう表現するかは翻訳者の才覚しだいで・・・ただ、新しい概念の「名詞」は、ああこれは新語にしなきゃ、訳さなきゃって分かりやすいと思うけど、動詞はねー。しかもそこにどの漢字をあてはめるか。だれが考えたのかな。<写真を”撮る”>って書き方。
それでも日本は「○○『する』」とするをつければいいからまだ無節操に受容しやすいのかも。韓国語や中国語と比べてみてもおもしろいかも。
あっ、というかあっちだって写真を発明した人??が、それを…「take」だっけ?そう表現したのはなんでなんかな。
そして、そういえばコンピューター用語だが……。
あれだって、翻訳者が違えば違う用語だったのかもしれないよね。
コピー&ペースト、略して「コピペ」。定着したとは思うがご年配に通じるかというと微妙。「切り取り&貼り付け」のほうが理解は楽だな。(コピーは定着したが、「切り取り」は日本語で…ああウィンドウズなどの表示訳がそうか)
しかし、「ペースト」って日本では、パソコンの言葉として使われる以前は「ペースト状」とかのイメージのほうが強かったんじゃないかなァ。ならば訳者の才覚によってはあれを「貼り付け」ではなく『塗りつけ』と訳されてもよかったのでは(笑)どろどろのものをぺったぺったと塗りつけるような。別にそうであっても結果は変わらないし。
パソコンを「立ち上げる」というのも、「本来他動詞ではないのに」という批判をあびつつ浸透している。しかし訳者によっては「目覚めさせる」とか「チャクラ開く」といった言葉で、スイッチを入れてからPCが使えるようにするまでを表現された可能性も・・・・ないか(笑)
高島俊男の最新刊「ことばと文字と文章と」でも、大昔の同じ例が紹介されている。あとで原文を引用しますが大意・・・
「日本には文字という概念がそもそもなかったのだから、当然『書く』という概念もなかった。そういうまっさらな視点で文章を書く行為を観察すると、かゆいところとかをぼりぼりとやる、あの行為に似ている。だからその『かく』という言葉を当てはめた。」
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かくも翻訳は難しいものであります。
http://sanjuro.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-71ea.html
にあるように、肩書きひとつでもむつかしい。