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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

時代劇ドラマ「善人長屋」8日開始(BSP)。これって要は「ブラック・ラグーン」的な、皆が好きなあの話だよね

2022年7月8日(金)スタート 毎週金曜よる8時 BSプレミアム・BS4K

直木賞作家・西條奈加作品、初の映像化!
表は善人、裏は悪人、2つの稼業を持つ“善人長屋”のメンバーたちが、ある時は困った庶民を助けるため、ある時は仲間のピンチを救うため、裏稼業の凄技を活かしながら、さらなる巨悪や人の悪意に向き合っていく!

持ち前の勘の鋭さで事件の核心を突いていくヒロインお縫には、今作が連続ドラマ初主演となる中田青渚。お縫の父親で長屋のリーダー・儀右衛門には吉田鋼太郎、きっぷのいい性格のお縫の母・お俊には高島礼子、そして小悪党ばかりの長屋にうっかり入居してしまうトラブルメーカーの善人・加助を溝端淳平が演じる。個性的な長屋のメンバーに各話のゲストも交えた色とりどりの人間模様が展開するエンターテインメント時代劇!

【放送予定】2022年7月8日(金)スタート(全8話)

(1)「錠前破りの大悪党」
初回放送日: 2022年7月8日

表向きは善人だが、実はみな裏稼業を持つ悪党ばかり。そんな長屋の大家・儀右衛門(吉田鋼太郎)とその妻・お俊(高島礼子)、娘のお縫(中田青渚)はある日、錠前破りを裏稼業とする極悪人の加助という男(溝端淳平)を長屋に迎える。そんな中、スリの安五郎(山田純大)の知り合いの娘・お小夜(畑芽育)のピンチを救うため、長屋の面々はそれぞれの裏稼業の特技を活かして活躍するが、どうも加助は悪党には見えず…。

7月8日(金)午後8:00


www.nhk.jp


自分はビッグコミックに連載されてた尾瀬あきらの漫画で知ったのだが、そもそも原作小説があるんだよね


時代劇、人情長屋ものなんて興味ないよ、と言う人が大半だろうが、だがこう読み替えてみる……
この作品の、シチュエーションをざっくりいうとこうだ。

・さまざまな技能を持つ悪党が、総元締めのもとに集まる長屋がある(”善人長屋”という通称は反語)
・だが、或る手違いで本当の「善人」が来てしまう
・この男は勘違いで、周りの皆も言葉通りに「善人」だと信じ込み、しかも過剰にお節介で親切なので「深刻な悩み、困りごとのある人」の相談を次々長屋に持ち込んでしまう
・成り行き上、悪党たちがその技能で「人助け」せざるを得なくなる……

つまり、広義のコレな話なんですよね
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そしてもっと広げると、何かの秘密を「隠す」ために「取りつくろう」コメディの系譜ともいえるわけだ。
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善人長屋は、江戸のブラックラグーン

で、なんで「ブラック・ラグーン」をタイトルで引き合いに出したかと言うと、…これはパンプキン・シザーズ論の時に類似点の対比として述べたんだっけ。


思い至ったのはこういうパターン。

(1)ある集団の中で、メンバーの1人が「すっごく青臭い正論、正義」を主張する。

(2)メンバーの仲間が「そう簡単にいくものじゃない」「裏にはこういう真実がある」「自分たちにとっていかに不利か」などを語る。

(3)正論言いはもともと、組織であんまり役に立たない若造・ゲスト。強引にチームを動かすことも出来ずしょぼーん。

(4)だが、少し時間がたってみると、メンバーがなぜかその正論のために動き出しはじめる。

(5)チームの仲間も本当は熱血な正義漢。最初に正論を言ったメンバーは、能力よりはそういう正義、熱血の心を呼び覚ます触媒としての役割を果たしているのです…

(略)

考えると「ガンバ」とかもそうかしら。
パンプキン・シザーズのアリス隊長は上の抽出とはちょっとちがって統率力も抜群だし、剣術などの武力も関羽呂布並みだが・・・しかし”青臭い正論”を持ち続ける事で、余計な危険に直面するという点では変わり無い。それを、寡黙で穏やかなナイトが時に自らを盾にして守る。その一方で、かつて地獄のような戦場を経験し、罪の意識を抱き続ける伍長に、その青臭い正論が道しるべとなっている、というような、そんな関係をこの作品は描いている。


上の話を広げるなら「正義の主人公(多くは貴公子)」に「戦闘力はこっちが担います、という戦士」が寄り添うというパターンもそりゃ多いよね。義経と弁慶(まあ直接対決では義経のTKO勝ちだったが)が元祖でしょうか、三蔵法師孫悟空なんでしょうか。
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そして、気づけば。

ブラックラグーンのレヴィは、結局ロックのいうこと何でもきいてくれてるじゃん」という話(作者も認める)
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ま、そんな流れがありますものですから、時代劇ドラマなんて全然興味が無いよ、という人でも、「そういうの」が好きな人は一見の価値があるのでは、という話。


そもそももっと類似作があったような気がするが

悪人が、
あまりにお人好しで善良すぎる人間(「それを装う、全てをお見通しの大物」、でもいい)にうっかり信頼されてしまったので
「なんで俺がこんなことを…」
「俺の柄じゃない…」
と思いながら、渋々「いいこと」をやってしまう。


宮崎ルパンはそのバリエーションって言えば言えるのかな??

ほかになんかあったっけ。

「大物」のほうだとオノ・ナツメつらつらわらじ」もかな、といま気づく。

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