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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

中山俊宏教授逝去。時代を映した、氏のSNSツイートはいつまで保存されるのだろう…


大いに驚き、残念に思いました。
自分は比較的、国際政治学系のアカデミシャンのtwitterアカウントは多数フォローしているけど、特に最近ではリツイートや引用などをすることが多く、その知見や紹介のアンテナは大いに参考になった。

twitter.com



ウクライナ情勢では戦争勃発前、戦争後とも更にその重みは増し、2つもほぼ氏のツイート紹介のみで記事を作っている。

片方の記事には、格言に感銘を受けてイラストまでつけたよ(笑)

m-dojo.hatenadiary.com

「熊を踊りに誘えば、踊りの終わりは決めるのはあなたではなく、熊だ」ロシアの諺?


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いまとなってみれば、このしょうもない俺作のイラストも、碩学の早すぎる、駆け抜けた生涯が与えた影響のひとかけらだと思いたい。

雑誌「外交」が追悼の論文PDF公開



http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2022/05/Vol59_Prof_nakayama.pdf




時代を映し続けた、中山氏のtwitterの文章はいつまで保存されるのだろう?ご遺族か、どこかの財団…そんなものは、ないんだよな…

親しいお身内の方は、そんなところまで気を回す余裕もない話であり、
また外部から言うのはぶしつけだとも感じるが、それでもここで言っておくことに何かの意味があると思うのでご容赦乞い書かせていただく。

「いつからtwitter」サイトで確認すると…

midnight2d.com

いつからtwitter
あなたはいつTwitterを始めましたか?
今日で何日目ですか?
世界で何人目のユーザーですか?
その辺分かりやすく分析します!

@tnak0214
分析

中山 俊宏 🖋 Toshihiro Nakayama
@tnak0214 さんは、
2009/2/23 23:58:20 に、
世界で21,658,035人目にTwitterを始めました。
今日でTwitter歴4825日目です。
これまで18838回つぶやいていて、
一日平均3.9回つぶやいたことになります。


この、18838回のツイートは、当然私的なものもあるだろうし、時代状況が変われば意味をなさなくなるものもあるだろうけど、逆にその時、その時の時代を的確に反映したり、あるいは時代背景を超えた普遍的な政治学、あるいは人間社会の考察に富んだものも多いかと思う。
当然、いま現在は読める。
そして、twitterは別に、登録者が死亡したらそのアカウントを「遺族からの申請があれば削除する」という規約・スキームはあるが、逆に「死亡者は削除しなければならない」と言った規約があるでもない(そうだよね?)
ただ、一方で、たしか誰かのアカウントを、遺族が「相続」する仕組みとかもないですよね?

help.twitter.com

亡くなられたユーザーのアカウントについてのご連絡方法
ユーザーが亡くなられた場合

ユーザーが亡くなられた場合、Twitterは、権限のある遺産管理人または故人の家族とともにアカウントを停止するようにします。

亡くなられたユーザーのアカウントの削除をご依頼ください。リクエストの受領後、故人の情報、リクエストを送信された方の身分証明書のコピー、故人の死亡証明書のコピーなどの詳細を提供していただくための手順を記載したメールをお送りします。これは、間違いや不正を回避するために必要な手順です。(略)

フェイスブックは故人の「追悼アカウント」という仕組みがあるそうで、それは立派だ。
www.kazokuso.co.jp



ではtwitterはずっと死者のツイートが残るかというと、3、4年前ぐらいだろうか、「数年間、まったくアクセスが無いアカウントをまとめて消します」というイベントがあったはずだ。
あれは何だったのかな。
その理由はともかく、同じイベントが起きたら、ご遺族かどなたか、故人以外ではあるけど、正当にパスワードを知ってアクセスされる人がいなければ、中山氏をはじめとして、真摯に亡くなるまで発言してきた方々の知的遺産が消滅することになるのではなかろうか。


外部からとやかくいう話でもないことは承知だが、記録が・知的遺産が失われるかもしれないということに関して、何かの適切な手が打たれることを望む。
極端な話、故中山氏の18838回のツイートをどこかにコピー&ペーストするだけでも、一つの保存方法ではあるのだし。



この前、「終了する公式サイト」を念頭において、それを預けて、その後の運営(公開継続)をゆだねられる「財団」みたいなものは作れないか?…といった話をしたけど、それはこういう形の、逝去された個人のSNSでもあり得るのではないか。
しばしば蔵書や著作、取材時の資料を自治体や大学の図書館、あるいは研究室に寄贈する知識人の遺族がいらっしゃる。


非常にありがたい話だが、21世紀の今、そういう著名知識人の知的遺産を継承するにはそれ以上に「SNSでの発信した記録の保存」のほうが重要になってきている、と考えても、それほど間違いではないと思います。

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・ある程度の資本を集めて、財団法人とかNPO法人のような形で、「ネットサイト保存財団」みたいなのがあってもいい。或る程度の文化価値、公共的価値の審査とか必要となるだろうが、終了する予定の公式サイトで、運営者や主催者が「ただ消すだけでは勿体ないので、お譲りするから貴財団で存続させてください」といえば、気軽に引き継ぐような、そんな財団。

・個人ブログやニュースサイトも、もう運営は忙しいし、やめようと思います。ですが過去記事を保存・公開したいという人がいれば「有料/無料」で過去記事をお譲りします……という提案が、気軽にあればいい。

という話に、今回のような…まことに残念な形だが、物故された方のアカウントを永久に運営できるような仕組みにもできる、と付け加えておきたい。

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最後に改めて、ただのフォロワーであったが、多くを学ばせていただいた人間として、中山氏の魂安らかなれとお祈り申し上げたい。



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