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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

創作キャラに様々な「属性」がつくということ~善玉でも、悪玉でも…かな?

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……米コミック誌の英雄「スーパーマン」の息子が、バイセクシュアルであることをカミングアウトすると、出版元が11日、発表した。作家のトム・テイラー氏は「より多くの人が、最もパワフルなスーパーヒーローの中に自らを見いだすことができる」と期待を語る。

 スーパーマンは1938年の米誌で初めて登場。80年以上にわたり、世代を超えて読者に愛されてきた。ふだんは仮の姿であるクラーク・ケントとして生活する。息子のジョンも最近、新たにスーパーマンとして活躍………


で、こんなまとめもできた。
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創作と、そこに出てくるキャラは基本、架空の存在=ウソです。
そして、そこに出てくるキャラの行動や属性を決めるのは「地上の法の範囲」では、(著作権者)です。それ以上でも以下でもない。
著作権の所有者が、そう決めたら、その法の及ぶ範囲で「スーパーマン両性愛者」であり、一方で
「ホームズとワトソンは同性愛の関係では絶対にない」。というか、そういう発想に「敵意を覚える」とのこと。

……彼らが将来的作品で同性愛のテーマに触れた場合、映画化は撤回します。わたしは同性愛者に敵意を持っているわけではありませんが、シャーロック・ホームズの本の精神に忠実ではない人には敵意を抱きます」と
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※なお、このひとが今なおホームズ物語の著作権を継承しているのか?については、法的な議論もいろいろあり。


しかし、著作権の及ばぬ範囲で「やっぱり夏目漱石の『こころ』の先生と語り手はBL関係よ!」とか、そういう精神的にややバランスを崩した解釈で作品をみなすのも、これまた自由。

作者の語るウソ、解釈者の語るウソ、非公認(だが黙認)二次創作者の語るウソ、公式スピンオフを描く作者のウソなどが並立する中、面白いもの、読者が好むものがそれぞれ選ばれればいい…と思うのです。

「こころ」「泣いた赤鬼」「山月記」…
みんなが昔から慣れ親しんできた文学作品、
それちょっとBLな匂いしませんか?
「実は私も『これBLじゃないんかな?』て思ってたんです。でもそれを学校の授業で言えなかった…!」

大丈夫。ソムリエお兄さんはそんなあなたたちの味方です。
今日もBLソムリエお兄さんが
ボーイズがラブする匂いを名作から探し当て、(ライクも可)
腐ったものが読みたいあなたに
最適な文学をオススメします!


と同時に、物語において、キャラクターの属性は否応なく、物語を左右していくことも多い。
ではその物語と、キャラ属性の関係はどうか。ここで「チェーホフの銃」という議論も登場する。

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上の議論で出てくるけど、「背広を着たサラリーマン」や「メガネをかけた人」は、いちいち背広やサラリーマンやメガネという属性に意味があるわけではない。それと同様に、ハンディキャップや民族的マイノリティ、性的マイノリティといった属性も、物語上の必然性に関係なく、ただの属性としてさらっと登場していいではないか、と。そういった議論が「チェーホフの銃的には、キャラが物語上の意味がなくLGBTであるのは余計な情報だ」というのへの反論で寄せられている。



そこまではいいが、その上で次の問いを、自分はひとつの記事のブクマに加えた。

gryphon ひとつ論点を加えるなら「それらの属性もメガネと同様に普通に登場すべき」だと、「凄く卑怯で醜悪なキャラが登場。そのキャラはたまたまメガネor少数民族or車いすorLGBTという属性」とかがあり得る。それもOKなりや?

https://b.hatena.ne.jp/entry/4696391946483332674/comment/gryphon


これをいま、なんで思い出したかというと、上の「両性愛者スーパーマンが登場」話でのブコメの一つに id:oktnzm  さんの

作者の真の自由選択なら問題ないと思うが、同時に『理由なく悪役を黒人やレズにしたとしても問題視されない』ことが大前提だろう。そうでないのなら常に逆方向の圧力がかかっているということ。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4709664111230137218/comment/oktnzm


というのがありましてね。これに対してブクマでレスポンスしたかったが、既にこういうおもしろコメントしてたので、それを消すのも勿体なかったし…

たとえば普通にヒロインの属性として「幸福の科学」信者であることとかが描かれるかもしれないね。(人口統計上は、間違いなくマイノリティの属性です)/いまそういう漫画が描けそうな人を思い出したが以下(略)
https://b.hatena.ne.jp/entry/4709664111230137218/comment/gryphon

それなので「あー、あったあった、この論点あった」「というか言ってたわー、この話、俺前に言ってたわー」と先取権をいいたくなり、それでこれ書いてる訳(笑)



この件に関して、「もちろん許容する、あまり物語上の関係は無いが、悪役やダメな役、醜悪な役の属性が、性的・民族的に”たまたまマイノリティ”なフィクションだって全然ありだ。それが多様性だ」というひとが、知性と理性に満ちたはてなブックマーカーでは多いのかもしれません。
だが、それを嫌がる層も一定数いるのも間違いないようで……


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表題の「よりによって峰田(※「僕のヒーローアカデミア」登場キャラ)がバイセクシャルとか嫌だ!!」は、結局は翻訳ミスの誤解に基づくものだったんだけど、それはバイセクシャルが嫌いな人がそう主張したんじゃなくて「峰田は滑稽でかっこよくないキャラなので、それがバイセクシャルという属性なのは好ましくない」という…



とはいえ、とある年代で「蟹座」だった世代には、自分と同じ属性のキャラがカッコ悪かったり、性格が悪かったりするのは嫌だ!という感覚が理屈抜きで分かるのではないか(笑) いや蟹座じゃないんでわからんけど。



こうブクマした。

海外ポリコレ「よりによって峰田がバイセクシャルとか嫌だ!!」 - Togetter

ふーむ興味深いね。物語内に「属性Aのキャラが 出てくる/出てこない」でも文句がくるし、属性Aのキャラが「いい役どころ/あまり良くない役どころ」でも文句がくるわけか。悪役、負け役、コメディリリーフなど…

2021/08/05 03:38
b.hatena.ne.jp

また、今は元のまとめが読めなくなっているが

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1747129
では
在日朝鮮人の男が殺人を犯すシーンが唐突に出てくれば、今の社会では、レイシズム、すなわち差別と見なされるでしょう』という話も出てきた。



それはこの作品で、作中で犯罪に及ぶ人物の「属性」についていろんな議論があったからだったな。
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そのときは こんな話を かきました(五七五)
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f:id:gryphon:20200125125920j:plain
トクサツガガガ 公式設定とはなにか

そうそう、以前は「中絶経験のあるディズニープリンセスが物語に登場すべきだ」という意見も米国にはあったそうで。

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