編集者の熊谷朋哉氏のほか
今年8月に宅八郎さんがお亡くなりになったことが発表になりました。プラスチックスの大ファンで、一時はミュージシャンとして小山田圭吾くんたちとともに立花ハジメバンドのメンバーでもありました。DJとしても「宅ザイル」として、玄人を唸らせる選曲とトラックメイキングを見せる一面もありました。
— 熊谷朋哉 (@tomoyakumagai) 2020年12月3日
こちら、作曲家の片岡宏介氏が「実弟から聞いた」と情報の伝わった経路を明示して語っている。
先ほど宅八郎さんの弟さんから電話があり、宅さんが8月に脳出血で亡くなられたとのこと。
— 片岡宏介 / IL GATTO (@KosukeKataoka) 2020年12月3日
一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています。。
個人的な交友関係がある人が、訃報を伝えたら、それ相応に扱っていいとは思うが、まだいわゆる公的な「メディア」の、大きな規模のところでは午前1時現在、報じられていない(いま、いろんなところが確認をしているのだろう)
もちろん、ここだって「ネットメディア」には違いないけど…
re-geinou.com
氏が「SPA!」や深夜番組に登場、その後コラムニストとして「噂の真相」にも登場、論争というかパフォーマンスというか、そんなことで周囲と軋轢を生み、あの「噂の真相」ですら連載を打ち切ったなんて経緯は多少見ている。
周囲とどんなふうに軋轢を生むのかについて、はてなのタグ検索で出てくる、こんな話があった
オタク評論家として知られた宅八郎さん(46)が、ミクシィの日記で実名を挙げて「ブッ殺します」などと書いて波紋を呼んでいる。過去にも雑誌などで同様なことを書いたことがあり、今回も相手への批判を誇張したものらしい。しかし、最近はネット上での「殺害予告」で逮捕されるケースが相次いでいる。今回の「殺害予告」は、許されるレベルなのだろうか。
(略)
「処刑宣告です。対応いかんですが、公開処刑を宣告します」
宅八郎さんが2009年3月19日にミクシィに書いた日記は、こんな物々しい「宣告」から始まる。そこでは、さらに、オールアバウトにテクノポップ関係の記事を書いている会社員男性ガイドの実名を挙げ、「ブッ殺します」「『地獄行き』です」とまで書いたのだ。
(略)
オタク評論家としての宅さんは、攻撃的な仕事ぶりで知られている。自らについて気に入らない書き方をされると、復讐と称して殺害予告のような「処刑宣告」をする。実際、同名の本も1995年に出版している。質問への答えを執拗に求めたケースとしては、長野県知事時代の田中康夫さんの記者会見に乗り込んで突撃公開質問を行い、話題になったことがある。
www.j-cast.com
以前の原稿ですが再録してみます。ご冥福をお祈り申し上げます。
— 久田将義 (@masayoshih) 2020年12月4日
宅八郎氏というトラウマ|久田将義・連載『偉そうにしないでください。』第七回 | Page 4 | TABLO https://t.co/UFcrCnxWAs
…「十二指腸潰瘍」になった相手は有名ライター・宅八郎氏でした。僕は今でもこの人に生理的恐怖感を持っています。何をするかわからない不気味さがあります。苦手な爬虫類、両生類と対峙した時のような感じです…
自著で、SPAの特集のこれこれを自分が担当した、と明かしていたが、「OTAKUの文化が海外でも受けている、」というのをその「SPA!」で、90年代のかなり早い時に網羅的に特集したのを覚えているが、あれはかなり先見の明があった特集だと思っています。
それ以外の多くのコラムや議論は、基本的に「not for me」で、自分的にはあまり興味が無い…だが、うち、一点だけ、今でも考えさせるものがある話題がある。
それを、自分が90年代末に書き残したテキストがあったので、再紹介させてほしい。
「当て逃げ」別件不当逮捕事件の驚くべき真相から、仇敵・小学館『週刊ポスト』を執拗に追いつめた3年間の処刑記録、前代未聞のマスコミ共犯の「小学館」襲撃まで、マスコミ報道犯罪を撃つ、復讐鬼・宅八郎の、人間狩りの書。(略)…ついでに、ある奇書を紹介しよう。宅八郎「処刑宣告」(大田出版)。一時はTVにもよく出演していた宅八郎だが、最近はほとんどTVでは見なくなったし、活字でも今はマイナー雑誌に数本のコラムを持つだけになった。当然というか、実際彼の一般的な論説やエッセイはほとんど読むべきものがない。オタクのスポークスマンの役目もいまや岡田斗司夫に独占されてしまった以上、彼の出番はないであろう。だが唯一、他の人には真似のできない分野がある。それは「個人攻撃」と「悪口」(笑)。
それまでも宅は、自分を批判した作家や編集者に、ストーキングやビラをまいたりなどのイヤガラセを行って、その一部始終を雑誌に連載するという独自の芸風を誇っていた(笑)が、あるとき「週刊ポスト」に批判記事を掲載されたのを恨み、「復讐」を開始する。すなわち週刊ポストの幹部を徹底的にストーキングし、そこで見つけた彼の女性問題を「取材」しかえすことだった(おお怖。)。
「マスコミが取材する権利があるなら「個人」だって取材の権利があるだろう」という宅の論理は、とりあえず正しいのである。週刊誌やワイドショーのムチャな取材方式をそっくりやり返すところは、議論としては詰め切れていないところもあるがいつもTVレポーターの傍若無人な振る舞いに辟易している人にとっては、一服の清涼剤になるかもしれない。
その後宅は、交通事故の関係で逮捕されたのをきっかけに一斉にワイドショーで揶揄・批判された。さあこれで収まるようなタマではない。ワイドショーを全てビデオに収めいちいち「復讐」を宣言。出所直後にわざわざ記者会見を行い、その足で週刊ポストのある小学館に乗り込んでいくのだ。記者会見の時、ビデオカメラをリポーターたちに向けその映像を「宅が自由に使います」と宣言するとリポーターの顔がこわばる…なんてくだりは、他の報道被害者も使いかねないところだ。
宅はその後、ストーカーやプライバシー暴きを対マスコミではなく、論争相手に仕掛けたりしたことで信用をなくしていくのだがそういう事は置いても、この本は賛否を超えて読まれるべきだと思う。まさに「奇書」の名に恥じないものだ。
youtube、ニコニコ動画が生まれ、ネットで誰もが発信できるようになった時、この問題は自然と継承されていき、問題は今でも現在進行形だ。
芸能人の訃報に群がる報道陣にYoutuberが突撃していくやつ。どちらの肩を持つのも嫌だが、これまでマスコミが自分達専用だと思っていた暴力装置がスマホと動画配信によってあらゆる人に行使されるようになった顕著な例であって、暴力装置と暴力装置のぶつかり合いから何が生まれるかは興味深い。
— シラカワリュウ⚡️𝙍𝙞𝙪𝙎𝙃𝙄𝙍𝘼𝙆𝘼𝙒𝘼 (@LaviverRS) 2020年10月2日
その元祖として、彼の名前が幾たびかよみがえることもあるかもしれない。
宅八郎が死んだそうなので、『宅八郎処刑宣告』という古い本を読み返している。自分のことを悪く書いた週刊誌記者を逆取材し、そいつが会社のカネでデートしたメシ代の領収書切ってる現場を押さえたり、自宅前で家族に突撃取材したり、徹底的に実名で書きこんでいく怖ろしい本である pic.twitter.com/6353RgGECn
— Arai Kaoru (@araikaoru) December 3, 2020
・これまでの既存メディアの優位は「必要なインフラが大規模で、誰でも参入できるものではなかったから」に【すぎない】。
・もしその前提が崩れ「誰でも参入できる」ものになったら、既存側の優位はあっという間に崩れる。
ひとつの記録として。「宅八郎氏が逝去(していた)」という情報が、公のものになっていく時間と推移を見守る
冒頭に記したように
宅八郎氏の、肉親レベルから直接情報を聞いた、と言明している実名アカウントは
・編集者、出版社代表の熊谷朋哉氏
・作曲家の片岡宏介氏
twitter.com
今年8月に宅八郎さんがお亡くなりになったことが発表になりました。プラスチックスの大ファンで、一時はミュージシャンとして小山田圭吾くんたちとともに立花ハジメバンドのメンバーでもありました。DJとしても「宅ザイル」として、玄人を唸らせる選曲とトラックメイキングを見せる一面もありました。
— 熊谷朋哉 (@tomoyakumagai) 2020年12月3日
熊谷氏はこのように、最初のツイートのあと、竹熊健太郎氏とやりとりをして、奥様から聞いたと明言している(結婚していたことにおどろく人もいた)。
これが2020年12月3日午後10時2分。
宅八郎死亡説は以前にも流れたことがあり、そのときは本人が出てきて否定しました。8月に死亡したとの発表があったそうですが、どこで誰が発表したのか、ソースがあればお願いします。
— 竹熊健太郎《地球人》 (@kentaro666) 2020年12月3日
ご無沙汰しております。
— 熊谷朋哉 (@tomoyakumagai) 2020年12月3日
奥様からのご連絡です。
twitter.com
・片岡氏も「実弟から聞いた」と情報の伝わった経路を明示している。こちらも2020年12月3日、午後10時13分
先ほど宅八郎さんの弟さんから電話があり、宅さんが8月に脳出血で亡くなられたとのこと。
— 片岡宏介 / IL GATTO (@KosukeKataoka) 2020年12月3日
一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています。。
どこからどこまでを「ネットニュースサイト」として扱うか、実質的には個人ブログ、まとめサイトじゃないのか?の区分はまったく不明瞭であると断ったうえで、ネットニュースかなーと思うところを挙げると
冒頭に記した「RE:GEINOU」というところ(タイムスタンプは無し。12月3日の日付)
re-geinou.com
公式ツイートがUPと連動しているなら午後11:27 · 2020年12月3日·
おたく評論家・宅八郎さん「今年8月に脳出血で逝去」 https://t.co/HrtQdzYanF
— 芸能ニュース Re:GEINOU (@regeinou) 2020年12月3日
運営会社
re-geinou.com
この運営会社は「ニコニコニュース」にも配信している。
news.nicovideo.jp
「秒刊サンデー」が→2020/12/04 7:41
yukawanet.com
運営会社
yukawanet.com
それ以降、いま2020年12月4日の午前8時段階で確認する限りでは、紙印刷メディア、電波メディア(がもつネットコンテンツ)で、この「宅八郎氏が逝去していた」という情報を公に流したところは、少なくとも観測範囲では無いようだ。
そして当方が念押しというか、その「報じられていないね」というテーマでツイートした。
【メモ】「宅八郎氏が逝去」という情報、2020年12月4日午前8時現在、取り上げた紙印刷メディア、電波メディアってまだ無し…ですかね?どこかありましたか?(情報募集)親交ある著名人がネットではツイートしたが、なかなか公的に確認できず報じられない…というと小室直樹氏思い出す。黒崎健時氏も
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) December 3, 2020
よく考えたら報知、スポニチ、東スポあたりは「著名人が〇〇とネットでツイートした」をそのままニュースとして流す…というのをよくやってる(議論はあるとこだが、最終的にはアリだと思う)。でもそういうとこも「訃報」情報だと躊躇する…という姿はいろいろ示唆的かも。https://t.co/hCTLUqvSND
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2020年12月3日
続報 スポーツ報知(独自取材か通信社の配信かは不明)が「親族が明らかにした」をソースに午後1時報じ「大手メディアの報道」が成立。
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2020年12月4日
おたく評論家・宅八郎さん、今年8月に死去していた 57歳 脳出血のため 5月に自宅で倒れる
2020年12月4日 13時3分スポーツ報知 https://t.co/DJhQSPJl7L
【参考】小室直樹氏の例
今このブログの古い記事を確認したが、政治学者・小室直樹氏は2010年9月11日、ネット上で弟子にあたる著名人の副島隆彦氏がすでに逝去を知らせる文章を書いたが、
m-dojo.hatenadiary.com
公式に確認され、大手メディアの記事になったのはその月の終わりだった。20日近く、未確認情報のままだったのだ。
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