このまとめに当方がつけたブクマがこちら
載ってたね。/ただ、掲載だけで価値があるけど北野武が晩年の黒沢映画を評した「これは達人の演武。見て『全盛期は凄かっただろう』と思うべきもの」が当てはまる。実際、49巻で今回と似たギャグやったが大爆笑ネタ
https://b.hatena.ne.jp/entry/4688798489177468482/comment/gryphon
この「今のこち亀は年配の達人の演武のようなもの」というたとえは何度もやっている。
別に悪いことではなく、きちっとした型、演武をやれるというだけで、ご高齢の方の節制や技術、往年の強さなどを証明するものだし、実際にこち亀という作品世界が「続いてる」というだけで、なんとも嬉しいものがあるのだ。
ましてや、「オリンピックの年だけに登場するキャラクターがいる」という長期連載でないと存在し得ない構造的ギャグを、こういう形で継続することは社会的偉業というものだ。
ほら、ニュースにもなるでしょ
mainichi.jp
5ページというミニミニの短編ではあるけれどオリンピックのほうが異例の一年延期となったことにもうまく合わせて、その記録が続いたこと、それだけで価値は絶大過ぎる。
ただ、だからこそ、日暮が最初期に登場したその時代は、「こち亀」が作品としての全盛期を迎えていた時とも重なり、漫画的にすさまじい面白さであった、と伝える意義はあろう。
というか、漫画的にとんでもない面白さだったからこそ「4年に一度登場」というむちゃくちゃなフォーマットが期待され、繰り返されたのだから。
■収録内容
1980年:うらしまポリス!?の巻(JC21巻収録)
1984年:五輪(ルビ:オリンピック)男・日暮再登場の巻 (JC41巻収録)
1986年:オリンピックにゃまだ早いの巻(JC49巻収録)
1988年:五輪男(ルビ:オリンピックボーイ)・日暮巡査の秘密!の巻(JC62巻収録)
1992年:忘れて!日暮くん…の巻(JC81巻収録)
1996年:日暮巡査の潜在能力!?の巻(JC100巻収録)
2000年:2000年9月 4年ぶりにあいつが登場する!!の巻(JC123巻収録)
2004年:4年に一度の日暮祭(ルビ:ひぐらしまつり)の巻(JC144巻収録)
2008年:日暮登場の巻(JC165巻収録)
2012年:オリンピックだよ日暮集合!の巻(JC186巻収録)
2016年:40周年の日暮はどこだ!?の巻(「こち亀ジャンプ」掲載)
以下、たまたま見つかった2回目登場の時の画像より…
「古い寮を壊して、全面的に建て替えた」は本編で少し前にやった話で、だからこそ設定上は大きな矛盾なのだけど、そこはギャグマンガの良さで「理屈はわからんが、全面的に建て替えたのに日暮の部屋だけはそのままなんだよ、ほら!!」とそのまんまギャグにするのが、細かい設定でのフォロー以上にフォローになっていた。
このギャグは感動のあまり、チーズの歴史をたどった本の書評時にもコマを紹介してた(笑)
m-dojo.hatenadiary.com
そしてさ、最初に紹介したまとめで絶賛されている、「1コマの情報量」「張り紙が面白い」だが…
今週ジャンプで特別掲載の『こち亀』、1コマで面白くてずるいw pic.twitter.com/60aRIdf0tm
— さめぱ (@samepacola) July 19, 2020
4年に一度起きる日暮熟睡男のリアクションは注目。「こち亀」は時事ネタを1コマでちゃんと反映させている。
— RB9_ZZT231 (@RB9_ZZT231) 2020年7月20日
パトカーのフロントガラスに「消毒済」は草しか生えん。 https://t.co/D9jBH93MUU
これこそまさに「今のこち亀は、往年のすごさを型で見せている『演武』」「これを契機に、かつての実力に興味を持ってもらえれば」というゆえんだ。
そもそも、こち亀の全盛時とは、そのままこの「看板・張り紙にまでギャグを密集させている」ところから始まった、と言ってもいいのだから。
今回、見つけられなかったけど、両さんが税務署に抗議に行く回では「納税はおはやめに 脱税はひかえめに」というとんでもない垂れ幕が建物に貼ってあったな…