おれはもう買ってんだ。君たちのために、注意喚起をしておる。（最終日「らしい」んだが、確信はない）
この前紹介した、この話ね。
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しかし、この作品をどう面白いか、いかに頭をひねって文章を書いても、引用紹介するのにかなわないんだよチクショー。
補助線として、作者の唐沢なをき氏と共著「とりから往復書簡」も出している盟友…
とり・みき氏が書いた、こういう文章を紹介しよう
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ギャグ漫画とコメディ漫画の違いはなんだろうと考えたとき、前者は「漫画の文法や約束ごとをも笑いの対象にしている」ことがあげられると思う。換言すれば「作中人物が、フキダシもバックもベタもコマ割りも、そして自分もひとつの記号にすぎないと認識している」のがギャグ漫画なのである。
もっとわかりやすくいえば、コメディやストーリー漫画の登場人物は、手足がバラバラになってまた復活したり、コマやフキダシを破いたり、いきなり作中に登場した作者と話したりはしない。
この手のギャグを、私は漫画をかきはじめた頃、まったく無意識のうちに多用し、しょっちゅう編集者から注意を受けていた。私がこれこそがギャグ漫画の、いや漫画のもっとも面白い要素だ、と固く信じていた、まさにその部分を、彼らは「単なる楽屋落ち」「アマチュアリズム」「内輪受け」などと呼んで嫌った。私は本当に驚いたのを覚えている。
なぜなら私に彼らのいう「楽屋落ち」を多用させた人物こそ、他ならぬ戦後漫画の創始者、手塚治虫だったからだ。彼は自らが確立したそのスタイルを、だからこそ単なる記号に過ぎぬともっとも認識していた漫画家だった…（後略）
※こんなブクマが寄せられた
99円セール最終日？ 実験的ギャグを極めた唐沢なをき「カスミ伝」シリーズを買い逃すな！ - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-b.hatena.ne.jp
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この流れでとり・みきの文章を引用するのなら、彼のメタフィジカルギャグの傑作『ポリタン』も読んでほしい。…今は入手が難しいかなあ。
2024/03/25 21:58
「メタフィジカルギャグ」という言葉もあるのね。とり・みき作品をまとめていつでも読めるようにする意志がご本人に強くあれば、こういう廉価な電書やサブスク（Amazonプライム）提供や、自分の会社からのセルフパブリッシュ（電書）などいろいろありそうなのだが、どうもそのへんは淡々としているようだ。
そう、手塚治虫がやりはじめて、赤塚不二夫が「早く終わらせて銀座に飲みに行きたい」などの不純な理由で拡大した（笑）、漫画の大ゴマやらベタやらを、そのものをネタにした「壮大なる楽屋オチ」、言い方を変えれば「漫画の文法そのものをネタにする」ギャグで……
それをやって名を挙げた人は沢山いよう。
手塚赤塚はもちろんだし、ひとつ前の記事で紹介した上野顕太郎。
人気投票とかまでネタにしまくった「銀魂」の空知英秋。
SKETDANCEでは、漫画の表現と現実世界を自由自在に行き来する特殊能力を持った早乙女ロマン、ウィッチウォッチでは魔法の中にそういうネタを盛り込んだ篠原健太。
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その篠原健太もお手本とする、星逃田登場など、メタネタ回の傑作エピソードも多数残した「こち亀」。
※カスミ伝でも使われた、ページを上下に分けて別々に進行させ、途中でそれを交流させるなんてネタもやってた。
しかし、そういう作品はあくまで時々放つトリッキーな変化球。
それに対して、唐沢なおきの「カスミ伝」シリーズは「巨人の星」星飛雄馬の大リーグボールか、「グラゼニ」凡田夏之介のナックルかというぐらいに変化球メインで押していき、ワンアンドオンリーの金字塔を成し遂げた…というかその種のギャグをやりすぎて、ほぼ極まってしまい、あとにはぺんぺん草も残らない状態になった（笑）それが、上の惨状…だ。
途中で自分で「それにしても作者はマンガと読者をなめきってますね」と（笑）
これによって、唐沢氏は「実験漫画の雄」としての地位を不動のものにしたのであった。
さらに、もっとひでぇ漫画テロもある。
以下の忍法に感銘を受けたわたくしは、このページと次のページを拡大コピーしていろんなひとにお見せしたが、ほぼ例外なく怒られた（笑）
