ソウル支局員時代に書いた21本目の特派員メモが、本日朝刊に掲載されました。韓国の知人と新年会を兼ねて訪ねた日本式居酒屋の話。社会部に異動しましたが、ソウルで書いた未掲載の記事がもう一本残っています…(特派員メモ ソウル)日本式居酒屋の看板:朝日新聞デジタル https://t.co/LbhUC9ORb1
— 武田 肇 / Hajimu Takeda (@hajimaru2) January 19, 2020
digital.asahi.com
「入り口に、御社の看板が掛かる日本式居酒屋があるんですよ」。日本メディアの先輩特派員から気になる話を聞き、新年会を兼ねて韓国の知人と訪ねた。
ソウル駅に近い繁華街にある雑居ビル2階。階段を上がると、「営業中」と日本語の札が掛かる引き戸の脇に「朝日新聞」と記されたホーローの看板があった。ところどころさびが浮き、かつて日本国内の新聞販売所に掛かっていた本物……
1行目から引き込まれますね。ぶっちゃけ、これだけで大スクープだと思う。これ、写真が見たかった!
なぜ、「御社」=朝日新聞の看板がかかっている店がソウルにあると大スクープなのか。
いうまでもない。こんなマークだからだ。
もちろん、以前武田記者ご本人がツイートしていたが、朝日新聞の社旗社章と日本軍軍旗は直接的な関連性はないのだという。
【軍旗としての旭日旗と朝日新聞社旗の違いについて】 結論を最初に書きますと、軍旗としての旭日旗と朝日新聞社旗は「太陽と光をデザインしたもの」であることは共通していますが、意匠や歴史はまったく異なります。朝日新聞社が軍旗をまねたという説は事実でありません。1→@Che_SYoung
— 武田 肇 / Hajimu Takeda (@hajimaru2) 2013年10月30日
ちょっとタイトルが煽り気味で、編集者自ら資料価値を損なっているのが残念だが、まとめになっている。
togetter.com
だが、今現在、そもそも完全に軍旗として定義される旭日デザイン以外の類似(に見える)ものにまで批判の範囲を広げているのは先方だからなぁ……
全部引用したいところだけど、要点だけ記す
・お店は韓国人店主の経営
・昭和風のレトロな雰囲気を演出している
・それに合っているので古道具屋で購入した
のだという……
さて、お待ちかねの「それ、批判はされないのか??」だが、
時々、怒って帰る客もいると聞いた。看板に描かれた社旗が、韓国で軍国主義の象徴と批判される(※伝聞系な書き方なことに注目!)旭日(きょくじつ)旗とデザインが似ているからだ。「マイナスもありますが、うちのお店になくてはならない小道具なので、撤去は考えていません」
ぶわはははは。
これにて一件落着。
サッカー場でも五輪会場でも「なくてはならない小道具です」でいーんじゃないか、こうなったらもう(笑)
あるいは、こうパロりませうか。
てか、今回も「韓国で軍国主義の象徴と批判される」と、自分がそう思っているわけではない、という書き方であるのに加えて、2013年にそもそも武田氏もこう語っている。
韓国で旭日旗への厳しい批判があるのは、私もメディアを通じて知っています。ただ、韓国社会で旭日旗が問題視され始めたのはごく最近で、必ずしも「歴史」と直結していないのではないでしょうか。しかし、どんな思いを持つか、日本人の私が立ち入るべき問題ではありません。8→@Che_SYoung
— 武田 肇 / Hajimu Takeda (@hajimaru2) October 30, 2013
『問題視され始めたのはごく最近』
『必ずしも「歴史」と直結していない』
そんな武田氏は既にソウル支局から異動し、社会部に行かれているとのこと。お疲れさまでした。
しかし、この店いま、コラムが翻訳されて追及されたりしてないだろうかな???
せっかくだから特派員繋がりで。毎日新聞・澤田克己特派員が新著
『反日韓国という幻想』毎日新聞出版から2020年2月15日発売。やっと書名が確定しました。文在寅政権の強引な積弊精算や対日政策の問題点、それをきちんと評価できていない安倍政権をはじめとする日本側の思い込み。どちらにも寄り添わず、冷たい視線で眺めたつもりです。
— 澤田克己『反日韓国という幻想』2月15日発売 (@SawadaKatsumi) December 26, 2019
○本当は力がない「慰安婦団体」
○韓国人は「徴用工問題」を知らない
○日本のコンテンツが韓国の地上波で流れない「ほんとうの理由」
○『反日種族主義』があえて書かなかった事実 ・・・・・・etc.「嫌韓」の根拠、「韓国は反日」は本当なのか?
気鋭のジャーナリストが、「反日神話」の虚構を暴く!
〈目次〉
プロローグ: 「ソウル日本大使館前」慰安婦少女像の真実第1章 文在寅政権は「反日」なのか 『反日種族主義』大ヒットの理由/ 『反日種族主義』に書かれなかったこと/ 「文在寅は北朝鮮に操られている」は本当か/ 「主体思想」になびく韓国の民族派/国防予算を拡大する文在寅政権/なぜ韓国は北朝鮮を敵視しないのか/日米からの自立にかける韓国の「本気度」/文在寅の韓国は「完全に新しい国」/「正しさ」を重視する韓国の政治文化/ 「曺国」スキャンダルはなぜ起きたのか
第2章 日本の気持ちになぜ鈍感なのか
日本製品不買運動の正体/ 「ホワイト国外し」韓国はこう解釈した/ 「ノー安倍ならOK」という勘ちがい/本当は関心が低い「慰安婦問題」/過大評価される「反日」慰安婦団体第3章 韓国が突きつける挑戦状
徴用工判決の衝撃/歴史認識は外交テーマではなかった/ 「65年体制」に挑戦する韓国/日韓の力関係がついに並んだ/韓国から見た「ポスト冷戦の世界」/なぜ韓国は「正しさ」を重視するのか第4章 観念論の韓国、経験論の日本
南北統一の「夢」はかなうのか/ 「皮算用」に踊る青瓦台/南北統一に抱く韓国人の本音/ 「失われた20年」の予感におびえる韓国/ジム・ロジャース氏の「予測」をもてはやす理由第5章 韓国好きの若者と、韓国嫌いの中高年男性
日本の中高生はなぜ「韓国が大好き」なのか/世界中で「韓流」がヒットする理由/韓国に「あこがれる」日本の若者/日本を席巻する「第3次韓流ブーム」の正体/なぜ韓国を「上から目線」で見てしまうのか/ 「嫌韓ネトウヨ」実はこんな人だった/なぜ「嫌中」は盛り上がらないのかエピローグ:日韓は仲良くする「べき」なのか
安倍首相の祖父が日韓正常化を急いだ理由/日本にとって韓国がより「重要な国」に/日韓が仲良くするメリットはあるか/日本と韓国の「本質的な違い」
著者について
澤田克己(さわだ・かつみ)
毎日新聞外信部長。1967年埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。
在学中、延世大学(ソウル)で韓国語を学ぶ。1991年毎日新聞社入社。政治部などを経てソウル特派員を計8年半、ジュネーブ特派員を4年務める。2018年より現職。 著書に『「脱日」する韓国』(ユビキタスタジオ)、『韓国「反日」の真相』(文春新書、アジア・太平洋賞特別賞)『新版 北朝鮮入門』(礒﨑敦仁との共著、東洋経済新報社)など多数。