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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

【※台風19号被害で中止となりました】川崎で「のらくろ展」。だが、残念ながら集客苦戦…

追記 この催しは、台風19号被害で中止となりました

 東日本を縦断し大雨をもたらした台風19号の影響で、川崎市川崎市市民ミュージアムの地下部分が水没した。地下には、19世紀末のロートレックのポスターなど約23万点のコレクションを保管する収蔵庫があり、同館は貴重な資料に影響が出ていないか心配している。電気設備が使用できなくなったため、同館は当分の間、全面休館を決定。開催したばかりの「田河水泡と子供マンガの遊園地」展などを中止とした。
mainichi.jp

お見舞い申し上げます


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のらくろ展 川崎で2019年秋









www.kawasaki-museum.jp

ああ、そうだろうなあ…と思う。
自分は、たぶんはてなでも一番田河水泡のらくろを語ってきたと思う。大の田河ファンだ。
ただ、それがなぜかというと、「のらくろが図書館にあったから」である。
なぜあったか。これは本当にリアルタイムでのらくろに接していた世代がおちついて、大人、壮年になった70年代半ば?に、のらくろが戦前と同じような形で復刻され、かなりのベストセラーになったからである。
と同時に、まだ漫画文化はフォーマルなものではなく、公の、図書館みたいなところの間口は非常に狭かった。その時代に、図書館が「まあこれは教養、文化であろう」とお墨付きを与えたのが手塚治虫や、はだしのゲンや、学習マンガや、そして「大人が認めた」のらくろ程度だったのですよ。そんな限られた場所に、そういう本「だけ」入っていたから、子供たちはある意味仕方なくというか、必然的にそれを読んだ。
(だからいま「はだしのゲン」の読まれる機会も減っていると思いますよ。仮に置かれていても、図書館漫画の「分母」が以前とはちがう。)
今は、その当時図書館が購入した本もぼろぼろの廃棄処分だろう。そして図書館と漫画文化自体が大きく変わり、漫画はメインカルチャー。図書館に漫画コーナーが置かれるとして、藤子も赤塚も石ノ森も…予算やスペースで、田河本より優先すべき本はやまほどあるだろう。
逆に言えば、「田河水泡の漫画」は一回、かろうじて1970〜80年代には「世代継承」に成功した。ただそれが、もう一回の継承はならなかったのだろう。


マンガ単体としては、落語作家でもある田河の作品は、今でも面白い部分は非常にある。豚勝将軍が主人公に、本当に落語仕立てで語られる回もあって、それはSF的なテイストもあって、非常におもろいがな。
「だが」、でもあり、「さらに」でもあるが……もちろん一昔どころか七昔ぐらい前の作品で、大時代的なマンガ文法、演出、セリフ回し…などが、たくまざるギャグになっているところも十二分にある。
横山光輝の漫画における文法や演出が、ほぼギャグとして受け止められるようなものの、さらに旧時代版だね


子どもにとっては旧仮名遣い自体が面白いギャグで、セリフが流行ったりした(このおかげで、旧仮名遣いを相当に自分は違和感なくすらすら読める)。

そんなかたちであっても、非常に読んで損はない話。そしてこの企画展も見に行ってほしいし、自分も見に行きたい(台風がなければ、週末になあ…)

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mangayomu.biz
最後に。
物販ブースで販売していた図録が、とにかく出来が素晴らしい。
展示会の内容がフォローされているのはもちろん、資料性も高いので、実に貴重な労作だ。
これはぜひ手に入れてほしい(税込み1980円)。

江東区の常設「のらくろ館」について

そう、ひとつ言っておくけど、今回の川崎の企画展とは別に、江東区には常設の「のらくろ館」があるのです。
自分は3回ほど行ったのかな。両国国技館(週末はONEだね)や「東京都現代美術館」から歩いて行けるような場所だし、そこだけでなく近くの商店街が「のらくろード」というのをやっているので、ぜひ機会あれば。

www.kcf.or.jp

漫画「のらくろ」の作者・田河水泡の作品や
愛用の品々を展示しています

田河水泡(本名:高見澤仲太郎 1899-1989)は、幼少期から青年期までを江東区で過ごした、本区ゆかりの漫画家です。
昭和6年(1931年)、大日本雄辯會講談社(現・講談社)の雑誌「少年倶楽部」に『のらくろ二等卒』を発表、爆発的な人気を博し、昭和初期を代表する漫画家となりました。
漫画「のらくろ」は、身寄りのない野良犬・のらくろが猛犬連隊という犬の軍隊へ入隊し活躍する物語です。最初は二等卒(二等兵)でしたが、徐々に階級を上げ、最終的には大尉まで昇進します。
自分の境遇にもめげず、明るく楽しく元気よく出世していくその姿を、当時のこども達は愛情を込めて応援しました。
平成10年(1998年)、ご遺族から作品や書斎机などの遺品が本区に寄贈されたことから、田河水泡が生涯愛し、その作品にも大きな影響を及ぼした深川の地に、平成11年(1999年)、「田河水泡のらくろ館」が開館しました。


開館時間 9:00~21:00
休館日 第1・3月曜日(祝日の場合は開館)及び年末年始
観覧料 無料