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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

評伝「蛸の八ちゃん」―ある近代革命家の肖像(田河水泡「蛸の八ちゃん」より)

「たこの八ちゃん」という言い方、かすかに耳にしたことがあるというかたは多いかもしれない。
あしが八本なので、八ちゃん。わかるようでいて、よくわからない名前の付け方だ。
「よっちゃん」という名前は犬や猫といった、脚が四本の動物につけられることもなく、むしろ足が10本のイカの名前として人口に膾炙していることを考えれば、ますます珍妙だ。

しかし、実は蛸の八ちゃんとは、固有名詞であると知れば、話は早いのだ。

のらくろ」で知られる田河水泡が、戦前にその事績を紹介し、戦前ではよく知られた、たこなのである。

長年、人類の敵であるたこを研究していた筆者は縁あって、彼の歩みを記した記録を持っている。

日本国民にとっては幸いなことに、のちに国会図書館デジタルアーカイブとして一般公開した資料もある。
多少の異動はあるが、ほぼ上の、筆者が持っている資料と同じだ。
国立国会図書館デジタルコレクション - 蛸の八ちゃん http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168970


そして、彼の歩みを知って以来、この「蛸の八ちゃん」とは一種の<啓蒙的政治家、近代化を推進する革命家>であるとの意を強くした。
また、流行りに乗って言えば、異世界の住民(たこ)が人間界の優れた文明文化を発見し、驚愕し、感動し、それを参考に学んでいく姿を見る「異世界ファンタジー」だとみることもできる
(この種の異世界ファンタジーは、今でもさまざまにあろう。自分は実際のとこ詳しくないが「ゲート」「アウトブレイクカンパニー」「異世界食堂」などはそれに似ているだろうし、「ドリトル先生の郵便局」やP・アンダーソンの「ホーカ星」シリーズも似ているのではないか)

地球人のお荷物―ホーカ・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)

地球人のお荷物―ホーカ・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)

今は残念ながら、たこは人類の敵である。だが、このひとりのたこの挑戦を見るにつけ、たこが近代化を推進したこの奇跡の時代が、順調に継承されていれば、人間と蛸が争う不毛な時代とは別の未来があり得たのだという思いを強くし続けている。

そんな思いを込めて、個々に資料を再構成し、「蛸の八ちゃん」の歩みを振り返りたい。
まだ日本のネット界には「蛸の八ちゃん」を詳しく紹介した資料は少ない。多くの他の研究者にみちを拓く、前触れとはなろう。

評伝 蛸の八ちゃん

蛸の八ちゃん その「文明」への興味と、時代的背景

 蛸の八ちゃんの個人的来歴については資料が少ないが、生まれた年ははっきりしている。
昭和6年、 1931年の生まれ。存命なら2018年現在、87歳。

これから述べていくことになる、蛸の八ちゃんの近代革命のあゆみは、特異かつ創造的なものに見えて、その時代の思想的影響を、 間違いなく色濃く受けている。
具体的に言うなら、当時まさにその真最中だった、ムスタファ・ケマル・アタテュルクによる トルコ革命が大きく、蛸の八ちゃんのその後の近代化革命のモデルになったとみて、ほぼ差し支えない。

たこは世界中にネットワークを持っているが、特にタコ食を好む人間との接点、関係性という点では日本近海と地中海近くの海では同じような文化や社会構造がたこの中にあり、 交流も盛んであった。
また、 明治維新に刺激されて行われたというトルコ革命は、日本における「昭和維新」「第二維新」運動にも大きく影響を与えた 。トルコ公使館附武官だだった橋本欣五郎が、その後戦犯として裁かれたように、多く当時の日本には負の影響を与えたが、蛸の八ちゃんトルコ革命から、近代化に必要なエッセンスだけを抜き出し、また民主的プロセスという点についてはトルコ以上に配慮した改革をおし進めた。
以下、 我々は日本近海のタコ社会において生まれた奇跡的な近代化と、それに命をかけた政治家の生涯を見ていこうと思う。


命がけの人間界留学

たこのはっちゃんが、人間界の近代文明を初めて意識したのは「たこつぼ」であった。
指導者としてタコツボの危険性を若いたこたちに 教える役目であった八ちゃん。だが、彼は逆にたこ界にに侵略の手を伸ばすこの工夫から、人間文明の発展と優位性を感じたのだ。その時点で、やはり並みのたこではない 。
しかし、それだけなら優秀なたこというだけである。
八ちゃんには、凡百の優等生の限界を超えるような、異様なまでの行動力とそれを支える一種の狂気があった。人間社会でそれを類推するなら、その行動から考えてもやはり吉田松陰を想像するしかない。実際その後の蛸の八ちゃんは、吉田松陰大久保利通福沢諭吉渋沢栄一を全て一身に合体させたかのごとき活動を展開するのである。

なんと蛸の八ちゃんは、 人間がたこを拉致するために設置されたタコツボに飛び乗り、その漁師の船を持って人間界に渡航せんと企てたのだった。あまりに成功の確率は低い博打であった。
しかし歴史はここに奇跡を用意する。
タコツボを引き上げた漁師は人間界に学ぼうと単身、たこつぼに入った蛸の八ちゃんの志を大いに称賛し、自宅に招き客人として遇した。独立不羈と自助努力、度胸と義侠心を重んじる漁師文化の最良の結晶であった この人物の具体的な経歴は、 残念ながら歴史は沈黙している。その後発展したたこのはっちゃんの政府は、この功労者を経済的にも名誉的にも遇しようとしたら、漁師がその一切を辞退したがゆえである。ただ、漁師の地元では常に、彼がたこのはっちゃんの近代革命のゆくえを気にかけ、八ちゃんを「わしの倅」と呼んでいた―との話が伝わっているのみである。

帰化も考え、起業もした青春時代

首尾よく人間社会への留学を果たした蛸の八ちゃんは、貪欲なまでにその文明を吸収していった。
お米を炊いてご飯を食べる、枕と布団で寝る、 ねずみとの遭遇まで、全てが感動の中に刻まれた知識であった。
当時の、彼の感慨が記録に残っている
「川があれば橋をかけるし
雨が降れば傘をさすし 
人間は知恵があるなあ」

多くの留学生が今でもそうであり、途上国では問題の一つになってるように、留学先の文明に過度に染まり、自分の出生国をいやしみ、学んだことを地元に還元するのではなく、その国に完全に音を下ろそうとすることがある―それは個々人の選択として、決して否定されるものではないが。
蛸の八ちゃんも、人間社会の文明文化に驚愕のあまり、人間界への帰化を考えることもあったという。
しかし、やはり大物である蛸の八ちゃん帰化に関しても発想のスケールが違った。なんと、漫画界の神である「作者」を訪問し、自らを人間に書き直してほしいと懇願したのである。

結果的に「蛸の八ちゃん」は、日本漫画界で本格的にメタフィクションを突き詰めた作品として評価されることにもなった。
この懇願は結局うまくいかなかったが、そこで作者と交流を深めた蛸の八ちゃんは後のトレードマークである 背広や眼鏡に接してファッションを知ることになったり、近代化に必要なものはなんといっても財政的な裏付けであることを教えてもらったり…と、後に蛸の八ちゃんが推し進めた近代化革命にも重要な役割を果たすのである。

その後も広告宣伝業界や警備業界に関わったり、自ら起業したりと ビジネス界での経験を積んだ蛸の八ちゃん福沢諭吉の「福翁自伝」のような、明るく気ままな生活を送っていた彼は、実際にそのまま人間界に腰を据えても、十分な成功したであろう。

しかし、蛸の八ちゃんはやはりたこであった。
彼は海に帰り、そこで一大決心を表明するのである


たこ界への帰還と、伝説の「岩上演説」

上下の背広に、船長の帽子に鼻眼鏡という昭和モダニズムを象徴する装いで帰ってきた蛸の八ちゃんは、民衆に概ね好意を持って受け入れられ 、「紳士」というあだ名で親しまれたという。おそらくの外見の装いは、戦略的なものであったろう。彼は見た目において「近代文明」とは何かを、たこの民衆に印象付けさせ、そこで政治的な主導権をとることを狙った。
それに成功した蛸の八ちゃんは、一気呵成に権力の掌握を目論む。とはいえ、一切の武力や暴力は用いなかった。ただ言葉によって、そのロジックとパトスによって、たこ国家の構造的な一新、すなわち「革命」をおこさんとしたのである。

演説はごく短いものであった。

「みんな集まってこい
そしてぼくの いやわがはいの演説を聞いてくれ
わがはいは人間の世界へ行ってみたが
実に便利にできている
我々蛸も
海の中にばかりいないで
陸上に住んで人間の真似をしていきたいと思うのだ 
どうだ諸君賛成しないか」


今演説を見直すと、あまりの率直さに驚く。
たこにおけるたこ第一主義、人間との対立や人間界への侵略を思想的使命とみなす 排外主義、ナショナリズム…などとは正反対に位置し、近代革命のまずスタート地点は、人間界の模倣であることをはっきりと認めるところから成立することを訴えている。
ただ注目しなければいけないのは、人間界の文明を「便利にできている」という、ごく即物的な問題として捉えていることだ。一度は過去を捨てて人間になりたいとまで熱望した蛸の八ちゃんだが、すでにこの時代には透徹したプラグマティズムの元で人間文明を把握する余裕があった。
蛸の八ちゃんがその後の近代革命に成功する根本は、 ここにあったのであろう。

この演説は、すでに子だこを中心に蛸の八ちゃんの熱狂的な信奉者で結成された「青年たこ党」空の圧倒的な支持もあり、国家の基本方針に据えられることになる。
いよいよ、蛸の八ちゃんによる近代革命がスタートすることになった 


第二部 蛸八国の建国と発展

経済なくして国家なし されど民間の創意なくして経済なし

こうやって指導体制を確立した蛸の八ちゃんだが、その建国の過程で評価に値するのは、やはりなんといっても国家財政というものを最優先し、産業体制の構築を最初に目指したことだろう。
 早急に文明の利便を享受したい、生活の向上や社会インフラを求める民衆にこう理解を求める記録が残っている。
「ところが
人間の世界は
着物を着るにも
ご飯を食べるにもお金がいるのだ」

さらに評価すべきなのは、この時安易な国策産業、上からの指導体制による生産を進めるのではなく、民間から大いに産業を起こすことを奨励したことである。
「とにかく明日の朝までにお金を儲けることを考えてこい」

一方で個人的には権力を一身に集めた蛸の八ちゃんだが、率先して清貧であることを推奨した。人間界留学時代には、布団がいかに快適であるかをよく知っており、文明の便利の第一としていた彼だが、自ら「野宿をする」と宣言し、それを実行したのは一種のパフォーマンスでもあり、建国時代の腐敗がいかに国家のゆくすえを誤らせるかを知っていたからだろう 。



人身売買、労働力輸出の否定 そして資源発掘と輸出の成功

蛸の八ちゃんの建国時の経済運営について、もう少し紹介を続ける。なぜならこの時は多くの失敗もあり、そしてその失敗にこそ、蛸の八ちゃんの近代革命家 としての資質を成功以上に示しているからだ。

先ほど示したように、蛸の八ちゃんは国家運営には経済的な基盤が必須であり、そのために民間から大いに産業が勃興するよう促した。ただ初期資本主義経済が勃興すると、その中で労働者の福祉、 人権に配慮することは後回しとなることが多い。
この建国当時、外貨を獲得するために驚きの案が進もうとしていた。
「タコがたくさんいるのだからタコを売ればいいだろう」
「蛸屋を開業して、ゆでだこだの生ダコを売れば儲かるよ」

驚きの露骨な人身売買、労働力輸出であるが、開発のための外貨獲得に奔走する国家が、国民の労働力をこそ輸出品とする例は、 枚挙に暇がない。あるいはスイスのように、傭兵として労働力では軍事力を提供する「血の輸出品」の例もある。

今も人間を情け容赦なく襲う、恐怖のオクトパス集団。キングコングと勇敢に戦い、フランケンシュタインと引き分けたタコの武力をもってすれば傭兵としての需要も多かったろう。


ただここで、蛸の八ちゃんは、穏健な形で民衆の軌道を修正している。

「君達がそう決心したのなら 蛸屋になってタコを売ろう」
と認めたようでいて、そこから「結局誰もゆでだこになりたくない」という至極当然な道理を導き出し、この蛸屋計画は頓挫した。 そして「もっと頭をひねって知恵を出せ」と、布告したのである。
非暴力による政権掌握と並んで、 この時穏健な形で、人身売買・労働力輸出による外貨獲得を阻止したことは、蛸の八ちゃんの建国史において特筆されるべきだろう。

その直後、この国はサンゴ、真珠などの豊富な海産資源物を発掘し、それを人間界に輸出する経済サイクルを発見し、 確立させることで、財政問題は基本的に解決し、極めて豊かな国家として発展の階段の第一歩を踏み出す。豊富な石炭資源や貴金属の資源を持ちながら、一党独裁のもとで核・ミサイル開発に狂奔したため国民が苦難を味わった失敗国家との比較が否応なく頭をよぎるが、それはわきに置こう。
 


若き2人のリーダーが台頭

この海産物資源の発掘や輸出を主導したのは 、若い次世代のリーダーであった「キンチャク」と「ビリケン」だった。この二人のタコは、すぐに見出され政府の中枢で大きな任を担い、後に「蛸八国の双璧」と称されるのである。
政権の要職についた彼らは特別な着物を着用することを許されるが、彼らが選んだのは詰襟の学生服であった。 自分たちの若さを欠点ではなくむしろ誇りと考え、また学問教育というものへの特別なリスペクトを表すものであり、それが政権の方針だった。

実際、海産物輸出資源の獲得で財政的に潤った蛸の八ちゃん政府は、その資産を惜しげもなく教育方面の政策に費やすのである。


はじまる子だこ教育

前述のように珊瑚や真珠の販売によって膨大な国家予算を手にした蛸の八ちゃんは、まず二人の若いリーダーに学生服を着せたように、子だこたちに一気に水兵の服装を買い与える。
これが真っ先に蛸の八ちゃんが行った予算措置だった。近代文明をもたらす時、形から入らなければいけない面はどうしてもある。
ふくという文明の産物をまず日常の中に浸透させることによって、近代革命への拒否感を減らすという巧妙な措置であった。
これによってさらに政権への支持が高まったのを受けて、蛸の八ちゃんは満を持して近代教育の普及に乗り出す。この時多忙極まりない政権運営をしながら、一人の教育者として教壇に立ち、特に近代文明 の普及には必須となる「識字率の向上」に尽力したことは特記されるべきであろう。

冒頭に、時代的な背景から、蛸の八ちゃんの近代革命はケマル・アタテュルクトルコ革命の影響を受けた、との推定を述べたが、その強力な傍証はここにある。
ケマル・アタチュルクも、トルコ語アラビア語でなくアルファベットで表示するようにする「文字革命」を成し遂げており、その際は自ら黒板に字を書き、この革命の重要さを訴えたのである。


そこに範を取ったと考えるのが一番自然なことであろう。

しかしここもまた特筆すべきことであるが、蛸の八ちゃんがこの教育政策に乗り出す前にすでに民衆はひらがなが読めるぐらいに文字教育が普及しており、 最初の教育政策にはむしろ「もっと難しいことを教えてくれ」「そんな簡単な教育では体裁が悪い」と言われたのだという。明治維新の文明開化が、その前の 寺子屋教育の普及によって準備されていたのと似た構図があるとも言える。


教育普及の陰で、痛ましい事故も


教壇には、既に多忙な八ちゃんの名代としてビリケンが立つこともあった。ビリケンは熱心に教育事業に傾注し、独自政策として「遠足」を実施することもあった。
この際、事故によって温泉地帯で一匹の子供がゆでダコになり、無くなる痛ましい事件があり、ビリケンは生涯、その悔いを心に刻んでいたという。

 
ただし、それでビリケンが政治的に失脚したということはなく、相変わらず重要政策をキンチャクと共に担い、蛸の八ちゃんを補佐している。蛸八政府は、近代文明の普及のための試行錯誤として、教育政策を重視した中には、この種の失敗や事故も、一つのトライアンドエラーとして許容する空気があった。その責任追及が甘かったと言うことも後世からは言えるかもしれないが、 一つの、建国時の風景である。



【第三部】国家安定と、その後

拠点「たこの城」購入

蛸の八ちゃんはその後、子だこたちの生活拠点、そして教育拠点となる建物「たこの城」を建設する。建物自体は元幼稚園であったという点も、いかに彼が教育に重点を置いた政策をしていたかの証拠と言えるだろう。この交渉には、経済に明るいキンチャクが担当した。

ここにおいて、蛸の八ちゃんの近代文明化路線は完全に国の方針として定着し、国家を安定期を迎える。
そこからの蛸の八ちゃんの政治は、建国時代に比べるとやや精彩を欠き、政策判断にやや独善的なものが混じっているとは後世の歴史家が衆目一致するところである。その理由のひとつに、 近代化政策を不眠不休で推進する精神的なプレッシャーが、肉体へも負荷をかけたことを指摘するものも多い。

特に「肩の骨が折れた」「お腹が痛くなった」などの病苦を訴えたが、当時の医学では「たこに、肩の骨はない」「タコにお腹はない」 とされた。
これは精神的なものが生んだ「幻痛」ではないか、とされる。
 

また、軍備拡張にも乗り出し、空気銃を購入した他、廃棄された出刃包丁をレストアしてよく切れるように復活させるなどを行った。しかし何もこれらの武装を行う際、無謀な実験を行い周辺に被害を与えるなどした。

 

実際、一旦安定がなされた後は、子だこたちが官僚機構として 能率化することなくむしろ官僚化の弊害により、かつては蛸の八ちゃん本人の意向がダイレクトに反映された政策が、途中で忖度や命令の不備によってうまくいかないことが多かったと言う。


育つ後継者

しかし、それをカバーしたのは本人が抜擢した若きリーダーたちの成長であった。
上に記したような問題で蛸の八ちゃんが暴走した時、しばしばキンチャクを中心に率直な意見具申がなされ、それに対して蛸の八ちゃんも大いに反省し、政策を改めていた。
「キンチャクにまた一本やられた」とぼやく場面が多くなったが、その声はいつも楽しそうだった、との証言がある。それだけ次世代リーダーの成長を喜ぶ度量があり、自然と権限の委譲がなされていたとも言える。


ビリケンは、更なる文化国家の建設を目指し、ラジオ機器を導入する。
これを蛸の八ちゃんも喜び、盛大な「蛸の八ちゃん」音頭のつどい、を開催する。
国民総出で熱狂し、振り付けも構わず「無茶苦茶におどれ」と公式に認定される、巨大な祭典だった。

「おどって おどりぬいて いやもう汗びっしょり!
さすがにつかれましたから ここらで少々休憩いたします」


その言葉を残して、蛸の八ちゃんは公の場から姿を消す。
その後、しばらく蛸八国は繁栄したと聞くが、 その後いつしか、タコの世界に蛸の八ちゃんのような人間文明を評価し、それと共存するという思想の伝統は絶え、再びたこは人間界と 共存不可能な敵となったのは言うまでもない。
往時茫々、夢のまた夢……(完)

さいごまで読んでくださった方へ

このブログは「たこ」というカテゴリがあります
主にたこの危険を訴えるエントリですが、機会あればご覧ください。

代表作
イカ、そしてたこの脅威に対し、全人類と全脊椎動物に訴える。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110228/p3

また、togetterにこんなまとめも過去に作りました(今回のツイートも追加収録)

のらくろ」「蛸の八ちゃん」作者、田河水泡の愉快(ゆくわい)な画像集 - Togetter https://togetter.com/li/818526