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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

日本のたこに関する、若干の覚え書。(「日本のタコ学」&「ダーウィンが来た!」)

日曜日の「ダーウィンが来た!」みずだこ編は、魂の震えるような傑作だった。
まことに残念ながら、大相撲中継があるため、地上波再放送は行われないらしい。ただし「NHKオンライン」会員はいつでも動画を見られるようだ。
http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?p=p458

船をも沈める巨大なタコ。かつてヨーロッパでは、そんな「海の魔物」が大海原に潜んでいると信じられていました。そのモデルとも言われる生きものが実在します。今回の主人公、ミズダコです。世界最大のタコで、腕を広げると4m以上!自動車と同じくらいの大きさです。世界自然遺産、北海道知床半島周辺の海は、そんなミズダコの日本有数の生息地。取材班は初めて、長期間に渡る密着取材を敢行しました。
(略)
ミズダコはズワイガニを見つけるやいなや、豪快に飛びかかり巨体で包み込みます。8本の腕の間に広がる巨大な膜と700個もある強力な吸盤で、カニの動きを封じるのです。そして吸盤を驚くほど器用に使い、カニをバラバラにして食べまくります。

ところが、巨体を誇るミズダコにも弱点があります。子ども時代は体が小さく、常に天敵の脅威にさらされるのです。最大の敵はどう猛な海のハンター、トド。岩穴に隠れるなどして何とか逃げのびる者もいますが、捕まると海面に激しくたたきつけられ、バラバラにされて食べられてしまいます。

初夏、ミズダコのオス同士がメスをめぐって激しく戦います。

http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/diary.cgi?p=p458
私たちに「日本でミズダコが1年中見られる場所なんて、ほかに聞いたことないですよ!」と熱く語ってくれた、ミズダコ研究の第一人者・佐野稔博士(稚内水産試験場)です。ミズダコは低水温でなければ生きてゆけないため、普通は潜って観察できない深い海底に暮らしているんだそうです。「なぜ、知床では沿岸でミズダコが観察できるのか?」関さんは今回の撮影に際して、ふだん潜っている海底を地図に書き起こし…
(略)
…極めつきのシーンが、大きなカニを豪快にハンティングする姿。しかも不思議なことに、食べ終えた殻にはカニの肉が全く残っていないんです!そこで、佐野博士の協力のもと水槽実験を敢行!ミズダコがどうやって大きなカニをキレイに平らげるのか探りました


これに偶然シンクロしていたのだがちょうど「日本のタコ学」を読んでいた。

日本のタコ学

日本のタコ学

タコとイカは親戚か、いちばん大きなタコは何か、タコは何を食べているのか、などの疑問に答える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
奥谷/喬司
1931年生。東京水産大学増殖学科卒業。東京大学論文博士(理学)。水産庁東海区水産研究所主任研究官、国立科学博物館動物研究室長、東京水産大学教授、海洋研究開発機構研究顧問・アドバイザーなど。現東京水産大学(現東京海洋大学)名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

もくじをみよっ。

第1章 タコという動物―タコQ&A
第2章 ボーン・フリー―タコの子供たち
第3章 海の賢者タコハ語る―見えてきた自己意識の原型
第4章 巨大タコの栄華―寒海の主役
第5章 イイダコの日々
第6章 日本のイイダコ、フランスデビュー―学名ファンシャオ(飯蛸)のルーツを探る
第7章 サンゴ礁にタコを探して
第8章 なぜタコは「明石」なのか―系譜と実像
第9章 日本のタコ図鑑


たくさんの作者が執筆しているので、興味のあるものもないのもあり、通してすごく面白いものだとはいえない。ただ、逆に興味のあるところをピックアップして拾い読みするべき本だと思う。



なんだこのキャプション。
……と思いきや、これは「人間がたこを観察している時、たこもまた人を観察しているのだ」ということの実例だそうであります。
このキャプションも、ちゃんとそのリアクションに沿ったものだそう…である。


そして…

写真撮ってるの、世界のツネミ・クボデラじゃねえか!!ていうか第9章をまるまる描いてるじゃねえか!!
この狂気のダイオウイカハンターについては

■科学者スーパースター列伝「大王の狩人(イェーガー)!! 窪寺恒己」〜副題:青いジャングル http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131008/p1

を参照していただきたい。
世界のクボデラは、たこハンターでもあった。



そして、…今回はこれを紹介したい。
まず、予言たこ「パウル」のことを記憶から呼び戻してほしい。今年はリオ五輪だ、またどこかで語られることもあるだろう。


ドイツの「予言たこ」の運命やいかに - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100709/p2
インターネット上のサッカー予言だこ「パウル」について - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100710/p3
予言者はむしろ殺されなければならない。パウルのパエリア化を支持する。 - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100711/p4
予言だこ・パウルの死を悼む - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101114/p5
予言者パウルに捧げるドイツ優勝……それを契機に「世界を動かしたたこ」11傑を選定する - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140716/p3


ドイツでここまで世界を騒がせたたこに対して、たこの本場、明石では……

パウル君人気にあやかろうと明石物産展委員会では、明石ダコにロンドンオリンピックのメダル数を予測してもらうイベントを開いた。
2012年6月27日、NHK総合の午後7時のニュースで、明石ダコ雄二キログラムの「タコ展長」が水槽内の蛸壺選択に動き回り、結局北京オリンピックと同数の25個を獲得する予想を「タコのお墨付き!」と報道した。
これは外れたが…


たこのお墨付き。
うまいことをいう。

このほか「湖畔の宿」の替え歌「タコ八の歌」、「ええじゃないか おまえも蛸なら わしも蛸…」という歌が紹介されている。


以上、たこに関するメモ。