中国で既にライトノベルが「軽小説」とまんま訳され「テンプレも共有」してるという…サブカルの世界連帯はあるのか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160117/p1
という話を書いた直後に
少年サンデー編集部「福田宏先生がタイトルすら聞いたことないゲームキャラに似てるらしいので変えます」 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/930606
という騒動があり、逆説的に、「共通性」が証明された感があるが(笑)、つづいて
台湾コミック『神之郷』上巻、日本語版本日より配信開始です!
— コミックカタパルト (@comic_catapult) 2016, 1月 29
幼なじみとの再会、家族との不仲、守られなかった約束、数年ぶりに故郷に訪れた薫は果たして…?!
まずは無料で試し読み!→https://t.co/VRRcOUicKz pic.twitter.com/iAYxckhlS5
と。
で…ためし読みがあるから読んでみたら、少なくともこの冒頭は、本当に何の違和感もなくね、日本の漫画と変わらない……あまりにかわらなすぎて、「台湾の漫画なのに、ここまで日本の漫画と同じ印象でいいのだろうか」と思ったりもしましたよ。もちろん背景や風俗に、台湾っぽさがないのではないけど。
ただし、こういうのはただの観測範囲の問題で、持って来る仲介業者だって、日本で受けるものをと考えたら、日本漫画のテイストに近いものを選び、選別するだろう。同じようにして、アメコミの影響を受けた少数派のエッジの効いた日本漫画をアメリカに持っていけば、アメリカのファンは「へえ、日本でもアメコミにこれほどそっくりに描ける作家がいるんだね」「日本漫画は、アメコミの影響をそのまま受けているんだね」と思うやもしれないが、実際はそうでない。
20年ー15年ほど前だが、「香港、台湾、中国で圧倒的に人気で、現地の漫画家に一番影響を与えている日本の漫画家は池上遼一であり、いわゆる『アニメ的』な表現は少数に属する」という論説を聞いたこともある。まあ、このへんは今や情報化社会、グローバル社会になった現在、調べるのは簡単で、印象論で語っている当方が怠慢なだけだが……
まあ、上のような、日本漫画とまったく違和感がない台湾漫画が少数派か多数派か、池上遼一の影響がどのくらいなのかはしらねども、日本の漫画が一種の「フォーマット」を提供することができ、現地でそれを受容してくれる層がいてくれたことには素直にありがたいというしかありません。
文明開化や戦後期の日本がSFやミステリーを受容できたように。
そして個々の作品では、こういう国の作家がどんどん日本のレベルを超えるようなものを生み出すだろうし、そこから新たな「フォーマット」が生まれて、たとえば他の国、地域にも広がっていくかもしれない。
そういえばその「コミックカタパルト」は
http://comic-catapult.com/works/
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こ、これが21世紀の風景か………