宮崎駿氏が「シャルリー事件」にコメント
宮崎駿氏、崇拝対象の風刺画「間違いだと思う」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150217-00050003-yom-ent
仏政治週刊紙「シャルリー・エブド」の本社銃撃事件をめぐる風刺画問題について、アニメーション映画監督の宮崎駿さん(74)は、16日放送されたTBSラジオの番組「荒川強啓デイ・キャッチ!」で、「異質の文明に対して、崇拝しているものをカリカチュア(風刺画)の対象にするのは、僕は間違いだと思う。やめた方がいい」と述べた。番組内で紹介されたインタビューでの発言で、風刺画は「まずもって自国の政治家に対してやるべきだ」とも指摘した。
たまたま、数日前にぱらぱらと古いいしい漫画をめくっていたら…
【時代背景の解説】小沢一郎氏は1993年に非自民の細川内閣を成立させて以降、その後結成された「新進党」の時代まで、実はずっと創価学会・公明党系勢力と親密で、後ろ盾にしていました。小沢一郎と当時、公明系を仕切っていた市川雄一の名前を取り「一・一ライン」とも言われていました。
そんな小沢氏の創価学会寄り路線と、池田大作名誉会長の生臭さを、当時大問題になっていたオウム真理教・麻原彰晃の呼び名「尊師」を結びつけたいしいひさいちの風刺マンガです。
さて、一宗教団体の名誉会長を凶悪犯罪の当事者と結びつけたこのパロディは許容されるのか。とくにシャルリー・エプドとからんで。
シャルリーはだめだがこれらはいい、という変則的な姿勢にも、いろいろと理由はつけ得よう。
・池田大作は多くの信者が尊敬、敬愛しているとはいえ、あくまでも俗人の一民間人である。教祖ではない。
・ムハンマドには「似姿を描くなかれ」という禁忌があるが、池田氏にその禁忌はない。
・創価学会は日本におけるマイノリティではあるが、資金力、宣伝力、公明党など政治力の点では強大であり、「弱者」とはいえない。
・広く言えば池田氏も「政治家」の一人と言ってもいいし、あるいは漫画上でも市川、小沢と言った政治家、権力者の風刺のついでに出てきただけ。
・「異なる文明」ではない
しかし本質的にはシャルリー・エプドと同じ、という見立ても十分にあり得そうだし「麻原彰晃とつなげるとは、風刺を超えた中傷だ」言う人も出てきそうではあるな。
ちょうど宮崎氏の
「崇拝しているものをカリカチュア(風刺画)の対象にするのは間違い…」
「まずもって自国の政治家に対してやるべきだ」
の中間線にあるので、面白い課題だなあ。
たまたま目に付いたのは幸運(?)だった。
あらためて、いしいひさいちは大御所でありながら、こういうギリギリのところにバンバンと踏み込んできたんだなあと、古いのを読んで実感したのである。