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- 作者: 坂本義和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/07/21
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……一九六〇年代の日本。安保反対運動で社会は騒然とし、外交がどこに進むか分からなかった。論壇では、その少し前に坂本義和東大助教授が「中立日本の防衛構想」を『世界』に発表しており、他方『中央公論』では高坂正堯京大助教授が「現実主義者の平和論」で華やかなデビューを飾った。この対照的な両者が軸となり、戦後の外交論はつくられていった。
- 作者: 坂本義和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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本書は、その坂本義和氏の回想の記録である。…アメリカ留学の際は、リアリズムの泰斗であるモーゲンソウ教授から直接指導を受けた。また、バークやメッテルニヒの保守思想を研究し、権力政治の本質と格闘した。
興味深いのは、高坂正堯助教授との面談の様子が書かれていることだ。これまでは、粕谷一希氏の仲介を断ったことがしばしば指摘されてきたが、実際には高坂氏と東大前の喫茶店で「三時間近く話し合い」をしたようだ。そこで著者は、高坂氏が「空襲を免れた京都育ちのせい」もあり、「『戦争の傷』を骨身にしみて経験していないという印象」を持ったという。この両者を隔てたのは、イデオロギー的な要素よりも、戦争経験の違いであったのかもしれない…
その後の戦後史は、坂本氏の政治的主張も国際情勢の読みも、徹底的に高坂氏に敗れていく歴史だった(笑)。プロレスでいうところの「ジョブ・ボーイ」というか長州力的に「かませ犬」というか、タイムボカンシリーズの三悪人というか。そういう面ではいい仕事であったなあ、と思ったりもする。
ここでもいい味出してたし。
「悪魔祓い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任 (文春文庫)
- 作者: 稲垣武
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/08
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いやいや、こういうのこそ「生暖かい目で見守る」というネットスラングがふさわしそうな。