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……エルニーニョが起きてフンボルト海流が弱まらなければ、そもそもピサロはペルーに辿(たど)り着けなかった。遠いヨーロッパでナポレオンとヒトラーがともにロシア遠征に失敗したのも、エルニーニョが深く関係している。
- 作者: 田家康
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/08/24
- メディア: 単行本
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話はアジアでも同様だ。
たとえば19世紀後半に何度もインドを襲った大干ばつと飢饉(ききん)は異常気象と植民地問題との「合作」…(略)…中国でも西太后のもとで洋務運動を展開中に何度も大飢饉が発生し、結果、日本のような近代化が成らず清朝滅亡に至った。
前も書きましたが「センゴク 桶狭間戦記」では「戦国時代は5月の静岡に雪が降るほど寒冷化し、食料も不足した。それが戦国乱世を生んだ」というエピソードが出ております。
すでにそういうジャンルの本が多数出ていることを前提としつつ、これも面白そうです。
こういう「…時代の気候は…だった…だから…が発生した」というのは一面的、断片的でもあるかもしれないが、考慮しないよりするほうがよっぽどいい。その時代の「気候」を知る手段も地質学その他の進歩によって制度が高まり続けており、今後の新発見もあるだろう。