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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「長篠?ふっ『鉄砲三段撃VS武田騎馬隊』なんて虚構だよ(ドヤッ)」→「その虚構説が虚構だ、と最近」→「な、なんだってー?」

ますこの書評からいってみよー。3月16日、毎日新聞(登録必要)

http://mainichi.jp/shimen/news/20140316ddm015070042000c.html

今週の本棚:磯田道史・評 『長篠合戦と武田勝頼 敗者の日本史 9』=平山優・著
毎日新聞 2014年03月16日 東京朝刊

 
 ◇戦国画期の通説をくつがえす歴史家の挑戦

 本書は、戦国末期の日本史研究について、重要な問題をいくつも提起する書物である。1575年の長篠合戦…(略)織田軍は鉄砲三千挺を交代々々「三段撃ち」し、圧倒的火力で武田軍の騎馬隊を破った、というのが「通説」だった。

 ところが、近年、在野の研究者もまじえて、これに疑義を唱える研究が多数出て、大方、支持を得ていた。(1)織田軍の鉄砲は三千挺でなく千挺である。(2)鉄砲「三段撃ち」は、信ぴょう性が低い小瀬甫庵(1564〜1640年)の『甫庵信長記(しんちょうき)』等の記述を、明治に参謀本部編『日本戦史・長篠役』がひろめたもの。(3)武田軍に騎馬だけで編成された騎馬隊などなかった。(4)日本の在来馬は馬体が小さく騎馬突撃は無理、下馬して戦闘した−−という説も出た。

 評者も数年前だったか、とある中世史の大学教授が学生に「鉄砲の三段撃ちなんて、ないんだからな」と、さも常識のように…(略)少し悲しい気持ち…(略)まだ、そんな断定的なことは言えないのではないかと思ったのだ。

 本書は、この通説否定を、さらに否定する書物である
(後略)

長篠の戦い?ああ、鉄砲を三段撃ちして武田騎馬隊を破ったんだよね」
「ふふふ、それは伝説だよ」(ドヤッ)
……なんて話をここ10年ぐらい?聞かされて、今は言われる側から言う側に回って溜飲を下げている歴史ファンも結構いると思います(サンプル:俺)。
ようやく、「この長篠合戦は出来すぎの伝説論」も広まってきたところなのに。

長篠合戦と武田勝頼 (敗者の日本史)

長篠合戦と武田勝頼 (敗者の日本史)

武田家を滅亡させ、暗愚の将とされてきた勝頼。だが、父信玄より領土を拡大し、織田信長ら同時代人の評価は高かった。新戦術(鉄砲)と旧戦法(騎馬)の対立軸で語られてきた合戦を捉え直し、「敗者」勝頼の実像に迫る。

武田勝頼を、敗れはしたものの大きな器量の持ち主として描いたのが「センゴク天正記」でしたな。

センゴク天正記(15)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク天正記(15)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

天正十年 織田(おだ)vs.武田(たけだ)、最後の合戦!! 【武田征伐甲州崩れ編】天正記最終巻! 連載時には入れられなかったシーンを加筆!! ――合戦の勝利を重ねる織田信長(おだ・のぶなが)は、ついに武田勝頼(たけだ・かつより)の本拠である甲斐国への侵攻を宣言した!! 急速に巨大化する織田家は、もはや誰にも止められないのか……。長篠の激戦より六年半の時を経て、織田・武田の決戦が始まる!!


そんなことで、著者のツイートも含めたtogetterがこちら。

「鉄砲伝説否定論」の再否定論も登場!? 長篠合戦研究の今 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/644250

著者のtwitterアカウント

https://twitter.com/HIRAYAMAYUUKAIN

HIRAYAMA KAINOKUNI @HIRAYAMAYUUKAIN
山梨県郷土史家です。著作には、『戦国大名領国の基礎構造』(校倉書房)、『川中島の戦い』(学研M文庫)、『武田信玄』(吉川弘文館)、『山本勘助』(講談社現代新書)、『天正壬午の乱』(学研パブリッシング)、『武田遺領をめぐる動乱と秀吉の野望』(戎光祥出版)、『真田三代』(PHP新書)などがあります。

しかし、この先生がだまっちゃいないだろう

序章 鉄砲と日本人の不思議な関係
第1章 鉄砲伝来をめぐる真実
第2章 鉄砲は日本にどのように定着したのか?
第3章 戦国大名たちは鉄砲とどう関わったのか?
第4章 長篠合戦とは何だったのか?
第5章 「天下布武」を遅らせた本願寺と鉄砲
第6章 鉄砲が乱世を終焉させたのか?
第7章 鉄砲から見た戦国合戦の本当の姿
第8章 鉄砲の出現で何が変わったのか?
第9章 鉄砲を捨てなかった江戸時代人
第10章 再び日本人の“鉄砲好き”を証明した戊辰戦争
第11章 鉄砲を愛した士族たちの反乱
終章 「白兵神話」は死なず

第1章 「道楽」としての歴史
第2章 紀州雑賀衆との付き合い
第3章 「後世」畏るべし―姉川三方原
第4章 疑惑の宝庫―長篠の戦い
第5章 日の当たらない合戦―石山合戦
第6章 太閤出世物語の裏表―山崎・賤ヶ岳・小牧・小田原
第7章 戦国合戦とは、どういうものだったのか?
おわりに―これから始めようとする方へ

第1章 『武功夜話』を偽書といって悪いんですか?
第2章 司馬遼太郎先生、お言葉ですが…
第3章 やはり「武田騎馬隊」はいませんよ!
第4章 信長が「鉄船」を造ったと気楽に主張される方々へ
第5章 「鉄砲は、やっぱり信長よね」と口癖のように言う方へ
第6章 本能寺の変にどうしても「黒幕」を登場させたい方へ
第7章 信長・秀吉の成功は「兵農分離」のお陰ですか?

もはや戦場はウィキペディア!一銭にもならんのに、項目もノートも充実しすぎ!!

ウィキペディアの「長篠の戦い」
その「長篠の戦い」の「ノート」

どっちに賛成、反対とかは関係なく、感動しないですか?
しませんか。

おまけ オランダの「マウリッツ伯」が、軍事をいろいろ発展させた天才?

「たしか長篠合戦の議論のとき、引き合いに出される同時代に近いような外国人がいたよなー??」という曖昧な記憶で検索したら、たぶんこの人だろう、というのが出てきた。

ウィキペディアの「マウリッツ (オラニエ公)」

で、このウィキペディアを読んでみるとおもしろかったんす。
一度、機会があればあらためての紹介を