いろいろ論点が多いので、番号を振って箇条書きにしてみます。ただ膨大なので、途中で中断や挫折あるかも…
1:まず長期連載「信長のシェフ」が、今たいへんなことになっている、という話。
「信長のシェフ」も、広く言えば『異世界(過去の戦国日本だってもちろん異世界だ)に行って今の技術でチート無双』もののひとつ。2011年から始まった10年の長期連載。そして2013年、14年と2度もドラマになったのだからけっこうな人気作品なのだけれども、逆に言えばドラマから7年も経っているわけで、今どんなふうになっているか知らぬ人も多いでしょう。実は、信長の天下一統まであとわずか……時期でいえば本願寺が石山を退去するぐらいまで来ている。つまり本能寺の変まであとわずかになっているのだ。そしてここからが本題だけど、テーマの中に大きく「日本vs大航海時代の西洋(スペイン、ポルトガル、そしてカソリック教会)」という構図が描かれていて、今はそれがメイン的な話になっている。
そして語られるのが、「織田信長の明国征服構想(これ自体は史料残ってる)」であり、しかもその明征服構想自体が「スペインの侵略に対抗する手段だった」という、やや複雑な話の構図なのだ。そしてそれは計画だけに終わった信長でなく、それを「引き継いで」実際に行った豊臣秀吉の唐入り…朝鮮出兵もその構図があり、しかもその点では成果を収めた、と描いている・・・・・・・・・ややこしいかい?ややこしいよなあ。なので画像を見てもらおう。
この号に載ってたやつよ。
物語中では、まだ信長が存命であり、そもそもタイムスリップしたチート料理人ケンのおかげで歴史が変わるかもしれないわけだから、この解説はそもそも余談の域を得ないのだが、ただ余談としての解説は、たった4Pでかなり見事に、あるひとつの見方を要約している…どんな見方かというと、それがつまり、「平川新史観」と命名してもいいと思う、そんな世界観なのだ。
2:平川新「戦国日本と大航海時代」まず書名と内容だけ…
15世紀以来、スペインやポルトガルはキリスト教布教と一体化した「世界征服事業」を展開。16世紀にはアジアに勢力を広げた。本書は史料を通じて、戦国日本とヨーロッパ列強による虚々実々の駆け引きを描きだす。豊臣秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか、徳川家康はなぜ鎖国へ転じたのか、伊達政宗が遣欧使節を送った狙いとは。そして日本が植民地化されなかった理由は――。日本史と世界史の接点に着目し、数々の謎を解明する。
著者インタビューも引用しよう。
平川:10年前に出版した『開国への道』(全集日本の歴史第12巻、小学館)でロシアに漂流した日本人のことを書きました。およそ10年のロシア生活をしていた大黒屋光太夫や石巻の若宮丸乗組員がロシア使節であるラクスマンやレザーノフに送還されてきたことは、よく知られています。その漂流記を読んでいるうちに、日本は「インペラトルスコイ」(帝国)と呼ばれているという一文が共通してあることに気づきました。驚きました。
1853年にペリーが持参した将軍宛のアメリカ大統領の国書にも、‘The Empire of Japan ’(日本帝国)とありました。それで、なぜ日本は帝国なのかということを追いかけていくうちに、帝国表現が出てくるのが豊臣秀吉による朝鮮出兵(1592~1598年)の直後からだということがわかりました。
しかもフィリピンのスペイン人総督は、秀吉がマニラに攻めてくるのではないかと怖れていました。秀吉は2度の朝鮮出兵で30万人の軍隊を動員していましたから、日本の軍事力の強大さに恐怖を抱いたのです。
秀吉はフィリピン総督に対して、おまえたちがマニラの王たちを追い出して国を乗っ取ったことを知っている、日本も同じように征服しようとしている、怒りを抑えることができないと、憤激した書簡を送りつけていました。それだけではありません。スペイン国王に対して、わが言を軽視すべからずと伝えよ、とまで豪語していたのです。これにも驚きました。なぜここまで秀吉はスペインに対抗心を燃やしているのか、と。
それでスペインやポルトガルが中心となった大航海時代に関心が向くようになったのです。その結果、諸種の史料を読み解き関係づけるなかで、両国による世界征服事業への対抗的動きとして朝鮮出兵があった、という因果関係が見えてきた…(後略)
3:もう一回前後して、この「平川新史観」は、今展開中の「センゴク」にも影響与えてるんじゃないかなあ?と。
これは既報だが、まさにいま、「センゴク権兵衛」では「秀吉の唐入り、朝鮮の役」を描いており、またその直前には、カソリック教会の日本布教とこの秀吉の対外強硬外交(たしか「4カ国同時脅迫」みたいな言い方をしていた)が描かれていたのですから。
詳しくはこちらにて。
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4:思えばNHKスペシャルのあのシリーズも、「平川新史観」??
放送時に思ったことは、リンク先にて。
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そして番組を実際に見たい人は「NHKオンデマンド」の会員になるがよい。
戦国〜激動の世界と日本〜 (2)「ジャパン・シルバーを獲得せよ 徳川家康×オランダ」
地球規模の歴史から、新たな日本の戦国時代を描くシリーズ。第2集は徳川家康の天下取りの時代。新発見の文書に記されていたのは、オランダ商人と家康の深い繋がり。オランダは、当時最重要の国際通貨だった「銀」を求めていた。世界の産出量の3分の1を占めた日本銀をめぐり、オランダと超大国スペインの間に激しい攻防が始まる。覇権をかけた両国の争いの最前線となった戦国日本、その実像に迫る。ナビゲーターは西島秀俊さん。
5:こんな前提の上で、平川新「戦国日本と大航海時代」の内容紹介、ことに感心した点と疑問点に踏み込んでいきたいが……
ここからが本題なのだが、たぶん膨大になる…。
ひとやすみして、ここで中断。
あとから書くかもしれないし、
別の記事として独立させるかもしれない。
あるいは放り出すかもしれない……ひとまずのよみきり。
【たぶん、ここを拡大追加するより、新しいエントリーにする方向に傾いています。新記事にしたら、リンクをはっておきます】
※このつづきはこちら
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