INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

恒例議論「レスリング独自の関節技はあったか?柔術の影響か?」〜リオ五輪で再び

また、この話しまっす。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160821/p1
のごく短い一節・・・・

レスリングから、自然に関節技の概念はうまれそう

アンクルとか、ふつうに解説は「相手は我慢してたから足へのダメージは相当ですよ!」とか言ってるものな。そこから「極め」を発展させるには、やはりルールに制約があるのだろうか。

からの〜〜コメント欄。
転載

id:fullkichi1964 2016/08/21 11:52
>アンクルとか、ふつうに解説は「相手は我慢してたから足へのダメージは相当ですよ!」とか言ってるものな


あれに足差し入れて引っくり返せばそのまんまサソリ固めの出来上がりですよ(笑)。
ゴッチが長州に伝授したというのが定説ですが、あの仲の悪い二人の間でホントに伝授があったのか、実は長州がアマレス流アンクルをヒントにして作ったオリジナルなのか、ルーツを調べたいところです(^^;)。


gryphon 2016/08/22 05:47
マサ斎藤が「刑務所時代に考案した、脱出不要の監獄固め」とPRしたのを、あとで谷津嘉章が、「これはアマレスの後輩いじめの技なんだよ」と”暴露”したこともあったなあ。
これが大きな例の論争 柔術からの刺激を受けて初めて欧米にサブミッション体系が本格的に生まれた、かどうか?とつながっていくなりけり。


4fullkichi1964 2016/08/23 03:04
これはご覧になっているだろうか、沖識名の師匠であるタロー・ミヤケこと三宅多留次の柔術紹介映像。
https://www.youtube.com/watch?v=HAVyBQxo4yk

前田がウイリーを破った時に用いた足掛けアームロック(Vクロスアームロック)からV1アームロック、猪木がアンドレがらギブアップを奪った形の腕固め、B柔術でも用いる下からの腕十字、そして藤原組長が用いたスタンドのアキレスから何と「逆片エビ固め(ハーフボストンクラブ)」まで!!
ここまでくると、果たしてプロレスのサブミッションはどこまでがキャッチのオリジナルなのか、どこからが柔術から導入されたものなのか分からなくなってきますわね(^^;;;)。
ついでに言えば、当方こちらのコメント欄で述べたことだけど、85年か86年に日曜7時半に流れてた「THEチャレンジャー」なる番組でカール・ゴッチが自分の寝技のルーツを「ジュージュツ、ジュージュツ」と言ってた記憶あり。
http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20160702/p1
おそらくゴッチのいう「ジュージュツ」とは、まさにタロー・ミヤケや前田光世コンデ・コマ)や谷幸雄(スモール・タニ)が20世紀の頭にヨーロッパを訪れて当時のキャッチレスリングに影響を与えた初期柔術なんだろうなあ、と・・・。


とおりすがり 2016/08/23 21:49
メキシカンストレッチ類はどっから来たんでしょうかね?
とゆーかルチャのちゃんとした起源ってなんじゃらほい。
戦前のガス灯レスリングの時期から別れたプロレスにしちゃ関節技系多すぎるし
柔術(日本でもブラジルでもいいけど)の影響があったんかどうか・・・分かる人います?
まあサソリ固めはアンクルホールドよりテキサスクローバーホールドの改良(造)の方
が正しいと思うけど。入り方なんて全く違うしね。


fullkichi1964 2016/08/24 05:26
>とおりすがりさん
少なくとも、長州がサソリ固めを使いだしたのはデビュー時の74年、
テリーがテキサスクローバー使い始めたのは82年頃のはずですよ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%AF (←得意技の項目参照)


gryphon 2016/08/24 06:18
サソリ固めはルーチャ(マサ斎藤風)のジャベだよ、という主張がたしかにあるにはあるはず。たしかマスカラスが、古い絵を見せて主張してた(笑)/ ルチャにもシューターはいるが、それは基本レスリングの強い選手だ、という話もどこかで聞いたな。。。
このへん、まとめてコメント採録して新しい記事にします

fullkichi1964 2016/08/24 06:46
そういえば、70年代にゴッチがメキシコをたびたび訪れてて、その時に向こうのジャベの使い手レネ・グアハルドと技術交流したとか。そのときにサソリ固めが伝授されたとすれば辻褄は合いますね。
ちなみにレネ・グアハルドは50年代前半に当時の名選手ローランド・ベラに師事していて、そのベラはアメリカからメキシコに流れてきたトルコ移民のシューターであったジョー・スタンレイに技術教授されたとか。メキシコのジャベがトルコレスリングの影響を受けたものであるならば、その技術が独特であるのも納得がいくような・・・(この辺、Gスピリッツ8号ドクトルルチャ氏の記事より)。

この段階で普通のひとはあきれるだろうが、もっとあきれることに、この議論は「よせてはかえす波の音」で、少なくともこのブログでは何度もやっている(笑)

キャッチレスリング柔術を考える・延長戦(Gスピ+「翻訳blog」) - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081127/p2


キャッチレスリング柔術の関係についての議論、佳境に(翻訳ブログ、那嵯涼介) - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081206/p6


天使はサブミッションマスター?旧約聖書「創世記」に関節技?が描写されてる、という。 - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160216/p3


ルー・テーズ桜庭和志と伝わる「ダブルリストロック」と木村政彦グレイシーと繋がる「キムラロック(腕絡み)」は同じか、別物か? - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140929/p1

自分が思い出せた範囲の記事でこんなに(笑)
われわれって・・・・・・・・・・・・・・・・


ところで、サソリ固めとカール・ゴッチに関しては、長州力とゴッチの関係がしっくりいかなかった(これは、アマで実績ある格闘技者はプロレスでのガチなんかに興味なく、逆に格闘技経験のないプロレスラーこそガチにはまる、という逆説の典型であり、そこも興味深い)という話の検証が重要なのだが、この前読んだ「真説・長州力」には、この対立が決定的になり、どうも非公開でこの二人は徹底的なガチスパー(半分喧嘩)をやったらしい・・・というような描写があったと記憶している。

確実ではないので参考までに。

真説・長州力 1951‐2015

真説・長州力 1951‐2015

参考

昭和新日道場で「UWF組」と「レスリング・柔道転向組」はどんな関係だったのか - Togetterまとめ http://togetter.com/li/770530

リオ閉会式「登場しなかった和製有名キャラ」に関するおもしろツイート。ピカチュウ「なぜ呼ばない」手塚治虫「何かが足りないなぁ〰」

GO!

「もし手塚治虫が閉会式を見たら」


※言わずもがなの解説ですが、上記アオイホノオの引用場面で、手塚治虫先生は一般的な意味で「何かが足りない」と言ってるのではありません。ガイナックスの前身であるマニア集団(岡田斗志夫庵野秀明)がつくった、伝説のパロディアニメ「DAICON4オープニング映像」

に、多くの有名キャラクターが著作権無視で無断使用されているのを見て「なぜ、僕のキャラクターを出さないんだね?」という意味で語っているのです。

じゃあ、今回のリオの演出を見たら……
しかし、本番直前までリテイクされたら困るよ、と。

「船瀬俊介さんがいるから、週刊金曜日ではホメオパシー批判はできない」…藤倉善郎氏語る(まとめもあり)


ふむう。
まとめました。

ホメオパシー批判はできない?〜「やや日刊カルト新聞」の藤倉氏が、自ら経験した「週刊金曜日のタブー」語る - Togetterまとめ http://togetter.com/li/1015828

「露出が高いというけど『美女以外するな』の同調圧力が凄い」「大学教授すら『男らしくない職業』と男性から忌避される」…ある国に関するツイート




いうておくが、この種の「お国柄」に関する発言がヘイトスピーチに該当するかどうかとかはとりあえず置いておく。
あと、自分はブラジルへ行った経験もなく、またポルトガル語もできないので、同国に関してブラジリアン柔術以外の知識はほとんどない。
見つけた、興味深かった、貼っておく
以上でも以下でもない。


ただ、露出度に関するパラドックスは、一種の「女性解放」という命題のパラドックスとして興味深いものがあると思う次第。

転売の「正義論」を、以前マイケル・サンデル教授が議論してたね


これがどういうふうになっても、あまり直接の関心はないのだが、
以前、「転売は善か、悪か?」を「これからの正義の話をしよう」のマイケル・サンデル教授が議論していたのは面白かったので、この機会に紹介しよう。

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1009/16/news038_2.html

「市場」について、サンデル教授は非常に身近な例から話を始めた。

サンデル 「私は、(大リーグの)レッドソックスが大好きです。今年は残念ながら低迷していますが、数年前にはワールドシリーズに出ました。そのときはたくさんのダフ屋がいました。彼らはどこからか現れてチケットを仕入れ、市場の何倍もの、ものすごく高い値段で売ります。私はダフ屋は嫌いですよ。でも、ダフ屋という商売が成立しているのは事実です。野球だけではありませんね。例えばマドンナやマイケル・ジャクソンのコンサートに行きたいと思う人がいれば、ダフ屋は高い値段でそのチケットを売ります。買う人がいれば取引は成立します。ダフ屋がチケットを売るのは、正しいことだと思いますか? それとも売るべきではないでしょうか? 手を挙げてください」

では医者は?

 生徒に挙手させると、ダフ屋がチケットを売ってもよいと考える人と、売るべきではないと考える人はほぼ半々。その結果を見て、サンデル教授は話を続ける。

サンデル 「ここに来る途中に聞いたのですが、今日のこの(アカデミーヒルズの聴講)チケットが、ネットオークションで売られていたそうですね! うわさでは5万円で売られていたと聞きましたよ。これには何か、いけないことがありますか?……もう少し真面目な例を挙げてみましょうか。春に私は中国に行きました。中国の大都市では、医師が不足していて、大きな病院の前には毎日長い行列ができます。これは医師に面会する順番を待つ行列で、時には数日前から並ぶ人もいます。ある人が、ホームレスを雇ってこの行列に並ばせました。ダフ屋は安い賃金をホームレスに払って行列に並ばせ、得た医師に会う権利を病人に利益を付けて売るのです」

 この行為についてどう思うか、サンデル教授は再び学生に手を挙げさせる。すると、賛成とした人はダフ屋のときよりずっと少なく、反対とした人が多かった。

 サンデル教授は、この行為を弁護する学生に手を挙げさせ…

(略)

…米国でもやはり、医者に面会し、診断してもらうのにはとても時間がかかる。時には数週間前から予約を取らなくてはならないという。そこで米国では、「コンシェルジェ制度」という方式を採る医者が現れた。コンシェルジェドクターは、限られた人数しか見ない代わりに高い年会費を取る。治療にかかるお金とは別に毎年5000ドルの年会費を払ってくれる人に対しては、すぐに診察するし、携帯の番号も教えてあげる……という仕組みだという。

 「これは北京の問題とは違いますか?」と問いかけ、再びサンデル教授は学生に手を挙げさせる。すると、中国の病院の例のときよりも、「(コンシェルジェ制度は)よいことだ」とする人が多かった。


この本に、直接載っていたかは覚えていない。けど、上記のItmediaの記事だけでも十分おもしろい。

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)