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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

相撲最強論・・・伝説が終わり、歴史が始まる

曙太郎さんの1年間にわたる大活躍?によって、「スモウは強いんだよ!」と言い張る御仁は前年同期比3割減となりました(総理府調べ)。その功績は大というべきか。
これは曙太郎vsホイス・グレイシー戦の前の記事なので、そこは同情の余地はあるんですけれど、毎日新聞夕刊 2004年11/25付で小松やしほ、という記者が紙面の半ページを使って「大相撲 『格闘技最強』は本物か」という記事を書いている。

仮にも「夢枕獏の格闘塾」を連載している新聞の出す記事としていいのか、と思わないでもないが、記者氏に全責任を帰するわけにもいかない。最近の相撲最強説は、これまでの伝承やイメージだけで漠然と生まれたというものではなく、極真神話を梶原一騎が、パンクラス神話を安田拡了が筆一本で作り上げたようなある「出所」があるのだ。その人物がこの記事にも出ている。


この記事には相撲を「最強の格闘技」とする人もいるが、本当だろうか?という見出しがあり、そこで

「間違いなく最強です」と断言するのは「格闘技『奥義』の科学」(講談社)などの著書がある吉福康郎・中部大教授(スポーツバイオメカニクス)だ。

その根拠はまず「力士は超筋肉質であること」。一般には力士は肥満体質と思われがちだが、体脂肪を除いた体重(除脂肪体重)を考えると必ずしもそうではない。例えば体重160kgで体脂肪率25%の力士の除脂肪体重は120kg。・・・かなり筋肉質なカラダでも、この力士と同じ筋肉を身につけるには約133kgの体重が必要・・・・そんな体の格闘家はまずいないというわけだ。

さらに吉福教授は「立ち合いの時、頭を下げて突っ込む威力はすごい。ヘタにカウンターパンチやキックを狙っても骨折するのが関の山・・・」

さすがに記者氏も突っ込みたくなって
「・・・いやちょっと待った。それなら・・・元横綱・曙はどうだ。・・・これまで五戦全敗。角界の頂点に立った曙が、である」と誰もが言うせりふをはいている。

「それはルールが違うから」。
吉福教授の説明は明確だった。
「曙はクリンチでボブ・サップを押しこんでいた。サップがあんなに押されたのを見たことがありますか?相撲なら押したところで投げを打って曙の勝ち。パンチで倒さなければいけないから負けたんです」。さらに「普通、サップのパンチを受けたら一発でダウン・・・赤ボノは連続パンチを食らったが、それでも立っていた。強さの裏返しともいえる・・・」

格闘技「奥義」の科学―わざの真髄 (ブルーバックス)

格闘技「奥義」の科学―わざの真髄 (ブルーバックス)

・・・・よく、昔の怪獣映画に「学界を追放されたマッド・サイエンティスト」ってのが出てきますが、この人の追放はないのでしょうか(笑)。それで彼が力士を改造して、復讐のために乗り込んできてほしいな(笑)。


それは冗談として、ここでは専門的過ぎるため?に書いてないけど、たしか教授はもともと、相撲最強説の「科学的」根拠として、「パンチやキックなどをそれぞれの格闘家に、測定器に当ててもらって威力を客観的に数値化した。その結果、相撲の立ちあい・ぶちかましが最強だった」というのを主張の柱にしていたはずだ。(ひょっとして別の博士かもしれない。しかしこんなことやる人は2人もいないだろ)


しかし、これにはとある科学的思考者から疑義が出ていまして、衝撃というものにもいろいろ種類があってそれを混同していると。その指摘が載ったのは老舗のイビジェカフェ(格闘技カフェ)、書き込み人はPoet氏。
これを私のホームページに編集、掲載したものがある。

http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BBS-SELECTION/poet3.htm

たとえば、グローブをはめるとパンチの力積が大きくなりますが(手の怪我を心配せずに撃てるから)、この場合、力積を比較したところで、「素手のほうが骨や身体の表面への破壊力が大きいが、グローブをはめたり掌を使ったほうが内臓への破壊力が大きい」ということが説明できません。吉福氏は「力積と力の比率」に答えを見いだそうとしていますが、このような量は物理的に意味がありません・・・

・・・・一応、上記の問いに対する自分なりの解答は「一点で打撃をするとエネルギー密度が距離の二乗で減衰するが、広い面積で打撃をすると減衰しにくいから」です。(高校物理の範囲内での説明なので、わかりますよね?)

たいへんわかり易く、興味深いですね(棒読み)。Dynamite!でボビーのグローブだけ特殊だったのもこの理屈で説明がつくでしょ。いや、説明しようが無いけど。


もう少し簡単にいうと
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BBS-SELECTION/strikepower.files/strikepower.htm

球の表面積は半径の二乗に比例するので、球面波では
エネルギー密度が打撃点からの距離の二乗に反比例して
減少する(例えば、打撃点から10cmの部位では打撃点
から1cmの部位に比べてエネルギー密度が1/100になる)。
対して平面波では打撃点からの距離が増加しても表面積
が変化しないため、エネルギー密度も減少しない。

そうである。
「そうである」っていわれてもなあ。

ところで、この後ろの記事は丸々送っていただいたものだけど、日本のワープロは「数学」「記号」で変換すると、∈から¬、∂、�堯□茲泙任燭唎気鵑竜Ⅴ罎ⅸ个討④董△海譴❸腺舛砲皸㌫僉幣弌砲気譴討い襪錣韻任垢韻鼻-冓献錙璽廛蹐箸ʔ∪里離織ぅ廛薀ぅ拭嫉魦紊呂匹Δ覆辰討い襪里任靴腓Δ諭�

ちなみに、上論文では複雑な数式は「画像」で、その画像を貼り付ける形でWEBでも読めるようになっているのです。

相撲最強論、別のルーツ・・・・あと筒井康隆

曙さんのおかげで最強論の迷妄から覚めた、という人を知っているが、脱洗脳後のこの人にインタビューしてみると、「相撲最強論」のイメージは全く別のところから来ていたのだ。

筒井康隆「走る取的」である。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/2315/diary1.html

筒井康隆を読む人なら知っているだろうか。「走る取的」という短編を。
 「メタモルフォセス群島」という本(新潮文庫)の1編である。
 これはすごいよ、って言うかこんなに恐い話はない。
・・・・・・

 バーで2人で飲んでたときに、そこに取的(幕下の相撲取り)がいるのを知らず、

 「あいつ、今は相撲取りみたいに太ってるらしいぜ。」

 と言って友達のことを笑ったことから全ての悪夢が始まる。

 それが理由かどうかは分からないが、それからその取的にずっと追っかけられ、最後には2人とも殺されてしまうのだ。
・・・・・・
 なんたる滅茶苦茶な話。しかし、この話はしばらく頭から離れなかった。

私はこの作品を読んだとき、子供だったせいかまだ「怖さ」はピンとこなかったのだが、相撲取りの怪獣じみたイメージは確かに印象に強く残っている。強さの根拠は「からだの鍛え方が違う」のひとことで片付けていたけど(笑)、それがかえって説得力があったのだ。
夢枕獏が編んだ恐怖アンソロジー集にも収録されていた気がする。


その後(というか今)ふと気づいたんだけど、相手は意図や個性がまったく不明、それでも圧倒的なパワーを持つ、そして逃げても逃げてもしつこく追ってくる・・・というのはスピルバーグ出世作「激突」と同じ構図だよね。
いちいち初出年を調べないし、似通っているのも偶然だろうけどそういう小説。


或るとき、ちょっとしたきっかけで親戚の子にその筒井康隆の「12人の浮かれる男」をあげようと思ったのだが、なんと絶版なんだそうです。筒井康隆といえば大人気作家、というイメージがあるのだが、それでも絶版は避けられないのですなあ。


それでも、もう何十年も前の「富豪刑事」が今回というか、今日からテレビ朝日でドラマになるそうだ。原作はミステリー的な意味とは別になかなか面白いユーモア小説で、(ドラマはやじうまワイドの紹介をみると果てしなくダメっぽいが・・・)、これで筒井康隆に再度スポットが当たるのは悪くない。
この作品のほか、「走る取的」が収録された「メタモルフォセス群島」は粒ぞろいの短編が詰まっていたので、さすがに絶版はされていないようだ。


メタモルフォセス群島 (新潮文庫 つ 4-12)

メタモルフォセス群島 (新潮文庫 つ 4-12)


富豪刑事 (新潮文庫)

富豪刑事 (新潮文庫)

LEDの中村修二教授記者会見−−日本の「世間」はどう動いたか?

・・・日亜化学工業の小川英治社長は11日、和解が成立したことを受け、「当社の主張をほぼ裁判所にご理解いただけたと考えている。特に青色LEDの発明が中村氏一人ではなく、多くの人々の努力と工夫のたまものであることを理解いただいた点は大きな成果と考える」とのコメントを出した。

    ◇

 中村修二教授の弁護団は和解成立後に記者会見し、「今回の和解内容に全く納得していないが、弁護士の意見に従って受諾することにした。発明の対価についてのバトンを後続のランナーである一人ひとりの技術者に託し、本来の研究開発の世界に戻ります」とする中村教授の声明を読み上げた。

ちょっと記者会見を全部見てみたいね。スカパーの「速報! 記者会見」でやってたかな?
中村氏は、このときどう振る舞うべきだったのだろう。
いかにも、日本人好みの謙虚というか潔い態度というのも出来たんだろうけど、600億⇒8億じゃあ、俺だってかっこよく振る舞う気にはなれない(笑)。
しかし、モチベーションとしての報酬というのはあっていいと思うんだけど、全体としては大成功した人にどっと報酬が出るということ以上に、「結局失敗しましたけど、アレコレやってみました」という人に、なんとか居場所があるという社会の方が、新しい発明を全体で生み出すにはいいような気がするんですけどね。
日本の豊かさは、結局のところ携帯やテレビやら、そういうカラクリ仕掛けで儲けたものが回りまわって俺たちに巡ってくるのだから、ぜひともお稼ぎいただきたい。

ところで、日亜側も「中村の貢献はごく一部、みんなで頑張って青色ダイオードを開発したんだ」という本を出したらしい。それも読んでみたい。

一日遅れの大谷昭宏発言

すまない、きちんとビデオ録画していたはずなのに、最終部分は切れていて奈良事件に関してのコメントが性格に再現できない。記憶によることを断っておくが、要旨はこんな感じ。

(性犯罪前歴者の所在の警察把握とミーガン法に関し)
警察はともかく、ミーガン法なんて極端なものが出来たら、オウム信者が引っ越しても住民票を受け付けないことがあったでしょ?そんな風に、今の日本では排除されてしまう。
それよりはポルノ取締りなどを優先するべきだ

というお話でした。

韓国国会議員の記者会見を中国が妨害

いま、朝日ニュースターのニュースを見ていたら、その映像が流れていた。
韓国野党系(言及はしてなかったが、労働党ではなく当然ハンナラ党だろう)議員が、中国の脱北者取り締まりに抗議する記者会見だったが、停電までさせてその会見を止めてやんの。


議員らは6時間も抗議のため座り込んだそうで、あっぱれ。
ところで皆さん、与党や盧武鉉大統領、ハンギョレ新聞らの対北融和路線も、ハンナラ党が歴史問題で逆に強硬なことも十分承知しているがまあ聞いてくれ。

この前の大みそか朝まで生テレビ」で民主党の次期指導者と目される枝野幸男氏が「日本は民主的価値観を共有する国と協調しなければならない」と主張、田原総一朗に「たとえばアジアだとどこなの?」と問われ「それは強いて言うなら、韓国・台湾でしょうね」とはっきり答えていた。

後者の国名(あえて「国」と書こう)を挙げたのは、民主党次期指導者としては実は新聞に取り上げられてもいいほどのビッグニュースなのだが、それは別にして私も賛成。


韓国も、個々の政策や指導者には大いに反対も揶揄もするけど、アジアの民主体制である。
個人的には、日本を愛する独裁より、日本を憎む民主に優先順位を置く。
枝野氏は、そのへんのことを原則問題としてよくわきまえている政治家だ。


しかし、中国当局も大胆だよな。ぜんぶ映像で収録されてたのに。
でも、あまり大々的には放送されてなかったけどな

【続報】共同通信によると、枝野幸男氏は1/12、ベトナムで開かれたアジア太平洋議員フォーラム(APPF)でWHOに台湾が加盟していない(中国の反対で出来ない)ことに「不合理だ。私は以前から準加盟すべきだと指摘している」と述べたそうだ。「カナダの議員が賛成したが、中国が強く反対し、統一見解には至らなかった」とのこと。



【メモ】匿名である自由 裁判官の書斎 津波被害 指紋登録 日垣隆