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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ゲーム会社が母体で新雑誌創刊。「大物を原稿料2倍で引き抜こう、うちは新人を育成しないし…」(箱庭モンスター)【漫画小ネタ集】

「箱庭モンスター」はモーニング掲載なのに、少女漫画誌が舞台の編集者漫画。

「箱庭」とは少女漫画の世界の自称(自虐)で…第一話を張っておくか

comic-days.com

箱庭モンスター


ただ、今のところの展開は…とある合コンの席で、ゲーム会社の社員が知らずに漫画雑誌編集者に名刺を渡し、内情をペラペラしゃべってしまう。

ゲーム会社が母体で漫画雑誌創刊、原稿料2倍、新人はイラネ(箱庭モンスター)


ゲーム会社が母体で、今のご時世に「紙の新漫画雑誌を創刊」するのだという。大物を今の二倍の原稿料で引き抜いて…

箱庭モンスター 新興企業が大物マンガ家を引き抜き?

ははは、夢があっていいね。たしかに1990年代には、そんなことがあった。いや、ゼロ年代にも、一時の栄華を誇った「パチスロ業界」が漫画雑誌に参入したりした。
令和のいま、「漫画サイトを立ち上げる」、ならともかく「紙の雑誌を創刊する」というところが本当にあるのか、それもたっぷりの準備金で、大物を引き抜くなんてところが……まあ、これは時代をスライドさせた一昔前の、その動きなのだろう。


ただ、自分の乏しい観測範囲内では、漫画家マンガ、マンガ業界(編集者)マンガにおいては、どんな良心的な傑作であっても「マンガ業界に新規参入した新企業・新雑誌・新サイト(ついでに編集者と距離を置き、それより自分のブレーンを重んじるような作家)」を描く時は、悪意300%増しの「悪役」になり、ほとんどプロレタリア芸術における悪徳資本家描写とか、宗教団体の「無神論共産主義者」描写並みに憎悪プロパガンダが展開され、やはり情熱と伝統の蓄積のある老舗出版社で、燃える編集者と魂の打ち合わせをするのが最高だぜ!!という展開になってきた……ような気がする(笑)。

バクマン。 編集者と作家との関係

で、WEBコミックは、こうであると。

WEBコミックサイトは無責任で粘りがなく、儲けが無かったらすぐ閉鎖するし、編集者はアドバイスもよこさないし、権利関係がエグい。
漫画家は、大手出版社の有能な編集者と知恵と汗を出し合い、二人三脚で優れた作品を創っていくべきなのである…と。

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編集王 再販制度
編集王 再販制度


今度も、この大資本の新雑誌が、どんな極悪愚劣な連中として扱われるのかにちょっとワクワクしてると(笑)…いや、さすがにここまでくれば、そのパターンも外されるかな?


それと同時に、本筋になるのかならないのか…

「大御所の人気作品には、今の倍の原稿料を払う価値がある。それができないのは、新人を育てる方にその本来払うべき価値のマネーを流用しているからだ」
というのは、実にどうも今の雑誌型式の急所を狙った本質論である、という話は以前書いた。

・そもそも単行本は別にして、漫画も含めた「雑誌」とは「不備のある抱き合わせ商法」なのである。大人気作品と、そこそこの人気作品と、不人気作品と(笑)、新人の研修をセットにして、数百円で月1回、週1回販売する。へんなシステムなんですよ。人気漫画が、不人気漫画の500倍(雑誌上で)読まれようとも、おそらくはページ当たりの原稿料がちょっと高い低いの違いぐらいしかない。

これは2013年の指摘。


・実は漫画(の人気作品)の潜在的な商品価値は、それをはるかに上回るものだった!!! 「次の回を読むには〇〇円払ってね」とやれば「じゃあ払うよ!」という層はこんなにいた!!スマホ前の時代は、そういう技術的・インフラ的な手段が無かったので、特殊な抱き合わせ販売「雑誌」を採用してたってだけで。

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