「バトルスタディーズ」はご存じかもしれないが、実際に高校時代PL学園野球部に所属した人が描いてる漫画だ。
まあ驚くべきことではない、
実際に交番勤務していた元警察官が警察漫画を、
箱根駅伝に出た人が駅伝漫画を、
原発作業員をしていた人が原発漫画を、
将棋の名人の奥さんが棋士漫画を描く修羅の世界だ。
だけど、PL学園の、高校野球の「あるある」以上に、この作品は、その選手たちの口を借りて出てくる、精神論や人生訓が、中々に読ませる作品だ、以前から。
もちろん「クサイ」といえばクサイし、なんか啓発的な、意識高い的なところもあるのだが、それをひっくるめて力業で説得力を増しているし、またそういうクサさや啓発系のアレな点に対して皮肉を込めたツッコミもあり、そのツッコミのレトリックがまた、ポイントが高い。
ぶっちゃけ、セリフ回しだけで勝負する限定バトルなら、この作品は「銀魂」に肉薄するぐらいの言の葉の力がある、と思うのであります。
そして作中でも、今回あらたまっての「スピーチ」が行われる…地方予選決勝前の夜。
ここからさらに「ただ…」と続いていく。
モーニング 2024年1号